7月桃月句会。
近鉄奈良駅を降りて、小西通りの方に出る。
啓林堂書店に寄って櫻井詢晃さんの蓮栞展を見に行ってから、と思って。
ああ、あった。
なんか。壮観。
詢晃さんの蓮。伸びやかに上に向かって。素敵、と思う。
お気に入りを探す。…買ってしまいました。
そういえば。今日は七夕の前日で。
今年は梅雨明けが早かったから、雨にならずに明日、会えるね、と思う。…織姫と彦星。
街は七夕の笹飾りで、溢れていて。
6時半なのに。まだまだ明るい。
今日は七夕の前日ということで、倉橋みどり先生、今日のテーマは「星の俳句」、だなんて。お茶目。
季節ごとに、星にまつわる季語の説明と、いくつかの、星が出てくる俳句の鑑賞と。
最初に、今年の暦の説明があって。
七夕は、秋の季語だそうな。旧暦(=陰暦)では、太陽暦のほぼ1ヶ月後、になるから。
ところが。今年は8月4日が旧暦の七夕、だそうで。
一方、今年の立秋は8月7日。…ということで、今年の七夕は夏のうちに来る。
けれど、歳時記はそうそう変えられない、ということで、やはり七夕は秋の季語。
ふうん。なかなか。面白いことがおきるんだ。
春の季語…春の星、春星(しゅんせい)、星朧(ほしおぼろ)
夏の季語…夏星、夏の星、星涼し
秋の季語…星月夜(ほしづくよ)、流星、秋の星
☆七夕…星屑、七夕
☆流星…流星、流れ星、夜這星(よばいぼし)、星流る、星糞(ほしくそ)
冬の季語…寒星、枯木星(かれきぼし)、荒星(あらぼし)
みどり先生。「アラビヤ」という語に深く反応されて。
その解説に力(りき)が入り。「シルクロード」と聞くより、萌えるそうです。
アラビヤの空を我ゆく夏のほし 星野立子(たつこ)
「ゆく」のは、我と、夏のほし、と、という解説も面白く。
ふふふ。『アラビアン・ナイト』のお話も。面白かったです。
紹介された句の中で、私の目を引いたのは、
「流星も入れてドロップ缶に蓋 今井聖(せい)」
なんか、ね。流れ星を見るのに、ぽっかり口を開けてたり、して。
ドロップ缶を持って外に出たんだ、というのもなんか可笑しい。
本気で星を見ようと思ったわけでなく、ドロップ舐め舐め、ついでに、って感じで。
だのに。たくさんの流れ星があって。あんまり流星が綺麗だから。
ドロップ缶の蓋を開けたままなのも忘れて、ぽかんと、見入ってしまった。
で、手にしているドロップ缶が、揺れてガサリと音がして。
…だって、空を見上げ続けていると、よろめくこともある、よね。
あ、と思って蓋を閉めなちゃ、と思って。
ああそうね、一緒に流星も缶に入れて置けたらいいのに、と。
…私の妄想はこんなふうに展開した、のでした。
あとは、やっぱり橋本多佳子。
「七夕や髪ぬれしまま人に逢ふ」
これは確か、現代文の教科書教材でした。
2、3年用の現代文教科書。
なんか、恋人に会うのに、いそいそと湯浴みをして。(シャワーではないでしょ、この時代。)
髪も洗って。だけど気が急くのか、十分に乾かしきれなくて。
もういいや、って出かけていく。
なんたって「逢う」だからね。「会う」のではなく。「逢瀬」よね。
私は授業で教えた時、この漢字にこだわった、ような気がする。
ふふふ。本当にあっという間の90分。
楽しい楽しい句会でした。
画像は松前旅館さんで生けられていたカサブランカ。
他の百合と違って、香りが穏やかで好き。