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自分の触角を物指しにする〜折々のことば・鷲田清一#2068〜

2021/06/21
自分の触角を物指しにする〜折々のことば・鷲田清一#2068〜
2021年1月30日の折々のことば。甲斐信枝の言葉。

蜂は最初の六角形の一辺の長さを決める時、自分の触角を物指しにするのです。

鷲田清一の解説。

郊外の山麓(さんろく)にある納屋で見つけた蜂の巣作りと子育てを毎日まぢかで観察した絵本画家は、蜂と人の間に「生きもの同士の親愛」を感じた。
掌(てのひら)や両腕の端から端の幅、指先から肘(ひじ)までの長さ、そして歩幅と、人もまたそれらを頼りに、みずからが棲(す)む世界を計り、整えてきた。
尺度をおのれの内に持つこと。
生きものの尊厳とはそれをいうのか。
『あしなが蜂と暮らした夏』から。


…そういえば、まだ写メした「折々のことば」あったよなあ…と思い出して。
最後に撮った写メを取り出す。

写メを撮るのは、ふと見かけて、その時「あ!」と思ったものだけど。
時間が経つと、それほど心が動かなかったり。
あるいは、撮った時には言葉にならなかったものが、次第に何か…私の中でうごめき始めたり。

そんなふうに、「その時」の私と「今」の私が邂逅(かいこう)する。

これを撮った時には。
あ、ル・コルビュジェだ! と思った記憶がある。
そうね。モジュール、の考え方、だっけ? 
建築家のコルビュジェが単位にしたのは、人のサイズ、だったような。

そうか。蜂もそんなふうに「自分の体のサイズ」を基準にするのか…と。

今、調べたら、正確には「モジュロール」。

モデュロール(Modulor)はフランス語で寸法を意味するモデュール(module)と黄金比(section d'or)を組み合わせた造語で、ル・コルビュジエが第二次世界大戦中に考案した建築の基準寸法システム。
ダヴィンチの《人体図》(1960)などをふまえて、ル・コルビュジエ(1887-1965)は、人間の身長(ヨーロッパ型で183センチメートル)と臍の高さが黄金比になることに注目すると、人間の身体寸法をフィボナッチ数列を使って分割し、独自の寸法体系として展開させた。
建築においてモデュールは、建築の工業化、生産効率などの問題として考えられることが一般的であったが、ル・コルビュジエは、人体の寸法と合わせることで、モデュールに建築の機能的な問題を加味することに成功した。
実際に《ロンシャンの礼拝堂》(1955)における有機的な形態や、《ラ・トゥーレット修道院》(1960)の複雑な窓割などが、モデュロールを用いて設計されており、建築の機能的、視覚的側面の設計において、モデュロールの有用性を明らかにしている。
なかでも《ユニテ・ダビダシオン》(マルセイユ、1952)においては、配置計画や立面、断面計画から、住戸計画、家具などの造作に至るまで、徹底的にモデュロールが用いられ、モデュロールの合理性を世に知らしめた。(有山宙、現代美術用語辞典ver.2.0 – Artscape)

うーん。そこまで専門的には理解できないけど。

今回は。この場合の「触角」は人の「触覚」かな、と思えて。
実際に触れてみて感じる、という意味と、なんというか…肌感覚で、ぼやっともやっと感じる、全体把握の仕方、というか。

なんとなく好きになれない、と感じる時の、直感的な認識。
何が…と明確に言葉化できない、のだけれど。

でもそれは、大抵は「正確」な判断で。後から思うと。

そんなふうに、体感覚で生きてるんだなあ、と思う。
それは、「人もまたそれらを頼りに、みずからが棲む世界を計り、整えてきた。」ということなのだろう。

「尺度をおのれの内に持つこと」と鷲田清一は言う。
確かに。その尺度が「ひとりよがり」でないか、の検証は必要だけれど。

「自分の内に尺度を持つこと」と、その尺度の狂いを、その時々で修正すること。
その両方が必要な気がする。

画像は、今年6月に訪れた、奈良・大乗院庭園。
これの尺度は、小柄な日本人に合わせてのものだったのだろうか…と考えてしまった。

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