「読書への誘い」の紹介も第60号に達しました。
第207号まで作ったのですが、1/3ほどになったのですね。
さて、今朝は、その第60号で紹介した詩を。
真っ直ぐすぎてまぶしいぐらいなんですが、ちょっと元気が出ます。
…確か、高校3年生の担任をして、3月に送り出す時に作った「読書への誘い」だったと思います。
卒業すると、クラス全員が揃うことなどないので、はなむけにえらんだ詩だったと記憶しています。
「前へ」 大木 実
少年の日読んだ「家なき子」の物語の結びは、
こういう言葉で終わっている。
———前へ。
僕はこの言葉が好きだ。
物語は終わっても、僕らの人生は終わらない。
僕らの人生の不幸は終わりがない。
希望を失わず、つねに前へ進んでいく、物語の中の少年ルミよ。
僕はあの健気(けなげ)なルミが好きだ。
辛いこと、厭(いや)なこと、哀(かな)しいことに、出会うたび、
僕は弱い自分を励ます。
———前へ。
(『冬の支度』 潮流社 1971年刊)
「僕はこの言葉が好きだ。」「僕はあの健気(けなげ)なルミが好きだ。」と、とってもストレートに気持ちが表現されています。
…そう、気恥ずかしくなるぐらいに、「直球」、ですよね。
でも、そのストレートさが逆に胸を打ちます。
自分を励まさないとやっていけないときには、回りくどしいよりも、直球がストンと腹に落ちるかもしれません。
…そう、人間は、アタマで考えることと、腹に落ちることとは違うのです。
「ーーー前へ」。
何がどうなのか、わからなくて、もがくことあります。
どちらが前なのかもわからないこともあります。
でも、自分が「前」だと、こちらが自分の進む方向だと、信じる方に進むしかない。
誰も自分の進む方向を示してくれるわけではなく、…示されたとしても、その方向は、自分の望むことかどうか、わからないのだから。
そう、限りなく自由は、限りなく不自由。
学校で学んでいる間は、カリキュラムが用意されていて、不自由だけど、ある意味ラクだった。
けれど、社会人となって自分で自分の学びを作っていかなければならなくなったとき、自分のありようが問われる。
このところ、いろんな分野で「新採1年目です」「新採2年目です」という方がカウンセリングルームに来られます。
どの分野でも3年は大変だと思います。
でも、自分の考え癖や心の傾向を知っているのと知らないのとでは、大きな違いがあります。
自分に対する理解が進むと、ものごとの対処法が変わってきます。
それによって、随分、気持ちも楽になると思います。
この仕事は自分に向かない、と決断する前に、カウンセリングルームに来られませんか?
画像は、昨日、2年ぶりに橿原まで会いに行った90歳の伯母の折り紙作品。
カウンセリングルーム 沙羅Sara
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