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  3. フォーカシング
  4. 私のフォーカシング・レッスン(4)〜フォーカシングとは言葉にしていく過程での意味の形成〜池見陽先生のエイジアン・フォーカシング・メソッヅ〈1〉
 

私のフォーカシング・レッスン(4)〜フォーカシングとは言葉にしていく過程での意味の形成〜池見陽先生のエイジアン・フォーカシング・メソッヅ〈1〉

2022/04/01
私のフォーカシング・レッスン(4)〜フォーカシングとは言葉にしていく過程での意味の形成〜池見陽先生のエイジアン・フォーカシング・メソッヅ〈1〉
2022年3月19日。オンラインでのセミナー。
セミナーがあることに気づくのが遅くて、申し込みがギリギリになったこともあって、ろくに案内も読まずに申し込んだものだから。
…「エイジアン・フォーカシング」って何? ということも理解しないままで。
勝手に「age」(年齢)に関係するのかな? なんてぼんやり考えていただけで、セミナー当日を迎えてしまった。

今回、「Asian Focusing  Methods」と池見先生の命名されたものについて、話された言葉を拾っていきます。(小見出しは私がつけたもの)

フォーカシングとは何か

・マインドフルネスを大事にしているが、マインドフルネスに入る前に、そもそもフォーカシングって何? ということだけ明確にしておきたい。

・2つの意味がある。ジェンドリンは哲学者で、彼の非常に面白いところは、人の体験はそもそも言葉になっていない、ということが出発点。どんな体験も言葉になっていない。その、言葉になっていない体験のことを「直接参照」という。つまり、言葉を介さずして参照することができる、という意味で直接。人の体験を言葉に言い表すために言葉と体験を突き合わせる、これをフォーカシングという。

・よく詩作の例が出てくる。言おうとしている体験があって、詩人がよく「書いては捨て、書いては捨て」して、1行書いて、いや違うといって捨てて、ジェンドリンの本によると、詩人がペンを回すとか言うが、このペンを回しているときに、どういうふうに言い換えたらいいか、と考える。

・「暗い夜」と書いて、いや「暗い夜」ちょっと違うなあ…「淋しい夜」かな…でもちょっと違うなあ…「孤独な夜」…ちょっと強いなあ…「孤独な月」! 「孤独な月」にしよう! …こういうふうに体験を言葉に置いていっている間に意味が創造される、ということ。意味を創っていく。

・だから、人は何を言いたいのか、意味するところが言葉に先立っていない、という、ここがジェンドリンの面白いところ。

・言葉にしていく中で意味が形成されていく。

 

カウンセリングの成立とフォーカシング能力の関係

・体験を丁寧に言い表そうと、体験を省みて話すクライエントは、心理療法で成功しやすい。これが凄く重要なことになってくる。

・ただカウンセリングに来て愚痴を言っている人は、なかなかカウンセリングがうまくいかない。

・私が感じているのは、一体何だろう?という、そこの言葉になっていないところを感じながら、それにどういう言葉が合うのか、というのをみて、試しながら話すクライエント…これはよくある‥「最近、不安なんです」と言って、「不安じゃなくて…」という形で、「不安」という言葉を変えて「神経質になっているんですよ」というような言葉に変える。ちょっと話していると、「神経質、というよりも」とまた言葉を変える、という形で、実際自分が体験しているものが、言葉にハマってない、ということに気づいて、そして、どう表現したら、ぴったりなのか、ということをみながら話せる人は、フォーカシング能力が高いと言われる。つまり、そういうクライエントはフォーカシングしているということ。

 

・僕が病院臨床していたときに困っていたのは、フォーカシング能力が低い患者さん。僕たちはクライエント中心療法でいたいと思うけど、病院というところはドクター中心。

・だから「先生、不安なんです」「先生、眠れないんです」だけ言う人もいて、あと、先生が考えてください、のような。これだと、カウンセリングとしてはうまくいかない。

・「眠れないんです」だったら、医者の外来だったらどんな薬を出すか、だけで「どういうふうに眠れないのか」みたいなことを聞くが、カウンセリングで同じことをされても、それはカウンセリングが成立しないから、よく説明をしなければならなかった。「あなたが眠れないんだから、あなたのことを一番よく知っているのはあなただから、一緒に考えましょう」と。そうやってフォーカシング能力を高めていかないと、カウンセリングがうまくいかない。



なんというか…。これまで学んできたゲシュタルト(療法)では、「ゲシュタルトが成立しない場合はどういうときか」「(一般的に)カウンセリングが成立しないのはどんな場合か」というような「問いかけ」は、なかったように思う。

もちろんファシリテーターの関わりでワークが進んでいくわけだけど、ワークの中で、ファシリはワーカーと共にいて、そして感じたことで捉えかえす、ことは言われたけど、その「捉え返した言葉」がワーカーにどんなふうに作用するとワーカーの「気づき」が生まれるのか、というような「振り返り」の視点はなかったように思う。つまり、その作用のメカニズムに注目して、明確に分析されたわけではなかったように思うのだ。

むしろ、私が学び始めた2015年、2016年頃は、そういった私の疑問に対して「頭で考えずにワークで感じたことをそのままにしておく」ように言われた。

「考える」ことは、せっかくワークで感じた「気づき」を失わせるものとして、むしろ否定された。「思考に戻さないこと」として。


ゲシュタルトの学び始めは、それはそれで意味のあったことだと思う。

しかし自分がファシリをする段階に入ると、もちろんワークでは「今、ここ」に居て「感じとる」ことが大事だけれど、一方で、ワーカーの「気づき」を生み出すような「捉え返しの言葉」についての分析が、もう少し明確にあってもいいように思い始めた。

ファシリを学び始めての「もどかしさ」はファシリの「言葉」にそれほど注目しないことに物足りなさを感じ始めた、ということかもしれない。


だから、「フォーカシング能力が高い」「フォーカシング能力を高めていかないと、カウンセリングがうまくいかない」という視点が示されたことに驚きを感じた。人と人との関係性でフォーカシング、カウンセリングが進むとすれば、両者おのおののありようが、「うまくいくかいかないか」を規定するという言及は非常に面白いと思った。



フォーカシングの「2つの意味」

・そうしているうちに、ジェンドリンが、カウンセリングに限らず、誰でもできるような形に、「自己啓発」のような形でマニュアルを作った。それが『フォーカシング』という本。ここに6つのステップから成るフォーカシングというものが出ていて、世の中にそれがフォーカシングだというふうに伝わった。そうすると(そこに)2つの意味がある。

1つは6つのステップから成る、フォーカシングという1組の教示、インストラクション、これがフォーカシングだという見方と、いやそうではなくて、インストラクションも何もなくて、感じていることと言葉が合っているか、参照しながら体験を深めていくのがフォーカシングだという、その2つの意味を持つようになった、ということ。



この後、6つのステップの一番め、「クリアリング・ア・スペース」についての話が続きます。

「フォーカシングとは何か」についての2つの見方がどのように展開するのか、お楽しみに。


画像は、今年初めに作ったプリザーブドフラワー。春めいた雰囲気が何か浮き浮きさせてくれます。

そうね、アンジー。気づいたらコロナになって3度目の春。桜も咲いてきたから、朝の散歩、カメラを持って、もう少しゆっくりと歩いてみようね。

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