一昨日は、台風が近づく中、20年以上ぶりに母校を訪れました。
卒業してから訪れたのは、その、20年ぐらい前の一度きりで、その時は実家が引っ越すというので、置いてあった本を何とかして欲しい、と母に言われ、「復刻版 漱石全集」と「堀辰雄全集」を図書室に寄付しに来ました。
なぜ、母校に寄付したかというと、その全集は、高校に通っていた頃に買ったものだからです。
高2の終わりから高3にかけて。
堀辰雄全集は毎月届いて全6巻(…だったと思う)で、「漱石全集」は新書のように小さいサイズで毎月2冊ずつ。
堀辰雄全集を買い始めてしばらく経って「漱石全集」を買い始め、月5000円の小遣いが足らなくなりました。
思い余った私は、つい「バス定期代」に手を出し、半年、バスに乗らずに歩こう!と決心したのを覚えています。
大安寺から法蓮町まで、ちょっと時間かかるけど、歩けない距離ではない。
で、徒歩通学を始めて2、3ヶ月経った頃、私を見かけた近所の人が母に「偉いねえ、歩いて学校に行くなんて…」と言ったらしく、母から「定期代はどうしたの⁈」と咎められました。
本を買った、というと呆れられて、黙って新たに定期代をくれました。
まあ、私としたら、「堀辰雄全集」と「漱石全集」がかぶるのは、2ヶ月ほどなので、それを凌げばなんとかなる!と思ったのです。
「堀辰雄全集」は、高1の時に一緒にいた人が好きだった作家で、…高2になって別れてしまったので、という私の「未練」でした。
「漱石全集」はこれは本当に私が欲しいと思ったものでした。
というような経緯がある「全集」だったので、未練から買った「堀辰雄全集」はもう要らないし、「漱石全集」は高校生で読みたい人もいるかもしれない、と思って母校に持って行ったのでした。
古本屋に売る選択肢はなかったです。
…多分、思い出の本たちは、その時過ごした場所に収めたかったんだと思います。
小一時間、3年先輩であられる校長先生とお話しし、帰りに図書館(別の建物になっていました)に寄ったのですが、あいにく開架にはなくて、書庫かもしれないと言われました。
…ちょっと残念でした。
まあ、仕方のないことですが。
そのあと、中庭に行って、ソクラテスとプラトンが対話している立像を見ました。
横に付けられている碑の「解説」を読んで、「アテネの学堂」という名前だったんだ! と発見しました。


まあ、思い出に浸るのはあまり好きではないので、また当分、母校には行かないと思います。
図書館には七夕飾りもあって、ちょっとほのぼのしました。文芸部の冊子があったので、最新号を頂いて帰りました。
