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鳴り止まないベルを止めるために〜吉原幸子の詩「発車」〜

2017/04/09
鳴り止まないベルを止めるために〜吉原幸子の詩「発車」〜
2、3日前から、お天気があまりよくなくて、春雨が降ったり止んだりしています。
昨日などは、気温が上がって暑いぐらいでした。夜のニュースで日本各地で20℃を超え、所によれば25℃を超えているのを知りました。
春に落ち着かない気分になるのは、何かを始めなきゃ…と思うのと、何か重しが付いたようになかなか取りかかれないのと…、そんな二つの気持ちが自分の中で引っ張り合いっこするからでしょうか? 
そんな気分にピッタリの詩を思い出しました。「読書への誘い」第19号で紹介したものです。

    「発 車」     吉原 幸子

 

こわれた目覚まし時計のように

もう ながいこと

わたしのなかで

発車のベルが なりやまない

柱の傍らに化石して ボタンを押す

不きげんな車掌は わたし

うすぐらい座席の隅に目をつぶって待つ

不きげんな乗客も わたしだ

発(た)とう青い海辺へ

囚(とら)われないひとりの空へ

屋根々々の 夕ぐれの

このまといつく風景を 捨てて

発とう

ただ あのベルがなりやんだら———

 (『吉原幸子全詩集Ⅱ』1981年刊)

 

 

高校の教科書にも採られていたものです。

「わたし」の中で鳴り止まない発車のベルって、いったい何だろう? と思わされます。

通学や通勤で馴染みのある、発車ベル。ひとしきり鳴ったら、もう発車、ということで鳴り止むものですが、そうして電車は扉を閉め、動き出すのですが、「わたし」の場合、そのベルが「なりやまない」。

 

ということで、これは通常の「発車ベル」ではないのだと気づかされます。

なぜなら、「柱の傍らに化石して ボタンを押す/ 不きげんな車掌は わたし」であり、「うすぐらい座席の隅に目をつぶって待つ/不きげんな乗客も わたしだ」ということですから。

 

ということは、「わたし」がその気にならないと、ベルは鳴り止まない、わけですね。

…その気ってどんな気? …「出発する気」です。

「 発とう/ただ あのベルがなりやんだら———」と言っていますが、そのベルを止めるのは「わたし」なのですね。

つまりは、「わたし」の決心がつかない限り、ベルは鳴り止まないわけです。

 

「卵が先か、ニワトリが先か」って話がありますが、そんなことをいくら考えても物事は先に進まない。膠着(こうちゃく)した事態をどうにかしたいと思わない限り。

 

でもまあ、焦らなくてもいいですね。

その膠着状態が、もう嫌だ! となるのを待っていたらいいのですね。

…と今の私ならそう思います。

自分に必要なことは自分から動き出すものだということを、今の私は知っています。

若い時には、焦って、どうにかしなきゃ…で動いていましたけど、どのみち時機が来ないことには解決の目処(めど)が立たない。

 

カウンセリングに来られるクライエントさんに対しても、そんな風なことを感じます。

ああ、あなたが動き出す時期が来たのですね、と感じることが多いです。

もうこれ以上はこのままの状態でいられない、なんとかしたい! そんな悲痛な願いを感じます。

 

何とかしましょうね。自分の中の「鳴り止まないベル」を止めましょうね。

落ち着かない気持ちをゆったりとおおらかなものに変えていきましょう。

大丈夫。本来のあなたは、ゆったりとおおらかなものであるのだから。

 

画像は、昨日撮った庭の桜。

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