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住民が尊重される社会〜「折々のことば」鷲田清一 #3330〜

2025/02/01
住民が尊重される社会〜「折々のことば」鷲田清一 #3330〜
折々のことば。2025年1月30日の安克昌の言葉。

心のケアを最大限に拡張すれば、それは住民が尊重される社会を作ることになるのではないか。   安克昌


鷲田清一の解説。

これは「社会の『品格』にかかわる問題」だと精神科医は言う。
心の傷つきは震災時、家屋の倒壊や死の目撃、避難所でのストレスなど地域社会の瓦解(がかい)でさらに深まる。
その人たちが避難所で適応できずにいる痛ましい姿を見るうち、心の病を医学で治療しつくすというのは傲慢(ごうまん)な考えだと思い知ったと。
『心の傷を癒すということ』から。


1月30日の朝日新聞。いつも真っ先に見る「折々のことば」より、トップ紙面の「子ども自殺 最多527人」という見出しが飛び込んできた。
2024年の自殺者全体は2万268人で、2年連続減少しているのだという。
なのに、子どもの自殺は小中高生が527人と、統計のある1980年以降で過去最多となった、という。(暫定値)

記事はこう続く。

子どもの自殺の内訳は、小学生15人(前年の確定値より2人増)、中学生163人(同10人増)、高校生349人(同2人増)。
性別で見ると、男性は前年の確定値から20人減の239人、女性は34人増の288人。
全体の内訳は、男性が1万3763人で3年ぶりの減少、女性は6505人2年連続の減少となる見込み。
職業別でみると、「有職者」や「無職者」などいずれも前年の確定値から減少したのに対し、「学生・生徒等」のみが増加した。

政府は23年に「こどもの自殺対象緊急強化プラン」をまとめた。
1人1台端末を活用した自殺リスクの早期把握や早期支援、警察や学校、自治体などがもつ統計や資料を集約した要因分析などを進めている。
31日に関係省庁連絡会議を開き、対応を協議する。

全体を詳しくみると、人口10万人あたりの自殺者数を示す自殺死亡率は16.3(前年度確定値17.3)だった。
都道府県別では、岩手が22.9で最も高かった。

自殺者の総数は98〜11年は3万人台で推移。
03年の3万4427人をピークに減少傾向にあり、19年にはおよそ6割の2万169人まで減少したが、コロナ禍に入った20年に増加していた。(川野由紀)

インターネット上での自殺関連の検索に連動して相談先などを表示し、支援につなげてきたNPO法人OVAの伊藤次郎代表理事は、「『死にたい』と子どもの顔には書いていない。亡くなった子どもだけでなく、自雑未遂をしたり、死にたい気持ちを抱えてたりしている子どもは、はるかにたくさんいる」と話す。
相談支援につながる子どもたちには、学校や家庭で適応しているように見える子どももいるという。

一方、子どものSOSに気づく立場の大人も相談や助けを求めることができず「苦しい思いをし、孤立している可能性がある」と指摘。
「生きづらさを抱えた子どもの背後には生きづらさを抱えた親がいることもある。家庭全体を支えていく視点が大切だ」と言う。
「大人も子どもも、誰でも深刻に悩むことはある。それは恥ずかしいことではない」と話す。

そうね。自殺者全体では、女性より男性が圧倒的に多いというのに。
子どもに関しては、どうして女性の方が多いんだろう?
男性の方が自殺者が多い理由は、「現在進行形」の悩みに対して、女性の方が「しんどい」とか「辛い」と、ごく僅かな人にでも、口にすることができるからだ。
男性は、その最中(さなか)にあって、なかなか口にできない。終わった後に過去の話として話すことはあっても。
私の実感として、そう思ってきた。
なのに、子どもたちは。女性が多いって。これは何が起きているんだろう?
子どもは女性の方が、家事や下の兄弟たちの世話や、介護や、を担わせられることが多いかもしれない。
いわゆる、ヤングケアラーね。…どうなんだろう?

「生き辛さ」には。私も覚えがある。
小学生のときも。中学生のときも。高校生のときも。大学生のときも。
息をしていること自体が辛かった、記憶がある。
でも。誰にも言えなかった。少しでも打ち明けた人からは「そんなことを言ってはダメ」と言われたりして。
ああ、この社会では。私の辛い気持ちは、出してはいけないんだと、抱え込んで生きてきた。

村上春樹の『ダンス・ダンス・ダンス』は1988年発表の作品で。
私は27歳になっていて、初めての高校3年生の担任、だった。
小説の終わりの方に、確か。「踊るんだよ! ステップを踏み続けるんだ。でないと、取り残されてしまう…」という記述に。(正確には覚えてない、けど)
私は衝撃を受けた。
そうか。とりあえず、何事もなかった、かのように。ステップを踏み続けないといけないんだ。
「ステップを踏み続ける」とは、日常を、とりあえず回し続けること。
いろんな「生き辛さ」を抱えてた、としても、とりあえずの日常を回すこと。

私は。なんか、生き方を示唆された、気がした。(それからしばらく村上春樹の小説を読み漁った。)
…そしてこれが、私の「生き辛さ」の「やり過ごし方」のひとつ、になった。

隣で、生き辛さを抱えて、今にも倒れそう、になっている人がいるというのに。
それに気づかない、のは、その人も自分のことでいっぱいいっぱいなのだろう、と思う。
私には。表面上は「適応」している子どもでも。その子の「闇」を感じることがある。
それは…私がそういう子ども、だったから。

ああ、そうか。「心のケアを最大限に拡張する」=「住民が尊重される」は、「社会の『品格』に関わる問題」なのか。
「社会の『品格』」か。。
そうね。どのような目配りをしていく社会なのか。それは、その構成メンバーが「何を大事に生きていく」のかが問われる、ということなのだろう。
いつまでも「競争原理」に振り回されていないで、「共生」の方向を探る社会へと舵を切ることに、私も踏み出したいと思う。
(今日は、ちょっと長くなって。2,400字)

画像は、出会って間もない頃(生後2ヶ月)のパピーのアンジー。
手のひらに乗るような、小さな800グラムぐらいの子犬でした。
ドッグフードがまだ食べられなくて、お湯でふやかして与えました。
私の胸で。安心して眠っています。
人の子も。安心して眠れるように、と願います。

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