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あれは、やめてもらえないかな〜「折々のことば」鷲田清一 #3112〜

2025/02/02
あれは、やめてもらえないかな〜「折々のことば」鷲田清一 #3112〜
折々のことば。2024年6月11日の堀田力(つとむ)の言葉。

僕がもたもたしていると、パッとやってくれるでしょう。あれは、やめてもらえないかな。   堀田力


鷲田清一の解説。

脳梗塞(のうこうそく)で倒れ、視力や記憶の一部を失った元検事の福祉事業家は、機能回復に取り組む中、至れり尽くせりの世話をしてくれる妻に一つだけ、注文する。
相手が起きようとした時、すかさず手を添えるのが看護、起ききれず後ろに倒れる寸前で手を支えるのが介護だと聞いたことがある。
「婦人公論」4月号での妻・明子さんとの対談から。


世話をしてくれる人に。「あれはやめてもらえないかな」なんて、注文をつけるのは。
一般的には「憚(はばか)られる」こと、だろう。
でも、自分のやれるギリギリまで待っていてもらわないと。
「機能回復」は覚束(おぼつか)ない。

それは、「自分でやれることを増やそう」とする、意欲の表れ、なんだけど。
多くの日本人は、世話になっている状態で、モノいうことを躊躇(ためら)う。

よくよく考えると。
「自分のためになる、と思えることを申し出ること」こそが、本来の「お世話」を生かす道、なんだけど、ね。
お世話する人は、お世話される人がどこまで自分で出来て、どこから介助が必要か、は、分からない。
ましてや。「機能回復」に向けて、どのように「介助の範囲を狭めていくか」にまで思いが至らない。

そうね。
その人が必要とする範囲を、その人と共に探っていく、ことが一番いいんだよね。

私はカウンセリングルームで、「先生」ではなく「まこさん」と呼んでもらっている。ルームを開設した当初から。
それは、一緒に問題解決の方法を探っていくのに、「先生」じゃダメだからだ。

だって。「こんなふうにやってみませんか?」と私が提案して。
それがちょっとご本人にはハードル高い、と思える時でも。
「先生」には「…できません」って言えないでしょう?
「まこさん、それはちょっと私には出来そうにない」「まこさん、ちょっと私には難しいです」
そういってもらったら、私は次の手立てを考える。
「じゃあ、これだったらどうですか? 出来そう?」
「それだったら、出来そうです」
「じゃあ、やってみましょうか」

現実を変えるには、行動を変える、しかないんだけど。
その行動が、自分にはとても出来そうになくて、「絵に描いた餅」ならば、意味がない。
だから、そんな時には「出来そうにない」と言ってもらった方が、より現実的な「提案」を探る方向に舵を切れる。

そうね。上下関係ではなく、フラットに。横の関係でいるのがいい。

昨日初めて来られた方は、和歌山から遠路遥々、だった。
コース説明をするときに、「5ヶ月7回でこのような状態を創る」「終わりがあるカウンセリングです」と言うと驚かれた。
「これまでも、数ヶ所、カウンセリングに行ったことがあったけど、終わりがあると言われたことはありませんでした」
「いつまでもカウンセリングが必要なのは、依存でしょう? 私は依存状態は作りたくないんです」
即座にコースを始めることを決められた。

そうね。必要な人に必要なものを。
そして。その「必要」は本人が決めること。

私も。私に必要なことは、私が決めてきた、から。
同じ、よね?
そう。自分がして欲しくないことは、私も人にしないの。

時には、「依存」したがる人もいるけど。それはそうじゃない、その方向は間違っている、と私は線引きする。
なぜなら。それはその人が幸せになる方向ではないから。一時の安心が、「命取り」になることだってあるんだから。
「自立」できる方向へと導く。

昨日はもう一つ、「緊急時メール」も入った。
大学卒業が間近な娘さん。親子の会話がなくて(娘さんが拒否して)、就職がどうなったか、が分からない。
そんな中で、娘の部屋から果物用ナイフが見つかった! (数日前から見当たらなかったそうなんだけど。)
思わず、そのナイフを娘の部屋から持ち出してきたけど、でも、そうすると勝手に部屋に入ったことがバレてしまう。
まこさん、どうしよう? と。

ナイフには血がついていましたか? そうではないでしょう? 大丈夫です。
そっと元に戻して。部屋の前にメモでも置いておきましょう。
「ちょっと前から果物ナイフが見当たらないんだけど、知りませんか? もし使ったのなら元に戻しておいてね」
それで、大丈夫です。

かなり冷静にものごとの判断ができる方なんだけど。
いろんな、悪い想像がワッと押し寄せて、ちょっとパニックになられたようで。
まあ、そういうときもあるけど。
また冷静に戻られるようにと、対応します。

ちょっと冷静さを失うことがあっても、ずっとではない。
本来のあなたはそうではない、という立ち位置に戻られるように、サポートする。
「ずっとあなたは心配な人」という立ち位置での対応は、依存を作る。
だから、そういう対応はしない、というのが私のやり方です。

こうやって考えてみると。
「あれはやめてもらえるかな」「それは出来ません」と自分の意思をハッキリ伝えてもらうための「手立て」を私は打ってきた、んだと思う。
そして。もうすぐルームを開いて10年になるけど。
それでよかった、と思う。(今日は2,200字)

画像は、渋谷にある「サクラ・フルール青山」という私のお気に入りのホテル。
渋谷は大嫌い、なんだけど。アリス仕様のこのホテルだけお気に入り。
来週は研修で東京に行くので。会場は新宿なんだけど、わざわざここに泊まる、ことにしていて。ちょっと楽しみ。

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