そもそもは、我が母が「アンジー、なんぼあんじょうしたげても(いくら大事にしてあげても)、私は2番目や」と、のたもうたところから始まる。
「え? それ、どういう意味?」
「だから、ママが一番で、その次が私」
そりゃそうでしょ。だって私がママなんだから!
生後2ヶ月、手のひらに乗るぐらいの850グラムのアンジーに、ドッグフードをふやかして食べさせたところからアンジーと私との関係は始まる。
…そもそも、緩和ケアに入った父のセラピードッグとして買い求めたのに、その時はアンジーに触れもしなかったのに、さ。
そりゃあ、ママが一番、よね?
それがどうも、我が母はご不満のようで。(我が母は我がママ。)
「じゃあ、お母さん、自分のワンコ飼えば? そしたら、お母さんが一番、になるよ」
「うん…でもこの歳やし…」
「最後まで面倒見てやれない、ことを心配してるんだったら、最後は私が面倒見るから」
そう。確かに、そんなふうに約束した。
だけど。私は思いもしなかったのだ。
「最後は私が面倒を見る」時期が、子犬を家に迎えて、5日後に来るなんて!