五十を過ぎて、ご自身の親との親子関係の整理をしたい、
と来られた方がいらっしゃいます。
うかがうと、人生の折り返しを過ぎているというのに、
このままのスッキリしない状態でいるのはもうイヤだ、
とおっしゃるのです。
2年前に一度、お見えになったのですが、
その時には、引き続いてのカウンセリングを受ける決心はされませんでした。
まあ、なんでも、その人にとっての「適切な時期」というものがありますから、
私は無理にお引き止めはしませんでした。
そうして、再びお見えになって、
今回は、カウンセリングをコースで取り組みたい、とおっしゃいました。
こんにちは。
奈良・生駒でカウンセリングルーム沙羅Saraを開設しています葛原昌子と申します。
私が開発した「気づきノート」というのは、自分との付き合い方を学ぶ方法なのです。
その取り組みは、「自分との対話」から始めます。
では、どういった「自分」と対話するのか。
それは、子どもの頃の、人目や、人の思惑をまるで気にしなかった頃の自分と、
対話していくのです。
人からどう見られるか、を気にして生活していると、
本当は自分は何をしたいのか、何がしたかったのかが
わからなくなります。
そんな時には「自分」に聞くのが早い。
「何がしたい? どうしたかったの?」
まあ、すぐにはなかなか難しいですけれど。
ずいぶん長い期間、溜め込んだ感情をお持ちなのだと、
私もとても心痛む思いがしたのですけれど、
それでも、3回目のカウンセリングで、これまでにあった、親とのいろんなことを話した後に
取り組んだ「クリアリング・ア・スペース」。
画用紙に、その時、思いついたことーーそれは、気に掛かる、悪いこともいいことも、
全部書き出す作業をしたときに、私がへえ〜と思ったのは、「たのしい」「おもしろい」といった形容詞も出てきたこと。
書き出す「言葉」として、
「ことがら」や「出来事」、人の名前が出てくることが多いのですが、
形容詞は、この方が初めてでした。
そして、「ああ、なんかワクワクしてきた」とおっしゃったのです。
長年の鬱積した感情が、「気づきノート」を通してその方から「出て行った」とき、
こんなにも伸びやかな表情で、こんなにも明るい声で、
いることができるのだ、と私は感動しました。
負の感情を、いつまでも「握りしめて」いることに嫌気がさして、
だから、こちらに来られたのだ、と思いました。
そうですね。
私たちの手は二本しかないので。
両手でいつまでも負の感情を握りしめていたら、
他に何もつかめない。
できることならば、そういった感情は早くに手放して、
もっと素敵な、もっと伸びやかな生き方ができるような
ワクワク、ドキドキを手にしたい。
それが手にできたら、本当に人生が変わる、と思います。
一緒にその方法を探りませんか?
<追記>
カウンセリングの後に送ってこられたメールに、
「まこさんは、いいお母さんです。
私は育て直してもらってる感じがします」
とありました。
とても嬉しく感じました。
そうですね。その「育て直し」をご自分でできるようになる、
というのが、カウンセリングコースの最終目的です。