先日お見えになった方のご相談は、中学生の子どもさんの不登校のことだったのですが、
ちょっと気になったのが、「私のせいなんです」と言われること。
お聞きすると、なんでもご自分の精神状態が安定しないことが多く、
子どもさんが小さい時から、ご自身が寝込みがちだった…とか。
「母親は家の太陽であるべき存在なのに…」とおっしゃるのです。
「私はいつも、元気でいられなくて。」
そのせいで、子どもも覇気がなく、引っ込み思案な子どもになってしまった…、と。
お聞きしていて、私は、うーん…と唸ってしまいました。
ひとしきり、お話を伺ったあと、その方に何とお応えしたと思われますか?
こんにちは。
奈良・生駒でカウンセリングルーム沙羅Saraを開設しております、葛原昌子と申します。
子どもさんはもう中学生になっていて。
確かに、「引っ込み思案である」とか「学校に行き渋る」とか、
子どもさんが小学校低学年であれば、
ご自分の心身の状態がよろしくないことの影響も、
加味してもいいでしょうけれど。
でもね。だってもう中学生なのでしょう?
そんな親の状態だけで、その子の生活が回っているわけではない。
友達や、学校の先生や、塾の先生や…、それだけでなく
14歳、15歳といえば、もう自分自身についても考える時期。
どんな自分になりたいか、でも今の自分はどんなで、と
理想と現実のギャップにも気づき、そして悩み、する時期。
だから、不登校も「自分の問題」として考えなければならない時期。
なのに、親であるご自分の体調がすぐれなかった…ことだけを、
お子さんの不登校の原因、と思ってしまうのは、
なんだかなあ…と思うわけです。
そう思ってしまうのは、
ご自身の「ねばならない」が自分自身を縛り付けて、
身動きできない状態にしている、ことに気づけていないから、
そこを「外せば」、もっと楽に生きられるのに…と、つい気の毒になって。
そうそう。
お母さんは、つい、そんな風に「自分のせい」と、
子どもの問題を背負ってしまう。
これまでも何人ものお母さんのご相談に乗ってきて、
「いえいえ、あなたのせいではありませんよ」と申し上げて、
どれだけの方が、張り詰めた糸がぷつん、と切れるように
堰を切って泣かれたことか。
「ここでは泣いていいんですよ。…ティッシュも用意してますから。」
そんな風に申し上げて、ちょっとほっとしていただいて。
それからおもむろに、中学生の発達段階において、
どういったことを期待して良いのか、というお話をする。
そう。中学2年にもなれば、もう「自我」を意識し、
「自分の責任」を引き受けられる年齢。
そのことに「気づけないでいた」とまた、
ご自分を責められるのですが、
いえいえ、そういったことが分かるのは
私は長年、教員をしてきたから。
多くの子どもの多くの発達段階を見てきたから。
そんな、ご自分のお子さんやその周囲の子どもたちを見ているだけでは分かりません。
だから、ご相談の機会を得て、それで新しい視点が入ったなら、
そこから、子どもにどう接するかを、組み立てていけばいいんです。
過ぎたことより、「これからどうするか」に目を向けましょう。
まだまだ、できることはあります。
我が子への接し方を「組み立てる」お手伝い、いたします。
一緒に乗り越えていきましょう。