定行さんの前に座った私は、眼光が鋭い定行さんに、ちょっと怖さを感じました。
緊張しながらも、私が今回ワークで取り上げようと思ったのは、このところ、短い周期で訪れる「不調」でした。
私が「不調」に陥ったときの状態を描写しながら、…そうそう、そんな風な不調は、父が亡くなった後に陥ったのが最初だったんだ、と思い出していました。
定行さんは、私のこれまでの来し方を短い言葉で表現するように促しました。
①よい子の私 ②ピアノから言葉へ ③自立へのこだわり ④ガンバリズム
こんなふうにスラスラと言葉が出てきました。
…そう、一旦、こうすると決めたら、自分の身体の声にも耳を傾けずに、頑張ってしまう私がいる…。
描写しながら、そのことに気づいていました。
「じゃあ、これまでの人生を短い言葉で表現すると?」
定行さんに促されて、出てきたのは「がまんとがんばりの人生」。
ホワイトボードにそう書かれて、見ているうちにちょっと笑えてきて、私の口から出てきた言葉は、「…暑苦しいわ」。
「そりゃあ、めいっぱい頑張って、そうしたら、パタンと倒れるしかないやん。」
定行さんにそう言われ、それでも頑張ってしまうのは、大学に入った直後に、ふとした折に母から言われた言葉にショックを受けたからだと思い出しました。
「じゃあ、立って、『そんなこと言うな!』と言いながら、この座布団を押してみて」
やってみて、私は目線が下になり、力が外に出るのではなく、自分の内に入ってしまうことを指摘されました。
定行さんは私の力の入れようを自分でやって見せてくれて、腕に力が入ってしまうのは、内に向かっているからだと分かりました。
力を外に出すのには、どんなふうにすればいいのか、やってみながら、次第に外に力を出すときの感覚が分かってきました。
次に定行さんに指摘されたのは、私はずっと、押し続けていられない、ということ。
外に力をずっと出し続けるのではなく、ふと、力を抜いてしまう。
…これを打っていて、百武さんのワークのときにも「ずっと、同じ動作を続けられないね」と言われたことを思い出しました。
そう、途中で止めてしまう。
私は、諦めてしまうんだ、と気づきました。
…何を諦めてしまうんだろう…?
「きっと、わかってもらえない」そう思ってしまって、相手に向かわなくなる。
多分…その分、自分に期待する。
頑張ることを。頑張って、何かを成し遂げて、望むものが手に入ることを。
頑張らないと、私は私でいられない、というような恐怖。
両親の強いる人生に呑み込まれてしまう、といった怖さ。
ああ、そうだったんだね。
私は、頑張らないと、私でいられなかったんだ。
どんどん、外枠を固められていくような恐怖に、そんなふうにして私は立ち向かってきたんだ。
…それにしても、「諦めてしまう」メカニズムは、もうすこしほぐさないと。
まだ、見えない。
それでも、定行さんのワークは、私がこれまでどんなふうに処してきたのか、そして、力を外に出すとはどんなふうにするのか、分からせてくれました。
それも、身体に落とし込むことで。
私の身体に記憶されたことは、ワークの場を離れても、思い出すことができる「再現性」のあるものとなりました。
定行俊彰さん、ありがとうございました。
画像は、朝の杏樹(アンジー)との散歩で見つけた、ご近所の赤紫色の秋明菊。
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