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東豊先生の講義「家族療法で何を行っているのか」

2018/03/13
東豊先生の講義「家族療法で何を行っているのか」
午後からは、「家族療法」の第一人者、東豊先生の講義となりました。
一年前の同じ頃、同じくKSCC統合的心理療法セミナーで、初めて東先生にお会いしたのですが、
その時とはガラリと違って、驚くべきことに、レジュメなし、タイトルなしで100分の講義が始まりました。
(タイトルは、講義を受けた私が勝手につけました。)
どんな風に始められるのか、と思ってましたら、まずは「システムズ・アプローチ」の説明から。

父・母・兄・妹という4人の家族がいるとして。
これを「相互作用している全体=システム」と見ます。
「兄の不登校」という問題が、家族全体の中の相互作用でどのように機能しているか、を見る。
言い換えると、「現実」というものの中に、「問題」と見られているもの・「問題」として扱われているものが含まれている、と見るのです。
そして、家族の中に、「問題持続システム」がどのように機能しているか、を見る。

そこにセラピストが加わる(=ジョイニングする)ことで、この家族の相互作用に影響を与える「治療システム」が始まる。
ここで東先生は、「家族療法はどんなテクニックを使ってもよいが、『システムの相互作用に影響を与えるか』を考えて使うことが重要」だと言われました。

次に、東先生の<初回面接>では何を行うか、のお話。
主訴が何であれ、構わない。「展開が良くなる」「運が良くなる」「解決する」が起こればよい、と。

ここから、白板に絵を描いての説明。
人形の絵の中に「心」を描かれて。
人の心には「ポジティブ」と「ネガティブ」があって。
「ポジティブ」も身体に影響を与えるし、「ネガティブ」も身体に影響を与える。
「ポジティブ」な影響を「P循環」と名付け、「ネガティブ」な影響を「N循環」と名付ける。

この「P循環」「N循環」はその人の身体に影響を与えるだけでなく、他の人にも影響を与える、「気」とか「波動」となる。
名付けて、「対人P循環」「対人N循環」。
つまり、身体、心、家族関係は相互に関係してくる。
そして、恐るべきことに、Pのオーラを出していると、同じ波動のものが寄ってくる。

ということで、東先生は「『P循環』を作る作業を10週間続けてください」と言われるそうです。
この「P循環を作る作業」が「システム・チェンジ」なのだ、と。

で、あくまで「私は怪しい宗教家ではありませんよ」と断りつつ、その「P循環」を作る行為として例に挙げられたのは、
・「私は○○を許しました。○○さん、ありがとうございます。」
・「私の中の神さま、ありがとうございます。」
・「生かしていただいてありがとうございます。」
といった類いの言葉がけ。
夜、寝る前に4、5回繰り返し唱えて休むことを勧められるそうです。

そして次回カウンセリング時に「1週間やってみて、どうでしたか?」と根掘り葉掘り、聴く。
この「問い」はソリューション装置を引き出すトーク、とのこと。(「ソリューション」とは、問題解決、あるいは問題解決法のこと。)

さらに東先生は、「事例」を挙げながら、P磁場を作る「感謝行(かんしゃぎょう)」として、
1 神社
2 塩風呂
3 先祖供養
を勧めるのだというお話をされました。

怪しいですね。

ですが、お話を伺っていると、つまりは「家族の動きで対応できる」枠組みを作ろうとされているのです。
家族の誰かを「悪者」にするのではなく(不登校状態にある兄を、積極的に関わろうとしない父を責めるのでなく)、
「問題」を何か別のところに持っていって、みんなで何とか解決しようとする。
その営みを通じて、これまでの家族の「システム」が変わる。

東先生のお友達の神主さんからは「そりゃあ、神社にお参りしたおかげやろ」と怒られるそうですが、東先生は「神社へのお参りでなくても、なんでもいい」と考えているとのこと。

でも、参加者から質問が出たときに東先生が言われたのが、
「先祖供養をツールとして使うのなら、それに精通していないといけない。付け焼き刃ではいけない。少なくとも私は10年、研究した。」

そうだよね、と思いました。そうでなくては「道具」として使いこなせない。
「先祖供養」のどんな質問にも答えられるようでないと、不信を呼ぶ。
どんなことでも、それをやってみるように勧めるためには、心底セラピストがその効果を信じていないといけない。

さらに東先生は、初回面接で、その家族のシステムが働いている「重要パーソン」は誰かを探る、という話もされました。
その重要パーソンの「厄介だ」「大変だ」という信念の強さを初回面接で測るのだ、と。
そして、その人の信念のガチガチのところには触れないでおく。
けれど、どんな人間にもガチガチでないところ(=柔軟なところ)が必ずある。そこを探すのだ、と。

そして、「問題持続システム」を持続させない要素を入れていくことで、システムを変える。
言い換えれば、どういう要素を入れていったら、システムチェンジが起きるのか、を探る、と。

その場合、「どんなときにうまくいくか?」がソリューションを変えるシステム、循環を変えることとなる。
そういった、「場」を変える主軸はセラピストである、というのが「システムズ・アプローチ」の方法である、と。

「問題を問題として見なくなる」「問題」から「問題外」に目がいくようになる、というのが、「システムチェンジ」。
つまりは問題を扱うコミュニケーションが違うようになった、ということ。
システムが変わると「見守る」に変わる。
けれど、親に安易に「見守ってください」というのは不適切。
親はなんとかしたい、という思いでいっぱいなのに、「見守れ」と言われると、「何もするな」に聞こえる。
それは、逆効果となる。…などなど。

レジュメもなく、自在にお話しされて、それでしっかり「家族療法」の「システムズ・アプローチ」も、初回面接で行うことも、理解できました。
関西カウンセリングセンター主催の「家族療法士養成講座」を受けてみたい気持ちになりました。
あれやこれや、一度にいっぱい手を出すと、いっぱいいっぱいになってはいけないので、今年度にするか、来年度にするか、よくよく考えようと思います。

画像は、当日、持ってこられていた、東先生の『マンガでわかる家族療法』。著者割引で買い求めました。

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