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里子に出された「さら」のその後

2022/04/15
里子に出された「さら」のその後
そもそもは、我が母が「アンジー、なんぼあんじょうしたげても(いくら大事にしてあげても)、私は2番目や」と、のたもうたところから始まる。
「え? それ、どういう意味?」
「だから、ママが一番で、その次が私」
そりゃそうでしょ。だって私がママなんだから! 
 
生後2ヶ月、手のひらに乗るぐらいの850グラムのアンジーに、ドッグフードをふやかして食べさせたところからアンジーと私との関係は始まる。
…そもそも、緩和ケアに入った父のセラピードッグとして買い求めたのに、その時はアンジーに触れもしなかったのに、さ。
そりゃあ、ママが一番、よね?
それがどうも、我が母はご不満のようで。(我が母は我がママ。) 

「じゃあ、お母さん、自分のワンコ飼えば? そしたら、お母さんが一番、になるよ」
「うん…でもこの歳やし…」
「最後まで面倒見てやれない、ことを心配してるんだったら、最後は私が面倒見るから」

そう。確かに、そんなふうに約束した。
だけど。私は思いもしなかったのだ。
「最後は私が面倒を見る」時期が、子犬を家に迎えて、5日後に来るなんて!

「名前は、どうする?」
あくまでも母の犬だから、母が決めたらいいと思っていた。
「…さゆり。」消え入るような声でのたまう。
「え? さゆり? …それって、吉永小百合? ふふふ。まあ、いいけど」
「でも、3文字って結局2文字になるよ。アンジーだって、アンちゃん、になったし。さゆちゃんって呼びにくいよ」
「2文字にしといたら? さ、から始まる方がいいのね? …もう、さら、にしとく?」

ということで、屋号と同じ、さらちゃんに。

母はアンジーで慣れていて、子犬がこんなにガサガサするものだとは思わなかった、そうな。
それに、アンジーと違って、ワンワンキャンキャン鳴く仔で。
それと一日中付き合うのは、神経が持たない、と。
三日で母は音を上げた。


さらちゃん。
なかなか、神経の太い子で。
大抵の子犬は大人の犬に叱られるとシュンとするものだけど、彼女は違った。
一瞬、身を地べたにすりつけて「ごめんなさい」体勢を取るけど。
しばらくすると、もうお構いなしに「遊ぼ!」と擦り寄っていく。
アンジーは、「来るなー!」とワーワー叫ぶ。

そもそもどんな子が来てもダメだった、かもしれないけど。
アンジーの拒否反応は、半端なかった。

まずは、生後3ヶ月のさらを抱っこするだけで、ワンワン吠えまくり。
…滅多に吠えることのないアンジーが。
悲鳴のように鳴き続ける。

その時期が過ぎると、今度は、遠目からじっと見つめる。
その目は「ママ。こいつはなに? なんでボクだけじゃ、ダメなの?」と訴えている。
切なく。目を潤ませて。

食欲も落ち。元気もなくなって。

なんとなく。アンジーはレゾン・デートル(存在意義)という哲学的な問題を抱え込んだようで。
見ている私も辛い。

そう。「さら」に「お座り、お手」を初めて教えようとした時。
アンジーが向こうからターっと走ってきて、私の前にちょこんと座り、「お手、お代わり」を始めた。

見て見て! ボク、ちゃんとできるよ!

「さら」が来る前は、「お手」はご飯前に求めるだけだったのに、それさえもめんどくさそうだった。
「え〜…、ママ、まだこんなことをやらせるの? はあ〜あ。仕方ないなあ。」なんて声が聞こえそうなぐらい、よっこらしょ、と手を差し出していた。
なのに「さら」に教えていたら、ちゃっと来て、ちゃっと座って、ちゃっと手を出す。
「アンジーがワンコになった〜!」

ご飯だって。おまえ、本当に犬? と思うぐらい、ゆっくり、休み休み食べてたのに。
時に残したりして、自分で体重管理する子だったのに。
「さら」の「一気食い」におされて、残さず一気に食べるようになった。

にもかかわらず。アンジーはどんどん元気なくしていった。
朝の散歩も、「ボク、こいつと一緒に、だったらゼーったいに行きませんから!!」と、4本の足全部で踏ん張り、完全拒否で。
そんなワガママ言うくせに。一日中、眠っていることが多くなった。

私の方も。トイレトレーニングがなかなか終わらない「さら」の世話と、朝夕の2回ずつの散歩(合計4回)はなかなかキツくて。疲弊していった。

それでも、「さら」なんて名付けてしまったものだから、手放し難くて。
なんか、「子捨て」をするぐらいの気になって。
気持ちばかりが滅入った。

アンジーはてんかん持ちで。その発作の間隔が短くなったから。いよいよもうダメね、と、「さら」を手放す決心をした。
さらが来て、半年後。
1歳のお誕生日もしてやれずに。

気持ちの整理をつけるために、教え子に易で見てもらったりもした。

里親募集の「ぽちとたま」というサイトを見つけて登録して。
今年2月、2週間のトライアル期間を経て、貰われていった。

1ヶ月ぐらいは私も気持ちがしんどかった。
でもまあ、私のところにいると、アンジーの次、でしかないから。
新しいおうちは、「さら」が一番目、だから。そのほうが幸せ。
そんなふうに、自分にも言い聞かせ、言い聞かせ、して。

そうね。「さら」は娘が欲しかった私が、息子がお腹にいる時に、8ヶ月まで呼んでいた名前、だったから。

まあ、そういういきさつで、だから新しいおうちで改名してもらっても一向に構わなかったのだけど。
でも、ね。「プリン」になるとは思わなかったよ。
…まあ、いいけど。

画像は、昨年末にウッドデッキの上で撮ったさらちゃん。
多少やんちゃでも、この子はこの子でかわいかった。
ごめんね。先にアンジーのママだったから。
「プリン」として、新しい人生、じゃなかった、犬生を生きてね。

<追記>
その後、アンジーはとても元気になったのだけど(お向かいの奥さんが、そう言われるほどに)、はっと気づいたら、アンジーの頭の毛の脱色が激しくなっていました。
まあ…アンジーもストレスだったね。

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