岡田法悦さんのスーパービジョンの2日目。
5つのワークが行われました。
それぞれのワークで岡田さんが出されたコメントを中心に、振り返りをしたいと思います。
〇ファシリテーターの仕事は、クライエントの気持ちを単純に分かろうとすること。そして、その気持ちを同じように味わおうとすること。
・何百回会った人でも、ここで会ったら「初めての人」。役割なしで「初めて会う」。
・クライエントに「ふるえを感じてみてください。」と声掛けしたが、それは、ふるえが「クライエントの中で起きている何か」という捉えをしたから。そうではなくて、「ふるえはクライエントそのもの」と捉えたら、「ふるえになってください」というアプローチをする。この度はその方が有効だった。
・クライエントは「ふるえ」そのものだったから、自分の内から取り出すことができなくて、言葉でも表現できなかった。
〇「一人称・二人称の関係」を作るには、「私」「あなた」と主語を明確にして伝え合う」ことが必要。
<補足>1日目の「対話の基本は一人称・二人称(=私とあなた)のやり取り→一人称・二人称の中にいるということは、関係の中にいるということ」というコメントがあったが、それを体現するための方法を明確に示されたように思います。
・関心がコンテンツ(できごと)に行っている人は、話を聞いてもらえると「受け入れてもらえた」となる。
→話させるのではなく、イメージの中に居させる。
・語りたい人は三人称で語りたがる。(今、ここではない)再現ビデオについて説明し、そのビデオの中には居ない。
・コンテンツは、ほぼ100%「今、ここ」で起きていることではない。「今、ここ」はプロセス(=今ここで、何を感じているか)。
・しかし、コンテンツを生み出している感情・感覚の流れをきっちりつかむと、コンテンツすべてを聞かなくとも人は満足する。
・感情・感覚は、声の調子など身体に現れる。
・コンテンツを語ることを止めるためには、実際に話を止めてみて、クライエントの反応を見る。「もうちょっと話させてください」と言ったり不満そうな顔をされたりしたら、もう少し聞く必要あり。その上で「たくさんのことを伝えてくれていますね。あなたにとってそのことは、どういう意味を持っていますか?」という問いかけをすることも有効。
・「イライラするんです」というクライエントの言葉には「誰に?」と問いかけることで「ことがら」に入らずに済む。
・ファシリ初心者グループに対して、「プロセスの中に居る」ために、できごとは口パク、感情・感覚のところだけ言葉にするトレーニングがある。すると、「できごとをしゃべらなくとも、感情・感覚が動いていく」体験ができる。
〇人に「何とかしてあげる」ことはできない。それは逆に人に「自分は自分で何とかできる人ではない」というメッセージを送ることにもなる。
<補足>ファシリをするときの「分かってあげなければ」「辛い状況を何とかしてあげなければ」という気持ちになるのを防ぐ言葉だと思います。
・「分かってあげられない自分にはOK出せない」のは、クライエントと「今、ここ」に一緒にいることはできない。ファシリをすればするほど苦しくなっていく。その方向は違う。
〇クライエントが感じていることを、感じ尽くすお手伝いをするために、ファシリは存在する。
・クライエントへの影響を考えながら、伝えるべき言葉を選ぶ。ざっくばらんな言葉遣いがいいのか、敬語がいいのか。
・「あることをやめたいんです」というクライエントの言葉に対して、「何を?」ではなく「そのことで、どう感じるの?」という返し。
本当に、豊かな時間でした。
ありがとうございました。
画像は、私の新しい部屋の飾り棚。夜はオレンジのライトが点きます。