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雨をそそぎ、露をうるおす〜小林純一の詩「じょろ」〜

2018/08/10
雨をそそぎ、露をうるおす〜小林純一の詩「じょろ」〜
小林純一の詩「じょろ」は、読むとなんだかとても優しい気持ちになれるものです。
「じょろ」は「如雨露」って書く、ってところから始まるのですけれど、
調べてみたら、「じょろ」は「如露」としか出てこず。
「じょうろ」で「如雨露」と。

まあ、普段使いの言葉では、ちょっと縮めて言ったりもしますよね。

「読書へのいざない」第103号で紹介したものです。

 

 

  「じょろ」    小林 純一

 

 じょろ、という字はね、

 如(じょ)、雨(う)、露(ろ) と書くんだよ、

 雨降る如く、

 露おく如く……

 ね、

 水をまくのじゃなく、

 雨を降らすように、

 やわらかく、やわらかく……

 ヨシコも やってごらん。

 

 そう、そう、

 しゃわ しゃわ しゃわ

 しゃわ しゃわ しゃわ

 ほら、

 葉っぱが 声をあげているだろう。

 草が からだをくねらせて いるだろう、

 花びらが 輝きだしたろう、

 うれしいのさ、喜んでいるのさ。

 

 じょろで、雨を降らせているとき、

 人は神さまになる……

 え、天使のほうが いい?

 そう、子どもだったら 天使になる……

 やさしい 気持ちになって、

 やさしい 顔になって……。

 

 おぼえておおき、

 じょろは 如雨露

 水をまくんじゃないんだよ、

 雨を そそぐんだよ、

 露を うるおすんだよ。

 しゃわ しゃわ しゃわ

 しゃわ しゃわ しゃわ

 やわらかく、やわらかく。

    (詩集『茂作じいさん』1978年刊)


「しゃわ しゃわ しゃわ」の音も優しく。
ヨシコちゃんに、お父さんがもしくはおじいちゃんが、話しかけている設定、でしょうか。
漢字でどう書くか、教えながら、
でも、伝えたいことは「やわらかく、やわらかく」雨を降らせる、ということ。

まあ、まだ「如」が「如(ごと)く」なんて…分かりそうにもない年齢の子のような気がするけど。

そうね。
草や花や、は、本物の雨であろうが、じょうろの水であろうが、構わないわけだものね。

水をあげる、というのは、命を潤す、ということ。
私たちは「神さま」ではないけれど、
命を慈しむとき、「神さま」の代わりにもなれるということ。

「人は神さまになる」と言われたヨシコは、茶々を入れたみたいね、「天使の方がいい」って。
そんなヨシコの気持ちも否定することなく第3連は進行する。

こんな柔らかな、穏やかな気持ちを、周囲に広げることができたらいいな、と思いました。
何をするにも、心をこめてとりおこなうこと。
ひとつひとつの所作を、別のことを考えながら、ではなく、そのことに集中すること。
…なんだか、仏道修行のようですが。
そんなことを思いました。

画像は、5月の朝のアンジーとの散歩で撮った、街路樹の足下のビオラ。

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