それは、何かを作っているとき、だったのです。
何か、可愛らしいものをひとりでチクチク作っているとき。
それが心穏やかな時間だったようです。
それならば、そういうことを仕事にしない?
と私は持ちかけました。
え? とちょっと驚かれました。
…そうですね。そんなことで、
自分の生活を支えられるぐらいの稼ぎになるか、
不安になりますよね。
でもね、いっぺんに今の仕事を辞めて
って言っているわけではないの。
今の仕事をもう少し続けながら、
少しずつ少しずつ…
何が必要とされているかもリサーチしながら、
何が作れるか、の幅も広げながら、
やっていったらいいんじゃない?
そうね。
あなたは子どもに関わってきたのだから、
その年齢の子どもに必要なものが分かるよね?
忙しいお母さんたちの欲しそうなものも。
その人たちをめがけて、
どんなものを作れば喜ばれるか、分かるよね?
それから、新たに学ばないといけないのは、
販売経路。
どんな風に、あなたの作品を知ってもらう?
どれくらいの値段で出すのがいいって分かる?
そんなことも勉強しないといけない。
とりあえず、今、できることを始めようよ。
やることはいっぱいあるよ。
今の仕事は、とりあえず、今の生活を支えてくれるもの。
そして、自分の夢に向かうための準備期間を支えてくれるもの。
そう思うと、少しの間、我慢しよう、と思えるかもしれない。
ほら、なんだか楽しくなってこない?
カウンセリングを始めた時には、
少しうつむき加減だったお顔がどんどん上がってきて、
帰り際には「なんだか、お腹空いちゃった…!」
とニッコリされました。
その日はいいお天気で、空も青くて。
「ご飯も食べに行って、この辺りも散歩しながら帰ります」
と言われました。
そうですね。
いっぺんに何かをしようと思うと、
遠い道のりにたじろいでしまうけど、
少しずつ少しずつ、形にしていけばいいんですよ。
こんな風に、自分の願う未来を、
自分の手で生み出すお手伝いをしています。