上手なカウンセリングの受け方

2020/01/08

こんにちは。

 

奈良・生駒で「カウンセリングルーム沙羅Sara」を開設している葛原昌子です。



カウンセリングに来られる方のお悩みはさまざまで、

そうして、悩まれた期間もさまざまで、

だから、カウンセリングの進み具合もそれぞれ、なんですが、

そして、それはそれでいいと思うのですが、

多くの方と一緒に取り組んでいく私から見ると、

やはり、そこには、

「上手なカウンセリングの受け方」というものが

あるような気がします。

いったいそれは、何でしょう?

それは、その回のカウンセリングで、

「今日は、このことについて話をしよう」

という目的がハッキリしているということです。



初回のカウンセリングでしたら、

「ともかく、今の現状と、そこに至るまで、を聞いてもらおう」

というお気持ちで、来られます。

だから、「目的」が明確です。



けれど、次回カウンセリング、となると、

初回では話しきれなかった「諸事情」を

もっと詳しく聞いてもらおう、もあるでしょうけれど、

前回のカウンセリングから、「何が、どう、変わったのか」

という点も加わっていきます。



前回のカウンセリングから、今回までの間に、

何が起きて(あるいは、どんなやり取りがあって)、

どんな気持ちになったのか、

それを通して、自分の大事にしていること、

こだわっていることは何か、がわかった等々、

自分への「気づき」がないと、カウンセリングは進まない、のです。


もちろん、自分の辛い気持ちをわかってもらえた!

という安心は必要です。

誰にも言ってこなかったことを聴いてもらえる、ということは、

自分を受け入れて貰えた!と、ほっとする気持ちになると思います。

自分を否定して否定して、やってきたけど、

そんな否定しなくてもいいんだ…! と思えることは、

自分の「支え」につながります。


ですが、それだけでは、

抱えている問題の解決、とはならない。

問題解決の基盤(ベース)になる、とは思いますが。


苦しい「現状」を変えたくて、

カウンセリングに見えたのだと私は受け止めています。

だったら、やはり、今の「現状」を変えたい。

今の「現状」を変えるには、

やはり、自分の「思い癖」がどこにあるのか、

いつも同じパターンとなってしまう、その繰り返しが、

どの時点で始まるのか、の「気づき」が欲しい。


それは、やはり、ご自分の言動を「観察」する以外にない、

と私は思うのです。

こんなことがあった、あんなことを言われた、

そういう「出来事」「ことがら」を聴いてほしい、

そのお気持ちは尊重したい。

ですが、それをいくらたくさん話されても、

「その出来事を通して、自分という人間は

どういうことを大事にする人なんだ、とわかった」

というような、自分への「気づき」がないと、

問題の解決には繋がらないのです。


つまり、カウンセリングの効果を上げるには、

「出来事」「ことがら」を話しながら、

自己理解をどれほど進められるか、

ということに掛かっていると思います。


それで、複数回受けられる方にお渡しする「気づきノート」シートには、

次回カウンセリングの前日に、

前回カウンセリング終了後から取り組んでいただいている「気づきノート」を見直し、

「振り返ってみて、気づくこと」を書いてきていただいています。

前回カウンセリング以降の、ご自分を振り返ることで、

次回カウンセリングで、取り上げたいこと、を明確にするためです。



このように、効果的にカウンセリングを受けるための

「仕組み」を作っているわけですが、

その「仕組み」をお知らせした方がいい気がして、

今日のコラムとしてまとめました。


<追記>
コラムを読んだ、現在カウンセリングを受講中の方から、感想をいただきました。
掲載許可をいただきましたので、ご紹介いたします。


これまで、カウンセリングを受けて、自分の中で予想以上に前に進んでいると思う時と毎回、気持ちは落ち着き、次に向かうことは出来るのだけれど予想以上に感じて向かえていないような気がする時と、何が違うのか?とずっと思っていました。

 

それは、カウンセリング前日に、話したい内容を思う段階で止まっていたのか、一方、そこに気づいたことや改善したいことが明確にあったか、その違いだと気づきました。

 

毎回、話したい内容はたくさんあります。日々の出来事は絶え間なくあるのだから、当然といえば当然で。ただ、そのたくさんある出来事から、何に気づいたのか、自分がどう変わりたいのかを伝えることが出来た時は、グンと前に予想以上に進んだと感じ、そうでない時は、前回のカウンセリングから何に気づき、どう変わったのか、そして、何を改善したいと願うのかが自分の中で曖昧であると、そのことに気づきました。

 

自分の思いグセのスタート地点やストップする方法を見つけることが出来たら、そして、all or nothingの考え方を緩めることが出来たら、随分と生きやすくなりそうです。

日々の出来事の中で、何を大事にしたいと考えるのか、こだわりは何なのか、自分を見つめていけば、答えに辿り着ける、すぐには分からなくても気づいたところまでを話すことが出来れば、一歩ずつ前進できると、そう思いました。