先日、初めてカウンセリングに来られた30代の女性。
今年に入ってからお付き合い始めた方が、今春転勤となって、
そんなこともあり、結婚話が一気に浮上して、
ご本人も彼と一緒にやっていこうと、自分の転勤も考え、
共働きでやっていこうと決心された。
しかし、ご本人の母親が反対している、という。
え? なんで?
お相手のお仕事、不安定なのですか?
思わずお聞きしたのだけれど、そんなことはない、と。
「母は、専業主婦でやってきたので、…そして、私はあれこれできる人間じゃないから、
仕事も家事も、ってできない、って言うんです。
専業主婦でないと、って。」
「そうして、歳の離れた人との見合い話を持ってくるんです。」
こんにちは。
奈良・生駒でカウンセリングルーム沙羅Saraを開設している葛原昌子です。
母の価値観、時代に合ってる?
え? と耳を疑いました。
令和の時代に、なんと「昭和」な発想!
しかも! コロナ後の今、今後、事態がどうなっていくかわからない、というのに
仕事を辞めろ、と?
「いやあ…、仕事、続けられるなら、辞めたらダメですよ。」
まず、私はそう言いました。
「お母さんの価値観で生きていったら、今後生き残れるかどうか、さえ定かでない…。」
「そうなんです。私もそう思います。」
と言われ、やれやれほっとする。
ともかく、理不尽な母親の言葉は、理不尽だと理解されていて、
そこは大丈夫そう。
しかも、これまで、母の勧める「お見合い」は、いろいろ理由をつけては
断ってきた、という頼もしい女性。
「問題は、お母さんにある、のではなく、そのお母さんに対して、
期待に添えない自分を責めてしまう、罪悪感を感じてしまうご自分、なのでしょう?」
驚いたように顔を上げて、私の顔をじっと見据えられて「そうなんです。」と言われました。
お話を伺っていての、私の中での「理解」がそれでした。
その言葉が、ご自身に響いたようで、今後、カウンセリングを続けていくことを決心されたのでした。
いや、私も覚えがあるのですよ。
母の言っていることが理不尽だ、と分かっている。
分かっているのだけれど、どうも「期待に応えられない」自分をせめてしまう、こと。
…そうそう。あなたの身の回りの世話を、お母さん、焼いてくれている、のね。
仕事をして時間のない中、そんなちょっとしたことが嬉しい。
けれど、そうやって「取り込まれていく」自分にも気づいている。
そうなんです。
上手に「境界線」を引くこと、があなたにとって必要なこと、なんです。
何も「縁を切る」のではない。
新しい関係性を築こうとしているだけ、です。
それは、あなたにとっても、お母さんにとっても、
結局は、風通しの良い、「いい関係」になっていきます。
「毒親」と切り捨てて、それで「終わり」ではなく、居心地のいい関係を築いていくこと、
それがあなたの本当に望んでいることではないか、と私は思います。
そのあなたの望みを、一緒に叶えていきませんか?