「いわずにおれなくなる」 まど みちお
いわずに おれなくなる
ことばでしか いえないからだ
いわずに おれなくなる
ことばでは いいきれないからだ
いわずに おれなくなる
ひとりでは 生きられないからだ
いわずに おれなくなる
ひとりでしか 生きられないからだ
第1連はすんなり入ると思います。
第2連、「ことばでは いいきれない」にもかかわらず、「いわずに おれなくなる」。
ここで、え? とちょっと立ち止まってしまう人が多いのではないでしょうか…?
言葉では言い切れない、言い尽くせない、ことが分かっていても、
相手に伝えるためには、言葉を使うしかない。
言葉は、「事の端(は)」。
ものごとの一端しか表現できない。
そして、第3連。
自分という人間を分かってもらうためには、
そんな不十分な道具でしかない言葉を使ってでも、表現するしかない。
「ひとりでは 生きられないからだ」。
さらに、第4連。
人に分かってもらえることが、そうそうないことが分かっていても、
「いわずに おれなくなる」。
それは、多分、自分の尊厳を守るため。
カウンセリングに来られるクライエントさんは、
周囲に気を遣いすぎて、
言うべきことを言えなくて、
苦しくなって動けなくなっている方が多い。
ひどいときには、自分で自分を責めてしまったりして、
自分の尊厳がなくなってしまっている。
カウンセリングは何をするのか?
ただ単に、話を聞いてもらうだけ、
と思われている方もいらっしゃるでしょうが、
それは違います。
カウンセリングを受けることで、
自分が自分を見失っていることに気づき、
本来の自分はどうであったのか、
本来の自分はどうありたいのか、
それを模索する。
それは自分の尊厳を取り戻す営み。
前を向いて、自分らしい人生を創っていく土台を再構築する作業。
そんな風に思います。
だから、カウンセリングが進むにつれて、
クライエントさんの表情がどんどん変わっていくのが
とても嬉しい。
さて。
今日は、カウンセリングを終えて次なる自分を創っていくために来られる方がいらっしゃいます。
一緒に、仕事の軸を創っていくのは私も楽しいです。
…その方に刺激されて、私もちょっと授業がしたくなって、
教職員課に「国語表現」の授業を持たせてもらえないか、
時間講師の依頼をしてきました。
来年度、授業ができるかな?
ちょっと楽しみです。
画像は、この前アンジーを連れて行った、生駒山麓公園。
カウンセリングルーム 沙羅Sara
あなたはあなたのままで大丈夫。ひとりで悩みを抱え込まないで。
明けない夜はありません。
電話番号:090-7594-0428
所在地 : 生駒市元町2-4-20
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