奈良公園の一角に「飛火野」と呼ばれるところがあります。どこからどこまでをそう呼ぶのか定かではないのですが、私が知らないだけで、定まっているのかもしれません。(どなたか、ご存知だったらお教えください)
東大寺から春日大社の鳥居、高畑へと抜けるバス通りに沿っていて、なだらかな傾斜があるところなんですが、大学生の私の「お昼寝」の場所だったりしました。
お昼を食べて、あるいはお昼をそこで食べて、午後すぐの授業がない場合、そのままぼんやりとそこで過ごしたりしていました。もちろん、夏の暑いさなかは日陰を探すのが大変で、それに鹿フンが臭うので、ダメでしたけど。
昨日は朝8時にミリアムと別れて、そのまま家には帰らずに、鹿にあって来ようと、トコトコ飛火野までやってきました。朝の光は柔らかく、空は青く、鹿は一頭もいなかったのですが、丘のようになっているところを越えていったら、大きな木の下にたくさんいました!
「おはよ」と挨拶して手招きしたら、若い子は近づいてきたりしました。手をさしのべると、頭を撫でさせてくれる子もいました。(でも、エサを持ってないと知ると、すぐ離れて行きました)


昨年春に早期退職を決めるまで1年間悩んだのですが、最終的に老後をどこで過ごすかを考えた時に、やっぱり私は広島にいる自分をイメージできなかった、ことがあります。
広島では最後の10年ぐらいは海近くで暮らしたので、ほとんど毎日見る海はホント飽きなかった。
奈良には海はなかったので、海は憧れでもありました。
けれど私は、あのだだっ広い、何の変哲もない飛火野が恋しかったりしたのです。…ふるさとって、そういうものかもしれませんね。…今住んでいる生駒は、やっぱり「ふるさと」ではない。私の「ふるさと」は、基本「平地」なのです。
30分足らず、でしたけど、いい朝の時間でした。