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人生における課題を考える〜木村恭子の詩「十二月の家」〜

2017/10/18
人生における課題を考える〜木村恭子の詩「十二月の家」〜

急に朝夕が寒くなりましたね。

10月なのに11月の気温だそうです。

…だんだんと、四季折々、ではなく、「夏」と「冬」しかないような気がしています。

「いい季節」がとても短いような。

 

今朝は、なんとも不思議なイマジネーションが発揮される詩を。

「読書への誘い」の第59号で紹介したものです。

  「十二月の家」  木村 恭子

 

 奥歯を抜いたら、

 口の中に

 広い空き地ができた

 ここはひとつ

 貸家の一軒でも建ててやろう

 電話をかけて

 貸家コンサルタントを呼びつけたら

 眼鏡をかけた丸顔の女史がやって来て

   あ きょおちゃん

 と わたしの名前を叫んだ

 そこで わたしも叫んだのである

   あ みっちゃんだ

 

 わたしとみっちゃんは 仲良しで

 両親の話しぶりで

 住んでいる借家からの

 追い立てを察したわたしが

 小学校の帰り道

 みっちゃんに打ち明けたのだった

   うちかたへおいで

   空いてる部屋が一杯あるけえ

   家賃いらんよ

   お父ちゃんにゆうたげる

   きょおちゃん 遠くに行ったら

   いけん

 

 そんなにうまくいくはずもなく

 わたしはやがて転校した

 

 奥歯が抜けたら

 広い空き地ができて

 木枯らしも吹いて

 貸家の一軒でも建てたい

 と思うのである

     (中国新聞2001年12月5日文化欄)



「奥歯を抜いたら、/口の中に/広い空き地ができた」…まあ、これはわかります。

舌先で探ってみると、がっぽりとした隙間を感じるものですね。

でも! いったいどうしたことでしょう… 

その空間に「ここはひとつ/貸家の一軒でも建ててやろう」などという発想は。

 

いきなり異次元の世界に連れ込まれる感じ。

なのに、「電話をかけて/貸家コンサルタントを呼びつけたら」って、どんどん話が先に進んでしまう。

そして、いきなり幼なじみの「みっちゃん」が出てくる。

 

みっちゃん、どうしているかな…。会いたいな。

どうにかして、会えないかしら…。

そんな「願い」が生み出した「妄想」かもしれない。

 

それにしても、奥歯が抜けた後に「広い空き地ができて/木枯らしも吹いて/貸家の一軒でも建てたい」だなんて。

…確かに、歯が抜けた後は、なんだかすーすーして、落ち着かないものですけれど。この場合、特に奥歯だし。

その、歯が抜けた後の「落ち着かなさ」と、幼なじみと別れたままになっている「落ち着かなさ」が結びついたのですね。

 

とりとめもない詩ですけれど、なにか魅かれるのはなぜなんだろう…。

人は誰しも、何か「し残した」ものを抱えて生きているような気がするからかもしれません。

 

少し長く生きていると、自分に繰り返し繰り返し起こる出来事が、何か自分の、今の人生の「課題」につながっている気がして。

…これは、何なんだろう? 私に何を解決しなさいと求められているんだろう?

そんなふうに思うようになりました。

 

カウンセリングルームに来られる方も、お話を伺っていると、今の「困りごと」が今だけの問題ではなく、何か根本的な解決を求められている気がして来られるような気がしています。

それが何なのか、私も一緒に感じ取ることでサポートしていきたいと思っています。

 

画像は、この前の週末にPAM(Pearental Anger Manegement)グループ実践者講習会が行われた、フェリアンというカウンセリングセンターの洗面台。

いろいろな小物が飾ってあって、私好みでした。

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