2019年12月17日の「折々のことば」。
青木真兵の言葉。
「なんとなく」を軽視しているから、実は誰もが感じている「もやっ」を切り捨てて、「きちっ」としたものしか信じなくなる。
鷲田清一の解説。
人はクリアな判断のみに拠(よ)って生きてはいない。
「なんだか気持ちが悪い」とか「いつもはできるのに今日はできない」とかいった「なんとなく」を甘く見ていると、判断や感覚に狂いが生じると、奈良の山村で私設図書館を開く歴史研究者は言う。
もろもろの制度不全もここに一因がありそう。
青木海青子(みあこ)との共著『彼岸の図書館』から。
「もやっ」「きちっ」に小さい「っ」が付いているのが気になって。
多分…言葉の「体感」を大事にされる方なのではないか、と。
それで…なになに? 奈良の山村で私設図書館?
それって、どこ?
そう思って、ググりましたよ。
「奈良の私設図書館」。
そうしたら、出てきました!
「人文系私設図書館 ルチャ リブロ」。
奈良県吉野郡東吉野大字鷲家1790、だそうです。
「真兵」などというお名前だから、もっと年配の方を想像していたのに、なんと! 1983年生まれの方だそうで。
東吉野村のHPに詳しい紹介があって。
そこには次のような紹介がありました。
2016年4月に西宮市から移住した。
妻(司書)、猫、犬とともに自宅を開放し、人文系私設図書館Lucha Liblo(ルチャ・リブロ)を経営している。
博士(文学)。土着人類学研究会を主宰。
社会福祉法人ぷろぼのに勤務しながら、大学などでヨーロッパ史を講義。
月に一度、大阪でプロレスのトークイベント「はじめてのプロレス夜話」を行っている。
実験的ネットラヂオ「オムライスラヂオ」も配信中。
人文系私設図書館Lucha Liblo(http://lucha-liblolo.net)、オムライスラヂオ(http://omeradi.org)
リブロは、英語のライブラリー、図書館の意だとは思ったけど、何語? と思ったら、スペイン語だった!
ルチャは、スペイン語でメキシコプロレス、だそうで。
うーん…。プロレスがお好きなのと、どこかで繋がるのかな。
東吉野村のHPには、「移住」の項を立てて青木真兵さんの特集が組まれていて。
そこには、東吉野村移住に至る「物語」が紡がれていた。
残念ながら、私設図書館は「2019年12月16日(月)〜2020年3月14日(土)まで、冬季休館」だそうです。
青木真兵さんの、移住に至る「物語」はとても興味深いのだけど、このままだと、どんどん「折々のことば」から遠ざかっていく…気がして。
戻ります。
「なんとなく」、大事です。
私も、この秋ぐらいから、「なんとなく」感じたものが、実は本質的な問題に繋がっていたことに気づくことが多々有り、「なんとなく」感じた違和感を大事にしよう、と思い直したところです。
もう少し、そういった自分の「感覚」を信じてもいいのではないか…と。
それは、とても大切なメッセージなのではないか、と、そこから始めたい。
余談ですが、「社会福祉法人ぷろぼの」って、私の今住んでいるところから、歩いて1分のところにあるんです。
ちょっと覗いてみようかなあ。
画像は、1月3日の新年会で宝山寺にお参りに行ったときのもの。
あいちゃんが石垣の苔の美しいのに気づいて、写真を撮っていたのを、私も真似して撮りました。
東吉野村の私設図書館、こんな苔むした場所にあるんだろうか…、春、訪れたいと思います。