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中井久夫著『いじめのある世界に生きる君たちへ』

2018/03/28

こんにちは。


奈良・生駒で「カウンセリングルーム沙羅Sara」を開設している葛原昌子です。

 

 

いじめられて、自殺を選ぶ子どもが後を絶ちません。

 

痛ましいことではありますが、ニュースを聞いて、

「何も死ななくても…」というのが、多くの人の反応ではないでしょうか?

 

死ぬほど辛いとき、

助けてくれそうな人に何も相談せずに、

なぜ、命を絶つのか。

 

それは、その子の「最後の尊厳」です。

 

「最後の尊厳」

については、この本にわかりやすく書かれていました。

 

いじめは「孤立化」→「無力化」→「透明化」という三段階を経て進んでいく。

大人もびっくりするくらい政治的で、人間を奴隷にしてしまうプロセスだと、

精神科医の中井久夫先生はいいます。

 

その最後の「透明化」の段階で…、(以下、本文を引用します)



“この段階にまでくると子どもは、大人から「誰かにいじめられていない?」と聞かれると激しく否定し、しばしば怒りだします。家族から聞かれて怒りのあまり暴力をふるうことさえあります。それは「何を今さら」「もう遅い」という感覚ですが、それだけではありません。

 

 自分のことは自分で始末をつけるということは、人間としての最後のイニシアティブの感覚です。ここで大人に「もう自分はだめだ」と自分を委ねてしまうことは、大人の介入によって自分に最後に残った感覚をあてどなく明け渡してしまうことです。激しい否定と怒りは、その時に感じるだろう喪失感を先取りするためでもあるのです。”

 

自分のことは自分で決める、という、人間としての「尊厳」を守るために自殺を選ぶ。

 

なんとも痛ましい。

 

けれど、だからこそ、その「尊厳」を傷つけないように、

「あなたは犠牲者である」

「あなたは何も…罪悪感も、卑小感も、劣等感も、持つ必要はない」

ことを伝えなければならないのだと思います。

 

どんな風にして?

 

これは、その子が自分の命をかけて自分の「尊厳」を守ろうとしているのですから、

それに向き合う側も、自分の存在をかけるしかない。

 

「他の誰がどう思おうと、私はあなたに生きていてほしい」

「今は辛いばかりだろうけれど、きっと生きていて良かったと思えるときがくる」


自分の全存在をかけて、私は目の前のクライエントさんに、そう伝えようと思います。

(『いじめのある世界に生きる君たちへーいじめられっ子だった精神科医の贈る言葉』2016年・中央公論社)

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