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沙羅 Sara の「ほっと一息」コラム

沙羅 Sara の「ほっと一息」コラム
日々の暮らしの中で、ちょっと気づいたこと、ほっと一息つけるようなことがらをコラムとしてまとめました。
あなたの「お役立ち」になるかどうか、心許ないですが、興味を持った「カテゴリー」から読んでみてくださいね。

カテゴリーごとに選べます。
選択
ゲシュタルト療法
2016/10/28
一昨日、ボランティア団体ハートハース(「心の暖炉」という意)の秋の研修会に参加して、傾聴ボランティア「なら」所属の方から興味深いお話をうかがいました。

まず、代表をされている斉藤さんの言葉。
「活動として、人と人とが繋がることを推進しながら、一方で個人的にはひろさちやさんの言葉の『人と人とが繋がらなくていい』に共感する自分がいる。両方要るんじゃないかと思うんですよ。」

さらに、副代表の平松さんからの「傾聴とは何か」を考えさせられる活動報告。
「DV被害者のお話を傾聴しているのですが、1時間の(傾聴時間の)うち、3分の2は辛かったことを思い出して泣かれるのです。そうすると、聴いているだけというのが、これでいいのかと私自身が悩みましてね。傾聴はアドバイスも同意もせずに、ただその方がお話されるのを聴くだけ、というものですから。ですが、ごく最近、これでよかったんだと思えることがありました。」
「その方が、精神保健福祉士さんにカウンセリングを受けるということになって、何度か私が傾聴させていただいて信頼されたのか、そのカウンセリングに一緒について来て欲しいと言われたのです。ちょっと迷ったものの、一緒について行きました。そうすると、その方は、私に話したのと同じことを、同じように精神保健福祉士さんに話されたのです。」
「精神保健福祉士さんは、私どもの傾聴とは違いますから、ばんばんアドバイスされるのです。…まあ、言ってみれば私たち傾聴の対極にある対応をされるわけです。…これは、ご一緒させていただいて『傾聴』とは違う対応とはどういったものか、考える上でとても参考になる経験だったのですが。」
「そのカウンセリングを終えて、次の傾聴の時に、え? と思ったのです。カウンセリングを受けられている時に、うんうんとしきりに頷いて聴いていらしたのですが、その、アドバイスされた内容を何も覚えていらっしゃらないのです。…いえ、確かにカウンセリング中は、福祉士さんの言われることに納得していらっしゃったようなのです。ですが、次の私との傾聴の時間になると、すっかり覚えていらっしゃらないのです。」
「私はこういった経験から、ああ、傾聴させていただくだけでいいんだ、と思いました。この方に必要なのは、聴いてもらうこと。そうなんだったら、それ以上のことは必要ないんだ、と自分の活動に納得できました。」

人のお話を聞かせていただくのは、とても素敵なことですね。このお二人のお話をうかがいながら、私は学び始めて1年半になる「ゲシュタルト療法」のことを考えていました。

ゲシュタルト療法では、「気づき」を大切にします。「自分の内部」(=自分の感覚に基づくもの、寒いとか、お腹が空いたとか)、「自分の外部」(=自分に関係なく存在するもの)、「中間領域」(=頭で考えたこと)の3領域に分けて、そのバランスを取るために、特に現代人は「中間領域」の思考に偏りがちなので、思考をストップさせることを促します。

ゲシュタルト療法では、「答えはその人の中にある」という立場を取るので、「カウンセラー」とは呼ばずに「ファシリテーター」(=促す人、引き出す人)と呼び、「ファシリテーター」と「ワークを受ける人」は「我、汝の関係」といって対等です。そして極端な言い方をすれば、「ファシリテーター」は「気づきを促しさえすれば、何もしなくてもいい」のです。

人間は生体として、外界の変化に対応しながら常に変化してバランスを取っています。これをホメオスタシスと言います。ところが、「未完了な問題」が起こると、その起こった時点に「固着」し、その後周囲の環境は変化しているのに、自分自身は必要とされる適切な状態に変化できません。
つまり、「今」を生きずに「過去のある時点」が行き詰まったまま残っていることになります。そのことがさまざまな不適応を生み出すと考えるのです。
「固着」は選択肢のない状態です。なぜそうなるのかわからないまま、強迫観念に追い立てられるように、ひとつの行動、ひとつの思念に支配されます。それが、身体の一部に痛みやある動きとなって現れるのです。

ゲシュタルト療法は、身体の痛みであったり、無意識の身体の動きであったりするものにアプローチします。
「そこがもし話せるとしたら、何と言っていますか?」「あなたは、そこがそう言っているのを聞いて、何を感じますか?」そうして、分裂した自己の統一を図っていくのです。(ゲシュタルトとは、全体性、統一性の意。)

斎藤さんがおっしゃった「両方要るんじゃないかと思うんですよ。」という言葉から、私はゲシュタルト療法の「選択肢がない状態を脱していこうとすること」との共通点を想起しました。
そして、平松さんのお話からは、その人の状態によって必要なものは異なるということ、そして、その「必要なもの」はその人自身が分かっているのだから、その人の選択に任せておけばいいという、これもゲシュタルト療法との共通点を見出しました。この場合だと、もし、その人が傾聴では満たされないと思ったら「もういいです。」と自分から次に向けて動き出すかもしれない。
「傾聴」と「カウンセリング」と「アドバイス」と、どれが一番いいか、ということではなく、大事なことは、その時その人が必要としているものをそっと差し出すことではないか。
…そんな、「人に寄り添うということとは」を、しみじみ考えたことでした。

心理学
2016/10/22
前略  ジグムント・フロイト様  
「臨床心理学」という分野で、フロイトは欠かせぬ存在だとは、門外漢の私にもおぼろげながらわかっていました。
だけどなんとなく苦手でした。
なんでもかんでも「リビドー」なるものを持ち出すという先入観があり、人間はそんなに性的存在かしらって、反感すら覚えていました。
その「巨匠」にたてついた、ということで、ユング、いいんじゃない? と思っていました。
…詳しいいきさつなどまるで知らなかったのに。

前期、名取琢自教授の「深層臨床心理学」という授業で、ブロイヤーとの共著『ヒステリー研究』の症例や「ヒステリー現象の心的機制について」という論文、『フロイト著作集』から「精神分析について」という論文を読み込んでいったのですが、そこで初めて、フロイトは医師だったんだ…ということに気づき、ユングも医師だったことを知ったのです。

別の授業で、医師ではない人で心理療法を編み出した始まりは、カール・ロジャースだという話も聞きました。

「臨床心理学概論」の4回目の授業で、今度、国家資格として新設される「公認心理師」は、「名称独占」であって、医者などのような「業務独占」ではないとの説明がありました。
つまり、「公認心理師」の資格を持っていない人は「公認心理師」を名乗ってカウンセリングをしてはいけないが、カウンセリングそのものをしてはいけないわけではない、ということです。
カウンセリングは「業務独占」ではない、ということなのです。

そのことについて、フロイトは1926年に「レイ分析の問題」という論文まで書いているといいます。(レイとは非医師のことで、レイ分析とは医師ではない者が、精神分析を行うことを意味します。)
森谷寛之教授による、この論文の要旨は次の通りです。

1  患者をまず医師が身体的疾患の疑いについて診察することが必要である。
    しかし、医師の資格は精神分析とは何の関係もない。医学教育はむしろ精神分析の障害になる。
2  心という分野では専門家がおらず、誰もが自分でいっぱしの心理学者だと思ってしまっている。
    (この分野では、特殊な訓練が必要である。)
3  精神分析は医学の専門分野ではなく、心理学である。
4  精神分析は医学に応用できるというけれども、それは医学とは言えない。
    ちょうど電流とエックス線が医学に応用されたからといって、それは医学ではなく物理学であるのと同じである。
5  精神分析は医師(=フロイト自身のこと)が発明したからといっても、それは関係がない。
6  非医師を締め出すことは、いわば抑圧の防衛をしているだけで、それは結局失敗に終わる。
7  むしろ非医師たちを教育して資格を与える方が、より現実的、実際的である。

いやぁ、ちょっと感動しましたね。
医師であるフロイトが、医師でない精神分析家を擁護し、育てていこうとしていたなんて。
「精神分析は医学の専門分野ではなく、心理学である」なんて、ちょっとシビレますね。
「この分野では、医学とは異なる特殊な訓練が必要だけれども、それをマスターすれば、医師でなくてもいいんだ」とは、精神科医でないカウンセラーに、心強い言葉ですよね。存在意義を認められている、という。

それで、嬉しくなった私は、授業終わりのコメントカードに次のように書きました。

1926年のフロイトの論文を紹介してくださったのは、非常に面白かったです。
心理療法が沢山見受けられる現代日本では、今度は、医師と非医師の対立軸ではなく、臨床心理士と非臨床心理士の対立軸もあるのかなあという気もするのですが、先生はどう思われますか?

授業の最初に前時の授業の感想をいくつか取り上げてくださるので、そのコメントを書いた一週間後の昨日、楽しみにしていたのですが、何ら回答はありませんでした。

そりゃあそうだよね。「臨床心理士」を育成する大学で、そんなこと答えられませんよね。
ということで、ちょっと大人気なかった自分を恥じたのでした…。

それにしても、前略  ジグムント・フロイト様、あなたならどうお答えになったでしょうね。

仕事
2016/10/17
「読書への誘い」を更新するのに、かつて作ったファイルをPDFに置き換える作業をするのですが、先日その作業をしていて第15号が二つあることに気づき、ああ、そうだった、と15年前の葛藤をまざまざと思い出しました。

岸田秀の『不惑の雑考』という随想集から「死からの逃亡」というひとつのエッセイを選んだのですが、その主旨は「死と直面することを避けるな」というものでした。このエッセイは次のような一段で終わります。
続き
心理学
2016/10/09
大学生も悪くない  
今年4月から「科目等履修生」として京都文教大学に週2〜3日通っています。
当初は今秋に大学院を受験するつもりで、その準備のために「聴講生」になろうと考えたのですが、この大学には「聴講生」制度がなく、それで期末にはレポートや試験がある「科目等履修生」になったのでした。

前期に5科目を水・木・金曜に取り、講義は楽しく、機嫌よく通っていたのですが、6月半ば頃から「このまま大学院進学でいいのだろうか?」と思い始めてしまいました…。
というのは、身体にアプローチするゲシュタルト療法を昨年から学び始め、そのダイレクトさを体感している私にとって、「精神分析」系統のアプローチがまどろっこしく思われてきたのです。

う〜ん…、このままなんとか大学院入試を突破しても、入学後、大学でカウンセリングのスーパーバイズ受けるのは、私にとって納得できないことが多くて苦しいかもなあ…という予感がしました。
けれど、「臨床心理士になろう」ということで自分を納得させて退職したわけだからと、ぐずぐずとこだわりを捨てきれずにいました。
とりあえず、7月末のレポート提出と前期試験を終えてから考えようと結論を先延ばしにして、8月を迎えました。

ずるずるとまだ、受験勉強を続け、大学院受験のための「研究計画書」まで書き上げたのですが(なんと踏ん切りの悪い!)、お盆前の8月12日に「あ、(受験を)止めよう!」と思いました。で、「どうする?」となって、お盆明けからルームの場所探しを始め、HPを作り始め、…今に至っています。

大学院受験を取りやめたのだから、もう大学には行かなくていいようなものなんだけど、後期授業として3科目分、授業料も払っていることだし…と、とりあえず授業の初回を受けてから考えようと、9月末、大学に出向きました。
なんと、3科目とも授業が面白い❗ので、引き続き、大学に通うことにしました。

なかでも「臨床心理学概論」が面白くて。
「箱庭療法」と「コラージュ療法」の関連を見出された、森谷寛之教授が担当されている講義です。
「精神分析の発展は物理学の発展と共にあった」「ニュートンの運動の3原則は、言って見れば『関わりの法則』」など、???な言葉が並びます。

▽運動の3原則                                                 <精神分析>
   1 慣性の法則                                             ➡  関わらない関係(自分自身の状態)
   2 運動の方程式      F=am(加速度✖質量)  ➡  関わる関係(関わる相手の状態)
   3 作用.反作用の法則                                   ➡  相互作用(逆に自分も同等の影響を受ける、転移・逆転移)

と、こういう関係性が見出されるそうです。
精神分析の発展には物理学だけでなく、化学の発展が大きく関与している。天体のように目に見える大きな物体間の解明から、微小世界を扱う化学は物理学から1世紀も遅くに始まった。しかしその、「目に見えるものから見えないものへ」の関心は、「心の解明」にもつながっていった、というのです。

ふう〜ん…。なるほど。
久しぶりに物理の方程式などを聴きながら、私の頭の中でシナプスがパチパチと繋がるのを感じたのでした。
きっと、若返りにいいかもね。
…でも、やっぱり物理学そのものは、よくわかんな〜い。。。

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