2020年はコロナで幕開け、終息の気配も見せずに年の瀬を迎える、そんな年でしたね。
コロナ感染による「緊急事態宣言」後、カウンセリングのご相談もDV絡みのことが増えました。
年末にもお電話での「問い合わせ」があって、
どのように対応していったらよいか、お答えすることがあったので、
ちょっと振り返っておきたいと思います。
ご相談されてきた方のお姉さん。
どうも、夫からDV(=ドメスティック・バイオレンス、家庭内暴力)を受けているように思える。
なのに、「そうじゃない!」と認めない。
ここ何年かは、実家に帰ることもなくなった。
夫から帰らせて貰えてない、気配。
「もう死にたい」と口にするのが心配で。
いったいどうしたらいいのでしょう?
本人がDVを認めない場合は、「DVじゃない?」は言わない
こんにちは。
奈良県生駒市でカウンセリングルーム沙羅Saraを開設しています、葛原昌子と申します。
周囲から見て、「それはDVじゃない?」と思えても、
本人がそうと認めない場合には、「DVじゃないの?」という問いかけをしないでおきましょう。
最近は、DVに対する世間の理解も進んで、
警察も申し出れば保護に動いてくれます。
ですが、それはあくまで本人がそうと認めた場合です。
本人が「違う」と言っている限り、周囲は動けないのです。
既に「洗脳されて」、あるいは、現実の惨めさから目を逸らすために
「これはDVなんかじゃないんだ」と思い込もうとしている場合があります。
その場合は、わざわざ「DV規定」など、しないでおきましょう。
「ああ、そうなのね」と軽く流す。
むしろ、「死にたい」と言っていることに反応したらよい。
「死にたいぐらい、辛いのね」
「それは放って置けないから、カウンセリングに行って、なんとかしない?」
そんな風な語りかけで、閉鎖的になっている状態に「風穴」を開けましょう。
自分ひとりで抱え込むと「自分が悪い」という否定的な考えのループに、はまり込んでしまう。
辛い状況をなんとかしよう、という「持ちかけ」をして、
「家庭内」に留まっている状況を少し変える。
そこから始めましょう。
その際には、本人が「受け入れやすい」ところから始めることです。
「姉は、妹である私が言うと、どうもプライドが高いから、受け入れられないみたいなんです」
相談者は電話の向こうで、そんな風にも言われました。
そうですね。心配されている方からすれば、
「そんなこと、言ってる場合じゃないのに!」というお気持ちでしょうけれど、
しかしここは「急がば回れ」。
誰からだったら、本人が少しは聞き入れやすいか、を考えましょう。
「母ですね」と即座に返答。
「そうだとしたら、まずはお母さまにお話しして。
カウンセリングに繋げてもらうようにしていきましょう。
カウンセリングに行ったら、どんな風に話していただけますか?
そんな風に、相談者から聞かれました。
「話の流れで、夫との関係がしんどい、という話が出たら、
こちらには『DVチェック表』がありますから、『ちょっとやってみて貰えませんか?』と誘います。
DVは5つの虐待として整理されていて、
それは
そうすると、もう少し、ご自分の状況を客観的に把握することができる、と思います。」
まずは、本人が今の自分の状況を把握しないと始まりません。
逆に、本人が今の自分の状況を理解できれば、話は早い。
周囲の人は、「どんな風だったら、本人が納得し、外へ連れ出せるか」
を考える必要があります。
既に、「社会的隔離」で、情報が正確に入ってこない状況になっていることがあります。
その辺りを加味して、心理的に抵抗感が低いところからアプローチしていく必要があるのです。