「お母さんが、〇〇の、ああいう態度を許してきたんだ!」
と言われ、どうしていいかわからなくなって、
相談に見えた方がいらっしゃいます。
ひととおりお聞きして、言いました。
「でも、どの子も『親の言う通り』には育ってないのでしょう?」
そうですね。
親の言う通りになど、誰も育っていませんよね。
だって「自我」が育ってきて、
自分で自分のありようを決めていくのですもの。
それなのに、いつまでも「親のせい」にするのは、
なんだかおかしいのではありませんか?
それは、都合よく「親のせい」にしておく方が、
自分の責任を問われなくて済むから、ですよね?
もちろん、親の育て方が十分でなかった面も
あるでしょう。
でも、親だって、ひとりの不完全な人間なのだから、
そんな「完璧」な子育てなどできません。
不十分な面があったとしても、
それは、その時の「精一杯」であったのです。
それを、ご自身が振り返って反省する、というならまだしも、
子どもから責め立てられる、というのは
違うのではありませんか?
いいかげん、「責め立てられる」立場に身を置くことを止めましょう。
本当は、「…で、あなた自身、
きょうだい関係を変えていくために、何をしてきたの?」
とでも、言いたいところですが、
そんなことを言うと、烈火のごとく怒りを向けられる、
という状態であるならば、
まずは、「きょうだいの間を取り持つ」ことを
止めることから始めましょう。
何か、「言づて」を頼まれたら、
「直接言ってね」と言って断りましょう。
いつまでも、わが子たちの仲を親が取り持つ必要はないのです。