一昨日、8月27日の毎日新聞の「医療・福祉」欄に「こころの天気図」と題された月1回のコラムで、「9月1日に向けて」というタイトルの記事が掲載されているのを見つけました。
東京大学教授で精神科医の佐々木司さんの文章です。
「もうすぐ8月も終わる。子どもたちには夏休みの終わりと登校再開の時期となるが、同時に増えるのが自殺である。」という書き出しで、「18歳以下の自殺者の1972〜2013年の合計(約1万8000人)を日付別に内閣府がまとめたグラフ」を提示されていました。
それによると、40〜60人程度の日が多い中、9月1日は131人、翌日の2日は94人、前日の8月31日は92人で、他の時期に比べ明らかに多い、というのです。
以下、佐々木さんの文章を引用します。
「大人より少ないとはいえ、18歳以下の自殺は年間数百人に達する。小学生が数人〜10人前後、中学生が50〜100人前後、高校生は200〜250人前後で、年齢が上がるほど増える。日本では10代と20代の死因の1位が自殺で、子どもの自殺防止は国全体の大きな課題だ。」
「10代と20代の死因の1位が自殺」だなんて。こころ痛みます。
…でも、私自身、思い返してみると、そんなに楽しく学校に通っていたかというと、そんなことはない。
時には重い身体を引きずって行っていた…記憶もあります。
何が原因か、など、そんなはっきり答えられるほどのことはなくても、何だか居心地よくないなあ…つらいなあ、というぼんやりとしたものを感じながら。
記事では「学校やクラスは子どもたちの生活の『ほぼ全て』と言っても過言ではない。…休むことも許されない。少なくとも、子どもたちはそう考えがちだ。」として、 「家族として心配なら、死にたい気持ちがどれくらい強いか子どもに思い切って聞いてみるといい。」という提案をしていました。
「NHKはスマートフォンで子どもも参加できる企画を計画しているようだ。」として、URLも記載されていました。(https://www.nhk.or.jp/heart-net/831yoru)
2年ほど前に、どこかの図書館が発信したメッセージが話題を呼んだことがありました。
改めて調べてみると、2015年8月26日に鎌倉市図書館がツイッターで発信したメッセージでした。
「もうすぐ二学期。学校が始まるのが死ぬほどつらい子は、学校を休んで図書館へいらっしゃい。」
2万人が拡散した、とあります。
確かに。死ぬほど思いつめている子には、救いの言葉かもしれません。
選択肢がない、と思い詰めるのですから。
ここに居ていいよ、というメッセージは温かい。
私も何か出来ないだろうか…。
私も9月1日、カウンセリングルームを解放して、居場所が作れたらいいな、と思います。
それをどんな風に、子どもたちに伝えられるか、ですが。
何かいい方法、ありませんか?
画像はこの前の土曜日に訪れた「ギャラリーカフェTanaka」のトイレ。上部が、中庭が見えるガラス窓になっていました。