月1回のメディカアロマのフォローアップ・セミナー。
2019年度は「薬草(メディカル・ハーブ)講座」。
とうとう最終回となりました。
前回のレッスンでは、植物が人間の健康に有効な成分を作り出すのは、そもそも人間のためではなく、自分自身の身を守るため、という非常に興味深いお話が展開されました。
そしてそれらの成分は精油と同じく、分子構造や化学的性質によって分類されている、というのです。
最後のレッスンは、その成分と作用についてのまとめです。
まず、ハーブの作用について。
1 抗酸化作用…紫外線からのダメージを防ぐために生成。→人体の老化や細胞のダメージを防ぐ
2 生体防御・調整作用…成長のためのホルモン分泌や細胞活性。→ホルモン分泌調整、免疫賦活(ふかつ)、自律神経調整
3 抗微生物…植物が自衛のために生成→感染防御
4 薬理作用…自分を癒すために生成→傷の治癒や病気の治療(鎮痛・抗炎症など)
5 栄養…植物自身の栄養や自衛のために生成→ビタミン、ミネラルなど人体に必要な栄養素
三大栄養素(たんぱく質、糖質、脂質)は光合成によって作り出されている。
それ以外のビタミン、ミネラルなど人体に必要な栄養素は、土の中から吸収する、と説明されて、ほお〜、と。
植物の化学成分として、「フラボノイド類」「アルカロイド類」「苦味質」「粘液質」「配糖体」「ビタミン類」「ミネラル類」と、8つに分類しての説明がされましたが、興味深かったのは「アルカロイド類」。
・窒素原子を含む有機化合物。強い苦味がある。
・中枢神経に強力な影響を与える。少量でも作用が非常に強い。
・ほとんどが水に溶けないが、水溶性のものもある。
とかだそうで、代表的な成分は、ニコチン、キニン、コカイン、モルヒネ、レセルピン、エフェドリン、カフェイン、ハルマン、ハルモール。
主な作用は、アドレナリン作用、中枢神経刺激、抗マラリア、麻酔作用、鎮静、血圧降下、精神安定、交感神経刺激、気管支拡張。
びっくりしましたよ。カフェインがコカインとかモルヒネと同じ並びに入っているなんて!
確かにコーヒーを飲むとシャキンと目が覚めるけど、コーヒーも7杯目から異常をきたすのですと!
この前母が風邪を引いたとかで、医者から咳止め薬をもらってきたのですが、その薬を服用したとたん吐き気が来たそうな。
「薬がきつかったんやね〜」とか言っていましたが、咳止めにはエフェドリンが入っているそう。
麻黄湯(まおうとう)にも入っていて、一気に熱を下げるときに用いるのだとか。
…咳止め薬は強い薬だから、あまり飲まないようにした方がいいよ、って誰かから聞いたことがあって、ふうん…と思っているだけだったのですが、そういうことだったのですね。
ハルマン、ハルモールってあまり聞きなれないけれど、もしかしたら睡眠薬のハルシオンなども、これかな? と思ったことでした。
これは、以前に教わったパッションフラワーの成分。
強烈に眠りを誘うものでした。
あと…「配糖体」の説明時に、玄米の話が出て。
発芽するものは配糖体の形で毒もある。無毒化するためには丸一日水につけるとよいのだそうです。
つまりは、発芽させてから食べるのが良い、ということだとか。
今回紹介されたハーブは、リンデン。
ドイツでは、風邪の引き初めには、子どもたちに「リンデン4:ペパーミント1」で処方されるそうです。
ティースプーン山盛り1〜2杯に熱湯150mlを注ぎ、蓋をして5分間抽出したものを、1日数回(特に午後)服用。
用事調整し、できるだけ熱いうちに服用する。
「用事調整」とは、作ってすぐ飲むこと。冷めると成分が半減するのだそうです。
今回の講座の前日に、中田先生にお電話して「飛び入り参加」ができるかどうか、お聞きしました。
特別に許可いただいて、岡山から来たKさんも参加。
講義を聴きながら、コーヒーは、ある一定の量を超えると、ご自分の身体自体が受け付けず、飲めなくなるんだと言われていました。
なかなか興味深い講座だったよう。
…まあ、ね。そんな気がしたので、お誘いしたのですが。
画像は、Kさんのために用意した箸置き。
手前の、おなかを見せて寝転がっている方が、その友人です。