朝の、まだ始発の電車が走らない時間。
私は、長田弘の詩集『深呼吸の必要』を開く。
今日の詩は? ああ!これだ。
贈りもの 長田弘
幼い誕生日の贈りものに、木をもらった。
一本の夏蜜柑の木。木は年々たくさんの実を
つけた。種子がおおく、ふくろはちいさかっ
たが、噛むと歯にさくさくと、さわやかな酸
っぱい味がした。立派な木ではなかったが、
それが自分の木だとおもうと、ふしぎな充実
をおぼえた。葉をしげらせた夏蜜柑の木をみ
ると、こころがかえってきた。
その夏蜜柑の木は、もう記憶の景色のなか
にしかのこっていない。あのころは魂という
のはどこにあって、どんな色をしているのだ
ろうとおもっていた。いまは、山も川原もな
い街に暮らし、矩形の部屋に住む。魂のこと
はかんがえなくなった。何が正しいかをかん
がえず、ただ間違いをおかすとしたら、自分
の間違いであってほしいとおもっている。部
屋には鉢植えの一本のちいさな蜜柑の木があ
る。それは、誕生日に年齢を算えなくなって
から、きみがはじめて自分で、自分に贈った
贈りものだ。
ときどきアントン・バーウォグイチの短い
話を読む。人生はいったい苦悩に値するもの
なのだろうかと言ったチェーホフ。大事なの
は、自分が何者なのかではなく、何者でないか
だ。急がないこと。手をつかって仕事するこ
と。そして、日々のたのしみを、一本の自分
の木と共にすること。ニューヨーク州ニューヨーク生まれ、米国、スイス、オーストリアで心理学を学び、修士号と博士号を取得。19歳の時にフリッツ・パールズのワークショップに参加。
1978年以来、個人、カップル、グループに対してセラピーを行うとともに、ゲシュタルトセラピーとグループ精神分析のトレーニングを提供している。オーストリア、ウィーン在住。
オーストリアゲシュタルト療法協会(ÖVG)会長。オーストリア心理療法学会(ÖBVP)とヨーロッパゲシュタルト療法協会(EAGT)の会員。オーストリア国内外のセラピスト、グループ精神分析医、スーパーバイザー。
イタリアの国際ゲシュタルト療法および精神病理学研究所(www.ipsig.it)、および、チェコのトレーニングインスティテュートゲシュタルトストゥディア(www.gestaltstudia.cz)におけるトレーナー。
ゲシュタルト療法、ジェンダー、社会政治的関連の問題に関するトピックについての著作と多数の記事あり。
2003年に、アンソロジークリエイティブライセンス:ゲシュタルト療法のアートを共同編集。
2013年、デビュー小説である "Case Unclosable" を出版。
2016年、『Timeless Experience:Laura Perls’s Unpublished Notebooks and Literary Texts 1946-1985』を出版。など。
そこは、「ちひろ美術館」から車を30分ほど走らせたところにあって。
脇道を入って行ったら、なんだかどんどん「森」に入っていく気配で。
あれ? ここを行けばいいの? という感じの道をどんどん入っていく。
夕方4時には、着くことができた。カウンセリングルーム 沙羅Sara
あなたはあなたのままで大丈夫。ひとりで悩みを抱え込まないで。
明けない夜はありません。
電話番号:090-7594-0428
所在地 : 生駒市元町2-4-20
営業時間:10:00〜19:00
定休日 :不定休