詩の世界
今夜は雨が降っていて、お前の木琴がきけない〜金井直の詩「木琴」〜
2020/07/27
雨が降っています。今朝も早くから。
続き
あんまり大雨だと、杏樹(アンジー)の散歩、いけないのだけれど、
今朝の雨はまだそれほど強くはない。
ふと、金井直の「木琴」を思い出しました。
小学校の教科書教材にもなった詩です。
…遠い昔、「読書への誘い」第44号でも紹介しました。
「木琴」 金井 直
妹よ
今夜は雨が降っていて
お前の木琴がきけない
お前はいつも大事に木琴をかかえて
学校へ通っていたね
暗い家の中でもお前は
木琴といっしょにうたっていたね
そして よくこう言ったね
「早く街に赤や青や黄色の電灯がつくといいな」
あんなにいやがっていた戦争が
お前と木琴を焼いてしまった
妹よ
お前が地上で木琴を鳴らさなくなり
星の中で鳴らし始めてからまもなく
街は明るくなったのだよ
私のほかに誰も知らないけれど
妹よ
今夜は雨が降っていて
お前の木琴がきけない
あなたはあなたのままで大丈夫。ひとりで悩みを抱え込まないで。