その昔、まだ20代の若かりし頃、職場の自分の机を前にして座りながら、無意識に「ふう〜…」ってため息ついてしまって、それを目ざとく見つけたおじさん先生に、「ダメダメ!ため息なんかついてちゃあ。幸せが逃げていくよ。」なあんて、わけ知り顔で言われて。
まだ純真だった私は、「はあ〜い。」なんて返事しながら、「そうか…ため息ってダメなんだ…」と思ったわけですけれど、でも、ため息って私たちの身体が要求する「自然なこと」なんですよね。
びっくりしたり、怖かったりした時に、私たちは無意識に「息を詰めて」いたりします。
なんだなんだ…⁈ いったいどうしたんだ⁈ と私たちの身体は、未知なものに対して防御態勢に入るわけですね。
いつでも次の行動に移れるように。
で、息をしていないわけです。息をするのも忘れているわけです。
とうぜん、二酸化炭素がいっぱいの「吐く息」が身体の中に溜まります。
生き物としての身体の状態はよくないわけですね。
息を吐かないと、新しい、酸素がいっぱいの空気は身体に入ってきません。
生き物としての「私」の生存の危機です。
「吐く」から、新しい空気が「吸える」。
まあ、あたりまえのことなんだけど。
何かにとらわれていて、こころがいっぱいいっぱいな時には、その「あたりまえ」なことも思い出せない…。
「『息』という字は、自分の『自』の『心』と書きます。
人の心と身体が健康でなくなる時、周りばかり気にしていて、自分をかえりみていない状態が続いた時かと思います。
自分の息に耳を澄まし聴いていくと、不思議と安心感で満たされます。
他者に向いた自分のでなく『今ここにいる』『自分に還ってくる安心感』、
息を聴いていく行為により、安心した心地よい本来の自分位置に還ってきます。
これが『自分軸』なのです。」
ボイスアートマスター、まやはるこさんのレッスンを受けながら、先生の、まあるい柔らかな声に誘導されながら、
ボイスアートの「ため息呼吸法」で、いっぱいため息をつきながら、気持ちいい時間を過ごしました。
ため息は、ついていいんです。幸せが逃げていったりしません。
でも、わけ知り顔のオジさんやオバさんがいるところで、そんなことを言っても撃退できそうにない時には、ひとりの場所と時間を、自分のために用意してあげましょう。
トイレでもいいし、お風呂場でもいい。
「今日も一日、よく頑張ったね。」と自分を褒めてあげながら、いっぱいいっぱい、溜まった息を吐き出しましょう。
カウンセリングルーム 沙羅Sara
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