大阪・奈良 生駒駅徒歩6分の心理カウンセリングルーム
オンラインでも受けられます
教員歴31年の独自メソッドで、超短期で不登校、夫婦関係、親子関係、職場の人間関係などの悩みを解決
全く効果がなければ返金保証いたします
生駒市元町2-4-20
  1. コラム
  2. 沙羅 Sara の「ほっと一息」コラム
 

沙羅 Sara の「ほっと一息」コラム

沙羅 Sara の「ほっと一息」コラム
日々の暮らしの中で、ちょっと気づいたこと、ほっと一息つけるようなことがらをコラムとしてまとめました。
あなたの「お役立ち」になるかどうか、心許ないですが、興味を持った「カテゴリー」から読んでみてくださいね。

カテゴリーごとに選べます。
選択
アンジーとの暮らし
2017/01/31
ワンコに服を着せるべきか?  
朝夕、杏樹(アンジー)を連れて散歩をしていると、色とりどりの「お洋服」を着たワンコに出会います。私がアンジーに服を着せないのは、石垣りんの「着物」という詩に、昔、なるほど!と思った記憶があるからです。


       「着物」         石垣りん

犬に着物をきせるのは
よいことではありません。

犬に着物をきせるのは
わるいことでもありません。

犬に着物をきせるのは
さしあたってコッケイです。

人間が着物をきることは
コッケイではありません。

古い習慣
古い歴史

人間が犬に着物をきせたとき
はじめて着物が見えてくる
着せきれない部分が見えてくる。

からだに合わせてこしらえた
合わせきれない獣(けもの)のつじつま。

そのオカシサの首に鎖をつけて
気どりながら
引かれてゆくのは人間です。  (『空をかついで』童話屋1996年刊)


アンジーが赤ちゃんの頃、ちゃんと躾をしようとゲージに寝場所作って、別の部屋で寝かせていました。ところが、父が亡くなって、ストンと落ち込んだ私のところに来て、夜、ベッドに潜り込んできた時、心弱くなっていたせいで、「ダメだよ」と追い出すことができませんでした。

それ以来、私のベッドに潜り込むのが当たり前になってしまい、私も気づけばアンジーの背中をトントンしている始末。

そのせいなのかどうか、えらく寒がりで、雨も雪も嫌いで、寒い冬の朝などはブルブル震えて「…行かなきゃダメ?」と上目遣いで私の顔を見るのです。…家のトイレシートで出来ないくせに。

母は他のワンコが暖かそうにしているのを見て、「アンジーにも買ってやりよ」と言います。かつて石垣りんの詩に共鳴した私としては、そんな節操のないことは出来ません。…母には言っていませんが。それで「私が買ってやろうか?」とまで言います。「いや、いい」と言いながら、寒そうにしているアンジーを見て、自分はコートを着ていることにだんだん負い目を感じ始めています。…いかんいかん、犬には汗腺がないんだから、それに自前の毛皮を着てるんだから、と自分に言い聞かせてたりするのです。

いつまで持つか?  …アンジー、お前が老犬になったら、ママ考えるね。

子育て
2017/01/30
子育ての「失敗」?  
昨日は「一般社団法人 なら人材育成協会」主催の「不登校・ひきこもり親子セミナー」に参加しました。画像は、お話しくださった臨床心理士の中東照幸さんが提示された、パワーポイントの一枚です。「子どもと親の境界線」と題された、「すれ違いタイプ」と「混じり合いタイプ」。ありがちな親子関係です。そして、このいずれの状態も、親子関係がうまくいきません。

「すれ違いタイプ」では、子どもが親から見放されたように感じます。
「混じり合いタイプ」では、子どもは自分が何を望んでいるのかわからないままだし、親は子どものためと思いながら自分の考えを押しつけていたり、子どもに決めさせなければならないところにまで踏み込んでしまって、子どもの「自己決定」を奪います。子どもの自己決定を奪ってはならないのは、うまくいかなかったときに「母さんがそうしろと言ったから…」と逃げ場を作ってしまうからです。

逃げ場が必要なときは、もちろんあります。しかし、こういう「逃げ場」を作ってしまうと自分の人生に責任を持たず、悪いことは全部人のせいにするようになります。その状態は、本人にとって楽なようでいて、ある意味、不幸です。それは、自分の人生に対する責任は誰も取ってくれないことに、いずれ気づかざるを得ないからです。当たり前といえば当たり前のことですけど。そのことに気づくのに遅くなるだけ、不幸だと私は思うのです。

フリートークの時間、「なら人材育成協会」のスタッフとして関わっている大学生の人たちを前に、「私が今、関心あるのは、不登校やひきこもりを経験した子どもたちが、立ち直ったとして、その先どういう支援が必要なのか、ということ。やはり、そういう経験をせざるを得なかったのは、何かこう、人間関係の作り方がうまくなかったり、自分の感情をうまく処理できなかったり、ということがあるように思えて。今まさに自分自身の問題として、我が子の今後を考えるのに、何が必要か、何をしてはいけないのか、手探り状態だから。」という話をしました。皆、不登校やひきこもり経験のある人たちでしたので、うんうんと頷いてくれました。

さっきの図で言えば、二つの円は離れていても交わっていてもいけないのですね。ちょうど一点で接しているような状態が望ましいわけなんですが、なかなかその状態を作るのが難しい…。

子どもが不登校になったり引きこもったりすると、つい「私の子育ての失敗?」とお母さんたちは思ってしまいがちです。けれど、誰でしたっけ?(エジソンは「失敗は成功の母」という言葉で有名ですが)、「私には失敗というものがない。なぜなら、あきらめない限り、次へのステップだから。」という言葉。そうです。あきらめなければ、「失敗」ではないのです。まだ「途上」だということです。そして、母はあきらめるわけにはいかないのです。10ヶ月間自分のお腹で育て、そして、お乳をやり、おしめを替え、育ててきたんですから。言葉をかけ、微笑んであやし、抱っこしてきたんですから。頭では別人格と分かっていても、どこかまだ「へその緒」がつながっている。子どもが怪我すると自分の身体が、心が、痛む。どうしようもないです。どうしようもない。そう感じてしまうのですから。

だからこそ、「混じり合い」になって、子どもを呑み込んではいけないのです。

私もまだ子育ての途上です。あまり偉そうなことは言えません。でも、幼児、小中高校生のお母さんたちより少し先輩です。その分、分かることもあります。だから何でも相談してくださいな。一緒に子育て(そして、お母さん自身の「自分育て」)をしていきましょう。

絵本の世界
2017/01/29
『まさか さかさま』さかさ絵・文 伊藤文人  
なんだろう? これ…と手に取ったのが、きっかけでした。
一風変わった絵と、絵の左右に書かれた文。
しかも、左側の方は逆さまになっていて…。

さて、あなたには、わかりましたか?
そう、正面から見た絵の解説は右側に、逆さまにして見た絵の解説は左側に書かれていたのです!

正面から見た絵は悲しそうな顔に見えても、逆さまから見た絵はごきげん良さそうで…。

そう! ものごとは逆から見たら、全く違って見える!ということを、実際に描いて見せてくれた絵本です。繰るページ繰るページ、本当によく出来ているなぁと感心させられます。
新風舎から、2000年に出ています。
掲載の作品の一部は、「からくりミュージアム」(東京・渋谷)に収蔵されているようです。

そうそう、言い忘れていました。
タイトルは、前から読んでも後ろから読んでも「まさかさかさま」、回文になっています。

詩の世界
2017/01/28
うずくまるのに飽きたら〜阪田 寛夫の詩「練習問題」〜  

        練習問題        
             阪田 寛夫
 「ぼく」は主語です
 「つよい」は述語です
 ぼくは つよい
 ぼくは すばらしい
 そうじゃないからつらい

 「ぼく」は主語です
 「好き」は述語です
 「だれそれ」は補語です
 ぼくは だれそれが 好き
 ぼくは だれそれを 好き
 どの言い方でもかまいません
 でもそのひとの名は
 言えない                       
             (詩集『てんとうむし』童話屋・1988年刊)
続き
人とのつながり
2017/01/27
Yくん  
Yくんは、私が教諭採用なって初めて勤めた高校の卒業生です。なぜこんなややこしい言い方をするかというと、授業を受け持ったことがないからです。

卒業式が終わったあと、私と話がしたいと職員室に来て、初対面のYくんと1時間余り話をしました。何を話したか覚えていないので、他愛もないことだったんだと思います。
当時は、個人情報という意識もない時代だったので、卒業アルバムに卒業生の住所も職員の住所も、記載されていました。

Yくんと会ったのも話をしたのも、そのとき限りだったのですが、彼はそれから毎年年賀状をくれるようになり、結婚し、子どもが生まれ、その子たちが大きくなるのを年賀状の家族写真で知ることができました。

昨年2月、突然Yくんから連絡が来て、九州に出張するから、会って貰えるなら、広島で途中下車すると言うのです。
びっくりしたけど、まぁいいか、と思って29年振りに会いました。

翌日は、車で奈良まで引越し荷物の一部を運ぶ予定にしていたので、奈良まで一緒に乗っていく? と聞いたら、いいんですか? といいながら助手席に乗って、6時間ほど、よもやま話をしました。

私が運転して間も無く「先生、男前な運転されますね〜」なんて言うから、「え?それ褒め言葉なん?」「え?そうですけど…」「男ってそんなにいいものなん?」「えええ? あの〜、パッパと判断早いから…」「いや、そういうことを意味してるって分かってるけど、女が判断力ないことが前提でしょ?」「……」「いや、ごめんごめん。ちょっといじめたくなっただけよ。」とからかいながら、ずっと話をしていました。

Yくんは一人っ子で、両親の重い期待を背負いながら生きてきたこれまでを語りました。

なんだ、私と同じじゃない!と言いながら、なんでこの子(もう47歳のおじさんになっていましたが)が29年間、年賀状を出し続けてくれたのか、それは今、こんな話をするためだったのかと思うと、本当に不思議な気がしました。

京都文教大学で授業を受けて、知ったことのひとつに、ユングの「コンステレーション」の考え方があります。「布置」と訳され、「意味ある偶然の一致」を意味します。星がある形をとって星座を成すように、ピタッとはまることで、動きが生じたり、問題が解決したりすることです。…それは、偶然のようでいて、必然であるととらえるのです。

Yくんとは、そういう出会いだったんだ…。
これが今後、何に繋がっていくのかと思うと、長く生きるのも悪くないなぁと思ったことでした。

谷川俊太郎の詩
2017/01/26
言葉遊びを楽しむ〜谷川俊太郎の詩「いるか」〜  

        「いるか」      たにかわしゅんたろう

いるかいるか
いないかいるか
いないいないいるか
いつならいるか
よるならいるか
またきてみるか

いるかいるか
いないかいるか
いるいるいるか
いっぱいいるか
ねているいるか
ゆめみているか
        (『ことばあそびうた』)
続き
詩の世界
2017/01/25
まだ、翔べるだろうか〜佐伯祥の詩「雨のち…」〜  
  
       「雨、のち…… 」             佐伯 祥

 失くしたわけではないのだけれど
 いや、それより 最初っから
 あったかどうかも さだかでないのだけれど

 とにかく 気づいたときには
 なかったのだ 翼が

 急いで 急いで!
 でないと 君を放っていってしまうよ

 そんなふうに
 風は私を追い越していった
 戸惑う気持ちなど
 てんで お構いなしに

 あとには ひとにぎりの とおり雨

 その最後の一滴を受け取ろうと
 スキップ気分で駆けだしたら
 足許の水溜まりに
 逝(い)ってしまったものたちの 翳(かげ)が
 映ってた

 ふと 見上げると
 雨上がりの 流れゆく雲の隙間から
 抜けるように 青い
 空

 まだ、翔(と)べるだろうか
          (「詩芸術」1984年7月号)
続き
絵本の世界
2017/01/24
長田弘 詩・いせ ひでこ 絵『最初の質問』  

 

   「最初の質問」    長田 弘

 

 今日、あなたは空を見上げましたか。空は遠かったですか、近かったですか。雲はどんなかたちをしていましたか。風はどんな匂いがしましたか。あなたにとって、いい一日とはどんな一日ですか。「ありがとう」という言葉を、今日、あなたは口にしましたか。

 窓の向こう、道の向こうに、何が見えますか。雨の雫(しずく)をいっぱい溜(た)めたクモの巣を見たことがありますか。樫(かし)の木の下で、あるいは欅(けやき)の木の下で、立ちどまったことがありますか。街路樹(がいろじゅ)の木の名を知っていますか。樹木(じゅもく)を友人だと考えたことがありますか。

 このまえ、川を見つめたのはいつでしたか。砂のうえに坐(すわ)ったのは、草のうえに坐ったのはいつでしたか。「うつくしい」と、あなたがためらわずに言えるものは何ですか。好きな花を七つ、あげられますか。あなたにとって「わたしたち」というのは、誰ですか。

 夜明け前に啼(な)きかわす鳥の声を聴いたことがありますか。ゆっくりと暮れてゆく西の空に祈ったことがありますか。何歳のときのじぶんが好きですか。上手に歳をとることができるとおもいますか。世界という言葉で、まずおもいえがく風景はどんな風景ですか。

 いまあなたがいる場所で、耳を澄(す)ますと、何が聴こえますか。沈黙はどんな音がしますか。じっと目をつぶる。すると、何が見えてきますか。問いと答えと、いまあなたにとって必要なのはどっちですか。これだけはしないと、心に決めていることがありますか。

 いちばんしたいことは何ですか。人生の材料は何だとおもいますか。あなたにとって、あるいはあなたの知らない人びと、あなたを知らない人びとにとって、幸福って何だとおもいますか。時代は言葉をないがしろにしている--あなたは言葉を信じていますか。

   (詩集『小道の収集』・講談社・1995)

長田弘の詩にいせひでこが絵を描いて、絵本となりました。
「読書への誘い」の第13号で紹介した詩です。

日常に追われていると、つい空を見上げることさえ忘れていることがあります。
空がきれいだな、とか、風が心地よい、とか、木々の季節の変化にも気づかなかったり…。
この詩は、そんな、日常をおろそかにしている自分の状態に気づかせてくれます。

いせひでこの柔らかな絵がまた広がりを持って、ひとつひとつの質問を際立たせてくれます。
ゆっくりと自分に問いかけるのに、1ページ1ページ、めくっていく、というのはちょうどよい速度だと思います。

「あなたは言葉を信じていますか。」が最後に来るのは、長田弘が詩人だからだと思います。
絵を描く人だったら「絵を信じていますか」、音楽が表現手段である人だったら「音楽を信じていますか」になるのでしょう。
…あなたは、何を信じていますか?

詩の世界
2017/01/23
見つけたときは、ちょっとびっくり!でした。本当に階段状になっていて、昇って降りて、一番てっぺんで、ちょっと周囲の眺めを楽しんでいるような…。

出典も何もわからないのですが、こんな風に視覚的に楽しめる詩があってもいいな、と。

4行目と14行目の傍線は、PDF化するときに、どういうわけかずれてしまって下に来ていますが、本当は最後の文字の「よ」の横につけてあったものです。2カ所、対照的に下線部分があるのも、ちょっと珍しいですね。

とりあえず、「だん」で脚韻(言葉の最後の音を揃える)を踏んでいます。「読書への誘い」第15号で紹介したものです。

絵本の世界
2017/01/21
長谷川摂子作・ふりや なな  画の絵本『めっきらもっきら どおんどん』  
遊ぶ友達が誰もいなくて、しゃくだから大声でめちゃくちゃの歌を歌った、かんた。
「ちんぷく まんぷく あっぺらこの きんぴらこ じょんがら ぴこたこ めっきらもっきら どおんどん」

すると、どどーっと風が吹いて…穴の中に吸い込まれ、出会ったのはおかしな3人、「もんもんびゃっこ」と「しっかかもっかか」と「おたからまんちん」。
3人と楽しい時間を過ごしたのだけれど、さて、どうやってかんたは、お家に帰れたのかな?

なんだか訳のわからない、呪文のような言葉が楽しく、ついつい口にしたくなります。
…でもこれがなかなか一口には言えないものなんです。
子どもたちは夢中になって「れんしゅう」しますよ。

ふりやななさんって確か外国にお住まいだったような…。
ダイナミックな画面構成も魅力です。
「こどものとも 傑作集」としてハードカバーで出ています。福音館書店です。

絵本の世界
2017/01/20
ジョン・クラッセン  作『ちがうねん』  
アメリカの長編アニメ映画、ミュージックビデオ、社説記事のイラストレーターとして活動していたジョン・クラッセンが『THIS IS NOT MY HAT』という題名で2012年に発表した絵本を、日本の絵本作家・長谷川義史が大阪弁で翻訳したものです。クレヨンハウスから同じ2012年に発刊されました。

大きな魚から帽子を盗んだ小さな魚…。逃げていきます…、さて、逃げ切れるでしょうか⁉

絵本の帯には「ぴったりやわ」と言って逃げていく小さな魚に、「なにが ちがうねん。とったら あかんやろ。」という言葉が添えられています。

この絵本は最後の勤務校となった広島県立五日市高等学校の3年生の選択授業「国語表現」で、2014年に取り上げました。屋久島よりもさらに南の「徳之島」出身の新任教員の協力を得て、「徳之島弁」で読んでもらったものを授業で聞かせ、その上で「広島弁で訳す」という課題を出したのです。グループでの作業としました。それで、元の英語版も揃えました。

絵本を開くと、元々のこの本の面白さと同時に、2年半前の授業で生徒たちがキャアキャア喜んで取り組んだ姿が思い出されます。
この教材の前にはちょうど「アナと雪の女王」が公開されていたので、主題歌の翻訳にも取り組ませました。松たか子が歌っていた訳(「ありのままで」)があまり好きでなかったので、わたしならこう訳すけど、生徒はどう訳すだろう? というのをぶつけてみたかったのです。

こういう風に、自分の感性をぶつけてどんな反応が返るか、それが授業の醍醐味でした。「ふふふ…まだまだだね…。」と思うこともあれば、本気で「凄いね!」と称賛したことも数多くありました。私は「凄い!」と思ったらそう表現するので、(逆に? と思ったらそのまま首をかしげるので)、それは教員としては未熟だったかもしれません。でも、自分が楽しめないでいるものを授業として展開しても、生徒も楽しめないのではないか、という思いはありました。だから、「古典」よりは「現代文」とか「国語表現」といった科目を教えるのが好きでした。私自身も意外な発見ができたし、クラスによっても反応が違うので、同じ展開にはならなかったので。そのライブ感が好きでした。

学校という組織はあまり好きではなかったけれど、授業以外は担任業が好きでした。…特に3年生の担任業が好きでした。人生が比較的大きく変わる分岐点に関わらせてもらえることに責任と幸せを感じていました。だから、本当に早期退職するかどうか1年間悩みました。

『ちがうねん』を手に取り、そんなあれこれを思い出しました。


子どもとの時間
2017/01/19
子どもとの時間(2)保育園(真理先生)  
子どもが宿ったとき、私は教育委員会から長期研修が許可されて大学院に行っているときでした。(許可された、といっても院試はしっかりあって、もう一度英語や変体仮名を学ぶ羽目になりました。)現職教員の長期派遣は2年間なのですが(1年目は丸々学生なのですが、2年分の単位を全て取り、2年目は職場に戻って通常の業務をこなしながら修士論文を書く、という生活です)、2年目の5月に出産となったため、間に育休を挟むことになり、全国初の「3年派遣」となりました。

それはよかったのですが、その代わり、子どもが1歳になるまで取れるはずの育休は、4月復帰を命じられ、11ヶ月での保育園行きとなりました。

初めての登園日、泣くだろうな…と不安だったのですが、その日迎え入れの先生が真理先生でした。「ふえ〜」と泣き顔になったものの、真理先生に「Kちゃん、おはよ」とにこやかに迎えてもらった子どもは、キョトンとして泣き止みました。それで安心して職場に向かったのでした。

ところが、次の日の迎え入れは別の先生でした。子どもは大泣きし、私は後ろ髪を引かれる思いで保育園を後にしました。
次の日も次の日も大泣きでした。「お母さん、まあ、慣れるまではそんなものですよ。大丈夫。そのうち泣かなくなります。」と保育園の先生に背中を押され、職場に向かったものでした。

ところが、どうも真理先生が迎え入れの日は泣かないことに気がつきました。真理先生が担任の先生、ということもあったでしょうが、でも私は初日から泣かなかったことにも気づいていました。

一年近く経って、こどもが2歳近くになったとき、ちょっとママのヤキモチがむくむく湧き上がってきて、帰りの車の中で「ねえ、Kちゃん、ママと、真理先生と…どっちが好き?」などと口にしてしまいました。後部座席にチャイルドシートを設置していたので、子どもの様子は見えませんでした。


しばらく経って、子どもの答えは「…パパ!」でした。…負けました。

子どもとの時間
2017/01/18
子どもとの時間(1)小学校1年(反対語)  
確か、子どもが小学校1年生の終わり頃のこと。国語のドリルか何かやっていて、問いは「はんたいのことばをこたえましょう」で、①おもい ②はやいの「はんたいのことば」を答えさせるものでした。子どもの解答欄を見ると、①いもお ②いやは  と書いてあって、一瞬何のことかわからなかったのですが、はあはあ、逆さまから書いただけなんだと気づきました。

「いやいや、Kちゃん、そうじゃなくてね、…う〜んと、例えばね、ゾウさんは重い。ネズミさんは?」と尋ねると、「かるい!」と元気よく答えました。「そうそう!そしたらね、『ウサギとカメ』のウサギさんは?」「はやい!」「そうだね。じゃあ、カメさんは?「おそい!」と得意そうに答えました。そして、最初に書いていた答えを消しゴムでゴシゴシ消し始めたのでした。

なんだ…ちゃんと答えられるじゃない。そりゃあね、あれだけ絵本読んできたんだものね、と私はひとり、悦に入ってたのに、子どもの②の解答欄に「かめ」とあるのを見つけてしまったのでした。

またしても頭の中が???となった私は、国語の教員としてここでひるむわけにはいかず、「あのね、Kちゃん、『何が』を答えるんじゃなくて『どんなふう』を答えるんだよ」と発問し直して、やっと正解に辿り着いたのでした。

思えば、あの頃から発想が人と違ってたのね…この子…。

但し、後日、このエピソードは高校生に品詞を教えるときに、「…今の話の、『何が』と『どんなふう』の品詞はそれぞれ何?」というように使わせていただきました。…転んでもタダじゃ起きないママでした。

母との暮らし
2017/01/17
ルンバさん  
広島のマンションを引き払って奈良に帰るとき、母からは「とにかく、モノは持って帰らないで」「タンスは捨てて帰ってね」などときつく御達しがあって、本も段ボール箱に10箱は古本市場に引き取ってもらい(でも大半は捨てられず…)、一揃いのタンスと食器棚と、ローランドの電子ピアノは友人に貰ってもらい、絵画類も大方貰ってもらい、本箱は全て捨て、…衣服もかなり捨て、買ってまだ1年ぐらいしか経ってなかったベッドと、マルニの一枚板のダイニングテーブルは「勘弁して」と言って引っ越しの荷物としたのでした。…あと、半分に減らした食器と。それから、お気に入りのミュシャのリトグラフ2枚と。

渋い顔の母が、殊の外喜んだのはAIお掃除ロボットのルンバでした。

「ルンバさん、早起きやなあ。もう掃除してはるわ」
いやいや、そういう風にタイマーセットしたの私なんだけど、と思いつつ「ルンバさん」に引っかかり、「なんで、ルンバに『さん』をつけるの?」と聞くと、逆に戸惑ったように「なんでて…ちゃんとお掃除してくれはるやん」と敬語続き。「働きもんには、そういう風に丁寧に言わんと。」ということだそうです。

「あんたのま〜るく掃除するのとちごて、隅々まで掃除しはるの、私大好き。」とのこと。はあ、そうですか。「ちゃんと、玄関先では止まらはるし。」
いやいや、だから、ウォール設定したの私なんだって!

…という話をゲシュタルト仲間のともこさんにしたら、「ちょっとルンバの設定変えて、お休みの日も作ったら? それでお母さんが『なんで?』と聞かれたら、『ルンバも休みが欲しいんじゃないの?』と言ってみたら」…だそうです。うん、それもいいかな、と思ってしまった。

母の頭の中ではブラックボックスなんだろなあ…と思いながら、私もSNSとか全然ついていけてないことを思い出し、「ま、似たようなものか」と思ってしまった。ラインデビューも子どもに教えて貰って最近のことだし。スタンプあんまり上手に使えないし。子どものスタンプに「これ、どういう意味?」と尋ねて「フィーリングっすよ」というスタンプを返される始末。

将来、杏樹(アンジー)が私より先に死んだら(多分、そうなると思うけど)、私、介護型AIロボットと暮らしていると思う、と発言すると、皆さんの反応はまちまちでした。「AIはどこまでいってもAIよ…!」と言われたので、「でもまあ、学習してくれて、私の好みを理解してくれるなんて、癒されると思うけどなあ」と私。子どもに「関西で就職して!」と言うよりいいと思うんだけど。できるだけ縛りたくない、という気持ちが強いんだけど、そのためには元気で生きていかなきゃね。

ゲシュタルト療法
2017/01/16
川崎 洋の詩「言葉」  
昨日のゲシュタルト トレーニングコースで、ファシリテーターの白坂和美さんから「ゲシュタルト療法ってどんなもの? というのを誰にどんな風に説明しますか」という「お題」をもらい、メンバーそれぞれが考えてプレゼンテーションするというワークをしたのですが、その時にふと思い出したのが「私の『青』は/あなたの『青』なのだろうか?」というフレーズでした。
誰の何という詩だったか、全部を思い出すことができなかったので、別の説明の仕方を考えましたが、実は「読書への誘い」の第10号で紹介していた、川崎 洋の「言葉」という詩でした。

    言葉          川崎 洋
 
 演奏を聴いていなくても
 人は
 ♪を耳の奥に甦らせることができる
 言葉にしなくても
 一つの考えが
 人の心にあるように
 むしろ
 言葉に記すと
 世界はとたんに不確かになる
 
 私の「青」は
 あなたの「青」なのだろうか?
 あなたの「真実」は
 私の「真実」?
            (詩集『祝婚歌』・1971年刊)

続き
絵本の世界
2017/01/13
センダックの『そんなとき なんていう?』  
私が生まれて初めて自分で絵本を買ったのは、高校3年生の秋。
参考書か何かを探しに書店に行って、店頭で見かけたモーリス・センダックの『そんなとき なんていう?』の表紙の絵が、なんだかすっとぼけていて、思わず手にとって開いて見たのでした。

ちょっとふつうではありえない状況設定が示されて、で、「そんなときなんていう?」と問いかけられるのです。
でもその答えは「ありがとう」とか「ごめんなさい」とかごくごくありふれた言葉なので、そのギャップの面白さに魅かれて、つい買って帰ったのでした。

高校3年生で絵本を?!と家族は不審がったのですが(受験勉強がたいへんなの? といった反応)、でもそれが、私が絵本に目覚めた出会いでした。

あんまり書くとネタバレで、読む気をなくさせてはいけないので、この辺で。



アンジーとの暮らし
2017/01/11
アンジー💚Love  

11月11日は、確か「ポッキーの日」でしたね。今日1月11日は我が家のセラピー犬、杏樹(アンジー)の誕生日でした。めでたく(?)3歳になりました。ワンコやニャンコは1歳で大人になるんですよね。で、7歳からシニアだそうですから(シニア犬対象のフードには7歳〜となっていました)、ということは、3歳ってもう30代ぐらいなのかしら…?

 

最近「75歳からを高齢者にしてはどうか」という提案のニュースが流れていました。これは多分、日本の人口が2007年から減っていることと、65歳以上の高齢者が予想より2年も早くに(確か、2013年に)25%を超え、「超高齢社会」に突入していることへの危機感からでしょうけれど。(年金制度とリンクされたら困るということにも触れていました。)

 

人の寿命と共にワンコの寿命も延びているんでしょうか? お散歩の途中で出会うワンコ知り合い(って言葉あるのかしら?)からは、「もう12歳」とか「18歳になるんです」とか「前の子は21年生きました」とか聞くのですが、もちろん、そんな統計ないでしょうし、ね。

 

アンジーは元々、3年闘病生活を送った父が、これ以上の抗癌剤治療を拒否して緩和ケアを受けるというので、父のセラピードッグに、と思って迎えた子でした。結局、短期の介護休暇になってしまって、父のセラピードッグとはなりませんでした。

 

さまざまな行き違いから父の死に目に会えなかったことで、お葬式が過ぎた後、精神的にかなり参ってしまいました。そんな私をそばで心配そうに見ていてくれたのがアンジーでした。…結局、父ではなく、私のセラピードッグとなってくれたのでした。

 

「アンジーって名前はエンジェルが由来でしょ?」って、英語をよくご存知の方やクリスチャンの方に言われます。それもあるんですが、本当は、昔読んで好きだった三原順の「はみだしっ子」というマンガに出てくる4人の主人公たちの一人の名前なんです。

 

自分の居場所がなくて家出し、いつの間にか寄り添い、旅をするようになった個性の全く違う、グレアム、アンジー、サーニン、マックスという4人の男の子たちのお話なんですが、素直に淋しいって言えない、ちょっと斜に構えたアンジー君が私はどうも気になって。

 

でも、そんな「はみだしっ子」シリーズのことは全く忘れていたのに、さて、なんていう名前をつけようと思った時、ふと出てきたのが「アンジー」だったのです。…名前は親からの最初のギフト(贈り物)ですよね。

 

マンガ本出てるのかしら、って、その後気になって、ネットで調べたら白泉社文庫から6巻出てました。…未完のまま、作者は若くして亡くなっていました。…思わず「大人買い」してしまいました。

 

アンジー、お前は今体重4.5キロで、お医者さんから4.2キロぐらいでいいって言われているから、太っちゃうと犬も成人病になるっていうから、(あ、成犬病?)もうちょっと欲しそうにするけど、ドッグフードは計った以上はあげてない。(でもこっそりおばあちゃん(=わが母)から、なにやら貰ってるよね?) 今日は特別にオヤツあげたけど。

 

長生きしてね。ちゃんと「老後」の世話もするから。「はみだしっ子」のアンジー君のような寂しがり方はさせないつもりだけど、でも、こればっかりはわかんないね。本人がなんと思うか。


ちょっと季節外れだけど、12月中旬に行きつけの「ドッグサロン そら」さんが撮ってくれたものが一番最近のものなので、「クリスマスバージョン」になりました(笑)。

幸せをおすそ分け
2017/01/07
朝霜のきらめき  
気温がマイナス1℃という予報の朝、いつもよりは少し遅めの7時半過ぎに、杏樹(アンジー)のお散歩に行きました。

冬至は過ぎているから、少しずつ日は長くなっているはずなのですが、日の出の時刻はまだまだ遅くなっていて、近くの公園にいると、8時過ぎにようやく朝日が差してきました。

小さな公園の地面一面に霜が降りていて、朝日に輝くのをうっとりと見とれてしまいました。

朝日に照らされると、あっという間に消えていくのでしょうけれど、その一瞬のきらめきに出会えたことが殊の外嬉しくて、思わず写真に収めました。

冬の寒さに辛いことも多いけれど、ちょっと幸せを感じたひと時でした。


まど みちおの詩
2017/01/06
「いること」こそが何にもまして〜まどみちおの詩「ぼくがここに」〜  
好奇心の赴くままにあれこれいっぺんにいろんなことに手を出しすぎて、身体が悲鳴をあげたのか、12月に入ってから不調になってしまいました。
そんな時には心弱くなって、自分が「吹けば飛ぶような」存在に思えたりしたのですが、ふと、まど みちおの「ぼくがここに」という詩を思い出して、詩集を開いてみたのでした。   
続き

カウンセリングルーム 沙羅Sara

あなたはあなたのままで大丈夫。ひとりで悩みを抱え込まないで。

明けない夜はありません。

電話番号:090-7594-0428

所在地 : 生駒市元町2-4-20 

営業時間:10:00〜19:00

定休日 :不定休

ルーム案内・アクセスはこちら