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一緒に待つということ〜アーノルド・ローベル「手紙」〜

2018/02/19
一緒に待つということ〜アーノルド・ローベル「手紙」〜
この前は、『ふたりはともだち』から「なくしたボタン」を紹介したのですが、
やっぱり、一番知られている「手紙」がちょっと気になったので、
今回はこの作品を取り上げたいと思います。



“がまくんは げんかんの まえに
 すわって いました。
 かえるくんが やってきて いいました。
 「どうしたんだい、がまがえるくん。
    きみ かなしそうだね。」
  「うん、そうなんだ。」
 がまくんが いいました。
  「いま 一日のうちの かなしい ときなんだ。
     つまり おてがみを まつ じかん なんだ。
     そうなると いつも ぼく とても ふしあわせな
     きもちに なるんだよ。」
  「そりゃ どういうわけ?」かえるくんがたずねました。
  「だって、ぼく おてがみ もらったことないんだの。」がまくんが いいました。”


ふう〜ん…。
なにも、ね。そんな悲しい時間を作ることないのに、と思いますよね。
大人になると、「叶わない願い」は、どちらかというと「直視」しないで、
そもそも「なかったこと」にしてしまう「知恵」がついてきます。

「手紙なんて別に欲しくないや」とか、あげくの果てはポストそのものを取っ払っちゃったり。

でも、がまくんは、そんな「悟り」(?)の境地に至らず、まだ「待って」しまうのですね。

そんながまくんの姿を見たかえるくんは、急いで家に帰ってがまくんへのお手紙を書きます。
そして、なんと知り合いのかたつむりに、その手紙を託すのです。


“「かたつむりくん。」かえるくんが いいました。
 「おねがいだけど、このてがみをがまくんの いえに もっていって、
    ゆうびんうけに いれてきて くれないかい。」
 「まかせてくれよ。」かたつむりがいいました。
 「すぐ やるぜ。」”
 

ですが、なかなか手紙は届きません。
手紙が届かないことで自棄(やけ)を起こすがまくんをなだめながら、
ついには、自分ががまくんに手紙を出したことを明かしながら、二人でじっと待つのです。

4日経って、ようやくかたつむりが手紙を届けてくれます。

…なんで、よりにもよってかたつむりに手紙を託すの? って思いません?
かたつむりは「すぐ やるぜ」って言ってくれたけど、そんな、弾丸のようにはいかないじゃない?

自分でポストに入れるとか、別の人に頼むとか。

最初、そう思ったのですけれど、いや、違うな、と思えてきました。

「待つ」時間が、それも二人して「待つ時間」が大切なのですね。

なんでもすぐに叶うことがいいのではない。
つい、願いはすぐに叶って欲しくなるのですけれど。
楽しみにしながら、待って過ごす時間が幸せなのかもしれない、そんな気がしてきました。
待てば待つほど、楽しみな時間が長いわけです。

でも、そうすると、そんな心の余裕が必要になりますね。
だから、「二人して待つ」なんだ! と思いました。
一緒にそのことを楽しみにしてくれる存在が、心の余裕を作ってくれるのですね。

なるほど、ね。
かえるくんが、自分でポストに入れたんじゃ、ダメなんだ。

そうか…カウンセラーの仕事も、そういうことかもしれない、と思ったことでした。

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