こんにちは。
奈良・生駒で「カウンセリングルーム沙羅Sara」を開設している葛原昌子です。
「大人のいじめ」が話題になっていますね。
それも「職場でのいじめ」が。
先日も、NHKの「あさイチ」で取り上げられてもいました。
こちらのカウンセリングルームにも、
「職場のいじめ」ではないですが、
非常に気性の激しい同僚の攻撃に困り果てて、
相談に見えた方がいらっしゃいます。
周囲が困っているわけですから、
その方だけがいじめられたわけではないのですが、
攻撃のターゲットが自分になって、
その激しさに不眠や食欲不振などの症状が出だし、
もう限界! になって相談に見えたのです。
上司も、その同僚が「仕事ができる」もんだから、
遠回しに、何か言うことはあっても、
直接に注意できないでいる。
…これまでも、その同僚の激しい「叱責」に耐えかねて、
辞めていった人がたくさんいる、というのに、ね。
「パートなんだから、また、別のところを探そうと思っているんです。」
ひとしきり、「お困り」を話して、そんな風に言われる。
もちろん、当面の問題はそれでなくなるでしょう。
でもね。
世の中には、そういう「攻撃性」を持つ人が他にもいるわけで。
お子さんがいらっしゃるというなら、
お子さんがこれから就職して、
いろんな人に会って、同じように悩んだ時に、
アドバイスできるご自分を作っておきませんか?
もちろん、今の仕事を辞めたら直接の悩みは消えて、
それで済むのですけれど、
でも、どんな人と同僚になったとしても、
大丈夫、な自分を作っておくことは、
一生の財産だと思うのですが、いかがですか?
ということで、始まったカウンセリング・コース。
攻撃性がある人への対応の仕方をお伝えしていきました。
まずは、「他人(ひと)の感情に責任を持たない」。
まあ、攻撃性のある人は「あなたのせいで、こんなに〜」と
自分の怒りの責任を押し付けてくるでしょうけれど、
それは違います。
何か、できごとがあったとして、
百人の人が百人とも同じ反応をしない、ことからわかるように
怒ったり、悲しんだり、それは、その人が選んだ「感情表現」なのです。
「あなたが私を怒らせた」「あなたが私を悲しませた」
それは違います。
その人が自分で、怒ったり、泣いたり、を選んだのです。
怒りを感じたり、したとして、
それをそのままその場で表現するかどうか、も
自分で選ぶことができるのです。
だって、「自分の感情」ですから。
一方で、「自分の感情には責任を持つ」必要があります。
あなたは、人から攻撃されて、不当なことだ!と、
身体中がカッとして、「怒り」を感じたハズなのです。
ですが、「私のせい?」「私が悪い?」なんて思ってしまって、
怒りが正当に相手に向かわなかった時に、
その「怒り」は形を変えて、自分を攻撃し始める。
その自分への「攻撃」が、不眠やら食欲不振やらを引きおこす。
…そうです。
あなたが正当に相手に怒りを向けないから、
その「怒り」は自分を攻撃してしまっているんです。
いえいえ、何も、相手に「反撃」するように言っているのではありません。
それを相手に向けて、直接「表現」するかどうか、は別問題です。
まずは、正当なご自分の「怒り」を認めること。
それから、適切な場所と時間を選んで、怒りを出すこと。
お家で、ひとりでいる時に、
クッション相手に、ボスボスとパンチをしてもいいんですよ。
そう言うと、びっくりした顔をされます。
そうですね。
自分の「怒り」を認めるなんて…!
それに、そんな風に「表に出す」なんて…!
でも、健康的でしょ?
自分もケガしなくて済むし。
そうやって、ご自分の感情のケアをしてから、
相手への対応を変えていきましょう。
そうやって、進んでいったカウンセリング。
3回目ぐらいで随分元気になられ、
4回目から、次の仕事を探す段取りを始めました。
私は「キャリア・カウンセリング」の資格もあるので、
ご自身のこれまでの経歴の「棚卸し」を始めようとしていました。
ところが、5回目に来られた時に、なんと
その「お困り同僚」が、辞めることになった! と。
自分で別の場所を見つけての「転職」だそうで、
それで気持ちをよく「引継ぎ」に入ったそうで、
円満に問題が解決していきそうです、との報告を受けました。
まあ、世の中には、思ってもないことも起きるものですね。
でもね。
それは、問題から逃げずに立ち向かった、その方の有りようが、
そういった「事態」を引き寄せたように、
私には思えるんです。
「転職」の必要もなくなったので、
7回コースですけれど、6回で終了しましょうか、ということになりました。
こんな風な「途中回で終了」は私も初めてですが、
でも、必要な方に必要なものを、ということで、
これも有りかと思っています。