中学生の上のお子さんの不登校のお悩みで、ご相談に来られている方が
カウンセリングとカウンセリングの間の「報告メール」で、
下の小学生のお子さんの「爪噛み」のことを書いてこられたので、
「クリームを塗ってあげましょうか。
でもまた口に入れるかもしれないとご心配なら、
リップクリームでも構いません」とお返事したら、お礼の返信が来て。
そのお返事の言葉に私の方がびっくりして。
何と書かれてあったと思いますか?
「やってみたら思ってた以上に指先がかたく、ささくれも酷くて
『痛いのにやめれないんやなぁ』と泣きそうになりました。」
ではもう少し、次の章から詳しく状況をお話しますね。
「痛いのにやめらない」ことに気づく
こんにちは。
奈良県生駒市でカウンセリングルーム沙羅Saraを開設しています、葛原昌子です。
お子さんの指先がどんな風になっているのかを知って、
お子さんの「辛さ」に気付かれた、のですね。
お子さんは、クリームを塗ってもらって優しく触れてもらったことを、
指を口に持って行った時に「思い出せ」ば、
もしかすると、はっと気づいて、口から指を離すかもしれない。
爪噛みは無意識にやっていることだから。
そして「気づいた」としても、「止められない状態」もあるのだけれど、
でも、大好きなお母さんがお薬を塗ってくれたから、
ちょっと、口に入れて台無しにするのはやめておこう、と思うかもしれない。
そういったことを期待して、「グリームを塗ってあげましょうか」と
提案したのですけれど。
クライエントさんは心優しい方だから、
お子さんの指先の状態がどんな風であるのかに気づいて、
「泣きそうに」なられたのですね。
カウンセリングに来られる方は、心優しいから傷つきも多いわけで、
そして、お子さんへの愛情も溢れんばかりにあるのに、
その表し方がちょっと上手でない、方が多くて。
だから、お子さんの状態に気づけば、
もうそれだけで叱らなくても済む、のです。
さらにこんな風に書かれていました。
「爪噛みをやめさせる事より、向き合う事の大切さを感じました。」
お子さんの状態に向き合う、という意味でしょうね。
とにかく「よろしくない状態」をやめさせることに向かうよりも。
そうそう。でももう「向き合う」以上に、寄り添っていらっしゃる、と思うのです。
爪噛み「行為」を責めないで、爪噛みをしてしまう「気持ち」に寄り添うからこそ、
心の痛みを感じ、泣きそうになる。
いろんなご自分の「至らなさ」を挙げて、
ご自分を否定的に捉えていらっしゃったのですけれど、
私は、そうではない、と気づいています。
そして、愛情も「心配のあまり、叱る」方向ではなくて、そのままを、
心配したら「手当をする」方向で、と思うのです。
そうしたら、子どもも安心し、いい方向に動き出す、と思うのです。
だってほら、現に「上の子もハンドマッサージしたら気持ち良かったのか『明日もして』との事でした。」
と書いてきていらっしゃる。
下の子が優しくされていたら、上の子の気持ちも動き出す。
みんなでほっこりできたら、いいですよね。
赤ちゃんの時とは違って、もうそれぞれが、
親が立ち入れない、自分の場所で頑張らないといけない、状況下で、
そんなスキンシップが、心の栄養になるのだと思います。