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  1. 心慰める音〜丸山薫の詩「風」〜
 

心慰める音〜丸山薫の詩「風」〜

2017/05/29 心慰める音〜丸山薫の詩「風」〜
今朝は、丸山薫の詩を。「読書への誘い」第42号で紹介したものです。
同じ題名の詩でも、見事に全く違います。

     「風」          丸山 薫

 

 繁みの中で一と声、牛が鳴く。

 枝が一斉に打ち消すやうにそよいで、たちまち静かになる。

 

 繁みの中で一と声、牛が鳴く。

 枝が一斉に打ち消すやうにどよめいて、まちまちに笑ひ痴ける。

 

 繁みの中で一と声、牛が鳴く。

 枝がまちまちにさざめいて、やがて一斉に笑ひ崩れる。

 

 繁みの中で一と声、牛が鳴く。

 と、枝はまちまちにさざめいて、さざめきはそのまま枝にかくれる

 かくれてゐたさざめきが一斉に枝を揺つて笑ひ出した。

 

 その笑ひに重ねてもう一と声、牛が鳴く。

    (『丸山薫詩集』現代詩文庫1036・思潮社・1989年刊)

 

牛の鳴き声と、風のそよぎと…。穏やかな田園風景です。

属している世界は揺らぎませんね。

なんせ、木々の葉が「笑って」いるのですものね。

 

風が、木々の葉の笑いをもたらすほどに、穏やかな世界です。

 

昔、広島に移って半年経った頃、秋の訪れとともに心の調子を崩して、一切の「音」がうるさく聞こえて、テレビが見られなくなったことがあります。

高台に建ったマンションの一室に居て、海が見えて、瀬戸内海に浮かぶ小さな島も見えて、遠くに水平線も見えて、それはそれは素晴らしい眺めであったのですが、病んだ私のなんの慰めにもならなかった。

 

唯一心を穏やかにしてくれたのは、マンション全戸に設置されていた「ユーセン」の「田園、牛、虫」という音。

チョロチョロと流れる水の音をバックに、時折牛が「もおー」と鳴く。

そして、そううるさくなく、虫の声が聞こえてくる。…そのうちまた牛が鳴く…という繰り返し。

 

病んでいる時には、水の音がいい、というのを後で聞きました。

子宮の中にいて、羊水に包まれていた頃のことを思い出すのでしょうか?

そしたら、脈を打つ「心音」もいいのかもしれませんね。

…そういえば、赤ちゃんが泣きやまない時用に、「心音の入ったオルゴールメロディー」とかいうのもあったような…。

 

不安に駆られる気持ちを穏やかにするのは、「守られていた」記憶なのですね。

 

杏樹(アンジー)も、淋しくなると身をすり寄せてきます。

大丈夫だよ、というように、背中をとんとんしてやります。

 

牛が鳴き、風が渡る…

心がざわざわとざわめく時には、こういった世界を思い出すのもいいかもしれませんね。


画像は、生駒駅界隈の呑み屋さんで見つけた、コルク細工。お客さんの作品だそうです。

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