確か、子どもが小学校1年生の終わり頃のこと。国語のドリルか何かやっていて、問いは「はんたいのことばをこたえましょう」で、①おもい ②はやいの「はんたいのことば」を答えさせるものでした。子どもの解答欄を見ると、①いもお ②いやは と書いてあって、一瞬何のことかわからなかったのですが、はあはあ、逆さまから書いただけなんだと気づきました。
「いやいや、Kちゃん、そうじゃなくてね、…う〜んと、例えばね、ゾウさんは重い。ネズミさんは?」と尋ねると、「かるい!」と元気よく答えました。「そうそう!そしたらね、『ウサギとカメ』のウサギさんは?」「はやい!」「そうだね。じゃあ、カメさんは?「おそい!」と得意そうに答えました。そして、最初に書いていた答えを消しゴムでゴシゴシ消し始めたのでした。
なんだ…ちゃんと答えられるじゃない。そりゃあね、あれだけ絵本読んできたんだものね、と私はひとり、悦に入ってたのに、子どもの②の解答欄に「かめ」とあるのを見つけてしまったのでした。
またしても頭の中が???となった私は、国語の教員としてここでひるむわけにはいかず、「あのね、Kちゃん、『何が』を答えるんじゃなくて『どんなふう』を答えるんだよ」と発問し直して、やっと正解に辿り着いたのでした。
思えば、あの頃から発想が人と違ってたのね…この子…。
但し、後日、このエピソードは高校生に品詞を教えるときに、「…今の話の、『何が』と『どんなふう』の品詞はそれぞれ何?」というように使わせていただきました。…転んでもタダじゃ起きないママでした。