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子どもの踝まで青空が降りてくる、秋〜鈴木ユリイカの詩「秋」

2018/10/09
子どもの踝まで青空が降りてくる、秋〜鈴木ユリイカの詩「秋」
今年の夏は本当に暑かったですね。
体温なんて平気で超えちゃって、時には40℃なんてことも。
…いつから、日本は亜熱帯になってしまったのだろう…なんて思ってました。

台風もやたらと発生して、これまでなかったような進路を取ったり、とか。

夏の疲れが出て、ぼんやりしている内に、いつの間にやら朝夕が涼しくなっていて。
朝の杏樹(アンジー)との散歩で、金木犀の香りを感じることも多くなりました。

今日は、鈴木ユリイカの詩「秋」を取り上げたいと思います。

   「秋」    鈴木ユリイカ

 

 鷲は言った  鶫(ツグミ) は言った

 ——俺たちの宝はなにか?

 野うさぎは言った 橡(土地)の木は言った

 ——俺たちの宝はお日さまさ

 

 お日さまは恥かしそうに海の中でお顔を洗い

 お日さまの中の男と女は鏡のように見つめ合い

 手を取りあって海のうえを都市のうえを歩き

 大地にきらきらするものをばらまいた

 

 お日さまは言った

 ——俺たちの宝は空さ

 

 空は何も言わなかった

 一万年 十万年 千万年 そして今日も

 空は何も言わなかった

 

 秋がやって来て

 子どもの 踝(くるぶし)まで青空が降りてきた

    (詩集『ビルディングを運ぶ女たち』 思潮社 1990 年刊)


お日さまがないと、あらゆる生き物たちは生命を維持していけない。
でも今年の夏は、照りつける太陽の光に灼かれるようで。
そんな日は極力外へ出ないようにして、お日さまを避けたのですけれど。

20代の頃に、シルクロードの一端を味わいたくて、新疆ウイグル自治区に行ったことがあります。
吐魯番(トルファン)という町で、8月の日中、日なたは54℃ぐらい、日陰でも45℃ぐらいになる。
とてもそのままでは息が出来なくて、私はタオルで口を覆っているのに、現地のこともたちは平気で遊んでいました。
ただ、熱風が吹いてたけど、湿度は低く、カラッとしていました。

ブドウ畑に迷い込んで、…そこは干しぶどうの産地で、干したブドウの取り入れ作業をしていた娘さんが、干しぶどうを差し出してくれました。
急なことで、慌てた私は片言の中国語で「ドウ シャオ チェン?(おいくら?)」と言ったら、
微笑みながら、首を横に振りました。…ちょっと、私は恥ずかしくなりました。

ふと、そんなことを思い出したりしました。

あ、話が逸れましたね。
みんなに「俺たちの宝はお日さまさ」なんて言われて、お日さまは恥ずかしがるんですね。…ふう〜ん。
水平線の向こうから出てきたお日さまの中に、作者は男と女を見る。
そして、「大地にきらきらするもの」をばらまく。
…これは、優しい日の光ですね。

お日さまの宝は「空」だと言うんですけれど。…それは、「大地にきらきらするもの」をばらまくためには、「空」が必要だから?

でも、「空」は何も言わない。
ただ…「秋がやって来て/子どもの踝まで青空が降りてきた」。

…確かに。秋の空の色は深くなる。
夏の空は、太陽のギラギラした光線で白っぽいけれど。
それでも、「子どもの踝まで青空が降りて」くるような感覚を、私は持ったことがない。
青い青い空に、包まれているような感じ?

街の中で見る青空は、建物で遮られて見えないけれど、
詩人の目は、建物の向こうにある青空、全てを包み込む青空を見るのですね。

そうか…そんな「秋」の感じ取り方もあるんだなあ、ってちょっとびっくりしたので、お伝えしたくなりました。

画像は、広島の「大野自然観察の森」のベニマンサク。
9月の終わりから10月の始めにかけて、ハート型の葉が色づきます。
結構毎年のように、観に行っていました。これは2005年に撮ったもの。

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