3日目の午前中は、GNK(ゲシュタルト・ネットワーク・関西)の仲間のワークショップに、お手伝いとして入りました。
会場準備や受付やそして写真撮影を担当しました。
定員8名のところ参加希望者7名でした。
このワークショップは二人ペアになって進めるものだったので、ワーカーとしても参加させてもらうことになりました。
ワークショップ名は「マイライフ・アート絵巻〜墨の線で自分の人生を描く〜」。
予め用意された、幅25センチ、長さ6メートルの障子紙。
ここに自分の人生を墨で描く、というものでした。
各自に手渡された真っ白な巻物を、ドーンと広げたときに聞こえてきた、参加者の「わ!長い!」という声。
私も私に手渡された巻物を広げてみて、迫力だなあと思いました。「…こんな長いものに描くのか!」。
と同時に、「そりゃあ、そうよね…。半世紀以上、生きてきたんだから。」と、そこでもう自分の来し方を振り返る「構え」ができました。
太い筆と細い筆の2本が各自に用意されていて。
それから、墨汁を薄める水が各自に小さなペットボトルで用意されていて。
墨汁の濃さを変えられるように、各自に三つの容器を手渡されました。
まずは、ゆっくりと息を吐いて、自分の呼吸を聴いて。
それから、広げられた巻物の上を、靴を脱いでゆっくりと歩く。
そして、おもむろに、各自描き始める。
私は白紙の絵巻の上を歩きながら、これまでの自分の人生の記憶を辿り、起こった出来事を振り返りながら、しかしそれをどのように「描く」のか、考えあぐねていました。
私は絵を描くことは苦手だった。
「どうしよう…」と思ったとき、サブタイトルの「墨の線で自分の人生を描く」が目に飛び込んできました。
そうか…! 線の濃淡、太さ、で、これまでの自分の人生を表現すればいいんだ!
で、本当に「線」を描こうと思いました。
私の人生の始まりは、…あまり記憶にないので、薄墨から始まって。
2,3歳の頃のこと、9歳ぐらいの頃のこと。14歳の頃のこと、大学生になって、それから就職して。
広島に移って、子どもが生まれて…その子が不登校になって…父の闘病生活が始まり…父が亡くなって…。
ゲシュタルト療法との出会いがあり…奈良に帰って…カウンセリングルームを開いて…今に至る。
思い立ったら、思い切りだけはいいので、…多分、一番に出来上がり。
周りを見ると、それぞれが思い思いに自分の人生を描いていました。
そして、描画タイムが終わると、まずはペアで各自の人生を辿りながら、シェアをして。
それから、全体でのシェアタイム。
時間は緩やかに、そして豊かに過ぎていきました。
偶然にペアとなった人は、人生で共通する部分がある方で、シェアも楽しく弾みました。
またもや、偶然は必然なのだと思わされたことでした。
3人の仲間のファシリ・コラボは、ゆる〜く、それでいて三者三様の持ち味が活かされた、絶妙な取り合わせでした。
本当によかったと思います。
画像は、最後の全体でのシェアで、8名全員の「絵巻」を並べたところ。
私の「絵巻」は手前から4つめ。
右手から私の人生が始まり、途中、薄くなったり、途切れたり、路線変更があったり、したけど、
濃く太く、そして踊るような線の流れになって、「現在」に至っています。