以前、「美山かやぶきの里」を訪れたときに、「ほたる鑑賞バス」の案内パンフレットを入手して。
そうだ! 6月は「ほたる狩り」の月だった…と思い出し。
広島にいるときには毎年のように、佐伯区のちょっと奥まった「湯来」方面まで車を走らせて「ほたる狩り」に出掛けていました。
ほんの30分も車を走らせると、蛍が群生しているところに行けました。
湯来町の「ほたる祭り」が6月半ば頃の週末に開かれていたけど、それはとても多くの人出となるので、
私は、「ほたる祭り」の行われる前後の水曜日辺りに、ふらっと行っていました。
「美山」は遠いので、もう少し近場で「ほたる狩り」ができないかと探したのでした。
すると御杖村の「ほたる祭り」がヒットして。
6月の22日(金)と23日(土)の二日間。
ゲシュタルト仲間のともこさんに一緒に行かない?って声をかけて。
途中でともこさんを拾って、いざ、御杖村へ!
御杖村の「ほたる祭り」は、ほたる群生地まで連れてってくれる「無料バス」が先着200名まで! ということで。
受付は5時半からだったのですが、私は、ちょうどほたるが飛ぶ時間の8時前ぐらいに行けばいいかと思っていたのだけれど。
そこは、遊ぶことに抜け目のないともこさん!
「温泉があるよ!」とご提案。
それで、70キロを1時間半で行って、6時半頃受付を済ませた後は、屋台でカレーを食べ、ポップコーンを食べ、たこ焼きを食べして、温泉へ。
4,50分、ゆっくり温泉に浸かった後、8時20分発の無料バスへ。
私たちは受付番号122と123だったので、2回目の1号車に乗車。
たくさんのほたるが、ふわっ、ふわっと飛んでいました。
綺麗でした。
ともこさんは、こんなたくさんのほたるが飛ぶ風景は初めてのようで。
私は、懐かしい風景に再び出会った感じで。
ふと、「あくがれ出(い)づる魂(たま)かとぞみる」という下の句が浮かんで。
それは和泉式部の和歌でした。
「もの思へば 沢の蛍も我が身より あくがれ出づる魂かとぞみる」(『後拾遺集』)
(あなたを想って、物思いにふけっていると、沢を飛び交っている蛍の光も、自分の身から離れ、さまよい出た魂ではないかと見えたことです)
ふわりふわりと飛ぶほたるが、まるで、頼りなげにさまよい出た自分自身のように思えた…というところ、ですね。
詞書(ことばがき=作歌事情を説明したもの)には、
「男に忘れられて侍(はべ)りける頃、貴船にまゐりて、御手洗川に蛍の飛び侍りけるを見てよめる」とありますから、
恋多き女性であった和泉式部の、恋破れた時の歌のようです。
ぼんやりと、そんなことなどに思いを馳せながら…今年の私の「ほたる狩り」は終わりました。
画像は、集合場所だった「御杖村観光案内所」の、駐車場の看板と紫陽花。