いったい、どういうことからそんな話になったのか。
まるで記憶にないのですけれど。
ボイスアート創始者・まやはるこさんから「それぞれのアメイジング・グレイスを歌いましょう」とお題を出されて。
元の歌詞に関係なく、この曲のメロディーに乗せて、「ボイスアートに出会う前と後」。
ふう〜ん。面白そうね。
そう思って、「ハイ!やります!」と言ったものの、一向に歌詞が降りてこない。
…う〜ん、「降りる」っていうのは、なんというか…自分の中から言葉が湧き出るように、あ、と思う瞬間、の感じ。
そうね。
昔、若かった20代の頃、詩を書いていた時の…感覚。
まあ…詩と歌詞はだいぶ違うんだけれど、ね。
歌詞は、なんというか…「あの」「あのとき」など、指示語で聞き手にイメージさせる言葉を多用する。
多分…それぞれの「記憶」に頼る、という感じ。
それぞれがそれぞれの「記憶」を想起させるので、共感を呼びやすい。
詩は、詩の言葉は、そうではなくて、詩人に感じ取れる、今生きるこの世界を明確に切り取って、差し出そうとする。
だから、聞き手(読み手)に委ねる指示語は多用しない。
だから、読み手に「あ、イヤだ」と拒否されることも多い。
「アメイジング・グレイス」。
多くの人にとってそうであるように、私にとっても好きな歌。
だけど、「Amazing grace! how sweet the sound…」という元歌詞が頭にこびりついて、日本語などまるで出てこない。
約1ヶ月の期限のギリギリ1日前に、朝、アンジーの散歩に出ていて、突然、降りてきた。
「アンジー! ママご用事なの! 帰るよ!」
まだ散歩に出て20分も経っていないというのに、とアンジーは抵抗する。
前足で踏ん張って、「イヤですう〜」。
アンジーを、まるでドナドナの子牛状態にさせながら、大急ぎで家に帰って紙に書き始めました。
雨 土 そよぐ風
生命(いのち)育む 光
青い空 かそけき月
瞳(め)を閉じれば ここに
それが、10月30日のこと。
で、そんなまだ練習もしていないのに、第1回のリハーサルで。
自分でも初めて歌いました。
リハーサルで録った音声を、FBに投稿したら、Kさんが歌詞を聴き取って書いてくれました。
あめ つち そよぐかぜ
いのちはぐくむ ひかり
あおいそら かそけきつき
めをとじれば ここに
あ、ひらがなの方がいいな…! そんな風に感じました。
私は、やっぱり「歌詞」は書けなくて、
「この世界は素晴らしい」と感じられる時の(いつもそう、とは限りませんが)、私の感じられ方を差し出すしかなくて、
でもまあ、これが私の「アメイジング・グレイス」なのでしょう。
ドキドキしながら、差し出します。
ご感想をいただけたらありがたいです。
あ、本番は11月16日。12時から神戸三宮の「サロン・ド・あいり」で。
…さすがに、もうちょっと練習しなきゃ、ね。
画像は、「サロン・ド・あいり」の入り口に掛けてあった額縁。「よきであい」とありました。
…そうですね。私はボイスアート仲間と、「よき出会い」をさせていただきました。