この前の「おとなの絵本プロジェクトin奈良Vol.1」に持っていった絵本はもう1冊あって、それがこの『あめのひ』。
1972年に福音館書店から発行されていますが、私が買い求めたのは1999年の第7刷。
奥付の横に「限定出版 復刊絵本・童話」というシールが貼ってありました。
4歳の子どもに買ったのだと思います。
ユリー・シュルヴィッツは1935年ポーランド・ワルシャワで生まれ、4歳で第2次世界大戦にあい、1947年パリに着く、とあります。
ここでこの地方の中学校の美術展に入賞し、1979年にイスラエルに移り、15歳から17歳まで、夜間高校に通いながら働いたようです。
1959年にアメリカに渡って、2年間ブルックリンの絵画学校で学びます。
『あめのひ』は1969年に出版。その年の「アメリカ図書館協会」の選定図書に選ばれています。
…というような概略はさておき。
なんか、表紙の絵からして、独特な雰囲気。
お話は、「雨の音」から始まる。
“あめが ふりだした
ほら きこえる”
窓際には、外を見ているにゃんこ。
それから…、窓から見える、外の風景。
いろんなものにいろんなものに雨は降っていて…
流れになった雨は、
“やまをくだって かわから かわへ
よりあつまって しまいに うみへ”
流れ込む。
壮大な「雨の物語」が展開された後は、
再び街に戻り。
そして、最後は…
始まりと同じ、「窓際」。
…そうか、「円環」構造を成している絵本だったんだ!
と、思い出しました。
壮大な「雨」のストーリーも「足元」から始まって、そして「足元」に戻って終わる、っていうの、私、結構好きです。
なんだろう…始まりは、ほんの小さなところから、だけど、イマジネーションの広がりは、世界へと広がる、みたいな。
多分…何気ない「日常」を大事にしている感じが、好きなのだと思います。
「水溜まりに映る建物」の絵を見ながら、子どもの頃、水溜まりに映っているものをじっと眺めていた私を思い出しました。