毎日雨続きで、せっかくの秋の爽やかな季節はどこに行ってしまったか、と嘆かわしい限りです。
秋の風景、といえば、ヴェルレーヌの詩「落葉」。
上田敏の訳詩集『海潮音』が有名です。
「読書への誘い」第24号で紹介したものです。
「落葉(らくよう)」
ヴェルレーヌ
上田 敏訳
秋の日の
ヴィオロンの
ためいきの
身にしみて
ひたぶるに
うら悲し。
鐘のおとに
胸ふたぎ
色かへて
涙ぐむ
過ぎし日の
おもいでや。
げにわれは
うらぶれて
ここかしこ
さだめなく
とび散らふ
落葉(おちば)かな。
(訳詩集『海潮音』1905年刊)
ヴィオロンってバイオリンのことかと思うのですが。
何かもの悲しい音色に思えるのでしょうか。
「ためいき」に聞こえるなんて。
何が悲しいというわけでもなく、
「過ぎし日のおもいで」が錯綜して、
「鐘のおとに/胸ふたぎ」「色かへて/涙ぐむ」…ほど、心が千々に乱れる。
「ここかしこ/さだめなく/とび散らふ/落葉」は、「われ」自身でもあるわけですね。
秋は、日が暮れるのも早くなり、風も冷たくなり、それだけで、なんとなく心淋しくなる季節ではあります。
心の不調に陥る人が、秋に増えるのも、なんとなくわかるような。
ちょっと、おかしいなあと思ったら、早めに手当を。
画像は、昨年秋に撮った、奈良公園の落ち葉。
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