では、百武さんの話された言葉を拾い上げていこうと思います。
「フェルデンクライス」のもうひとつのアプローチ「ATM」は、講師が動作を見せないで言葉で指示すること。
人間の赤ちゃん(2〜5歳)がどんな風に脳を発達させているかというと、
人間の進化のプロセスがあって、準備ができていれば次のことが起こる、という。
身体感覚の発達も同じ。
そして、身体感覚を発達させることが、脳の発達。
「学習とは何か」
まず、漠然としているものを識別すること。意識化して区別する。それは、急には起きない。そして、「心地よい」から繰り返される。
次に、意図的に身体を動かすようになること。それには正しいプロセスや手順があるわけではない。
重力に逆らって直立するわけだけど、そういった重力と自分との関係で動きが生まれる。「重力と身体(動き)」がテーマとなる。
フェルデンクライスとゲシュタルトの違いを1つ挙げるならば、フェルデンクライスは「喋る」。
背骨が立ってから、口が解放される必要がある。喋るというのは意識化する準備。
フェルデンクライスでは、身体の感覚が明確になることを「自我」と捉える。
現代の学習は、たとえば、ヒトであれば、早く立った方が発達が早いと考える。これは間違い。
学習とは、明確なステップで進むわけではない。漠然としていて、あるとき統合される。
身体=精神
身体の感覚(センセーション)を意識化するためには、動きをゆっくりする必要がある。
感情(エモーション)は、筋肉の動きに現れる。
つまり、身体の感覚(センセーション)を伴って存在している。
そして、外に向かってエネルギーを出したくなる。
「動き」
・垂直なものはあまりない。
・動きには3つあって、それは、「進化の動き」・「発達の動き(習慣)」・「日常の動き」。
・「結果」に意識がいっているときには、呼吸を止めている。
・ゲシュタルトでいう「ホメオスタシス(恒常性)」の原理は、生命体は環境との間に常に明確な境界線を持ち、恒常性ーー一定に保ちながら、出入り自由のオープンシステムである。
お昼休憩を挟んで、質問受付。
<質問1>ワークで指示されたのと少し違う動きをしたくなったが、そうしない方がいいのか?
→身体が動きたい方向に動くことで良い。そうすると、身体が自然に動けることが生まれる。
<質問2>午前中のワークで、「二人一組になって、一方がうつぶせになり、その人が手を当ててほしいと思った箇所に、もう一人が、ここだろうなと思って手を当てる」ことを行ったが、手を当ててほしいと思った箇所と、実際に手を当てられた箇所が異なったが、それは、どう考えればいいのか?
→余り気にしなくていい。自分が手を当てる立場で言うと、だんだんと相手の望むことが分かるようになってくる。
<質問3>「今、もともと持っている力」があるとして、それはいつ発揮されるのか?
→ガマンできなくなったら、自然に動く。
【午後からのワーク】…「ATM」(動きを通じての気づき)
○「学ぶとは何なのか」を学ぶ
1 楽に動く(筋肉を100%フルに使わない)
2 繰り返す
3 感情(エモーショナル)と神経(センシティブ)と感覚(フィーリング)で、自分が動いていることを意識化する。
☆重力と自分の身体との関係は皮膚感覚で捉えられる。
動くと、自分が地球と接している「接点」が変わる。
五感でもって外の環境世界に目を向ける。
これは、仰向けに寝転がって、肩幅に足を開き、ゆっくりと足首を動かすことで行いました。
あっという間に17時半となりました。(1日目終了)
2日目は、ゲシュタルト療法のワークにフェルデンクライスをどんな風に用いるかのデモセッションと、
3人一組で、ゲシュタルト療法のCFO(クライエント・ファシリテータ・オブザーバー)役となって、
10分間クライエントの話を聞いたあとで、フェルデンクライスを用いて身体にアプローチし、その後の感情や身体の変化を確認する、というワークを行いました。
また、次回。
デモセッションを希望してジャンケンで勝ったので、実際にどんなワークになったのかの報告もします。乞うご期待!
画像は、昼間のスカイツリー。