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人生の材料〜長田弘の詩「最初の質問」第6,7連〜

2020/01/25
人生の材料〜長田弘の詩「最初の質問」第6,7連〜
今日は、1月最後の土曜日。
…でも、いつも週末は忙しい。どうしても仕事が重なったり。
今日も忙しい。
でも! 早朝は…私の時間。

長田弘の詩「最初の質問」。残り2連。


  いちばんしたいことは何ですか。

  人生の材料は何だと思いますか。

  あなたにとって、あるいはあなたの知らない人々にとって、

  幸福って何だと思いますか。

  

  時代は言葉をないがしろにしている。

  あなたは言葉を信じていますか。

いちばんしたいこと、ねえ…。
陽だまりで寝転がっていること、かな。
ぬくぬくと。お日さまのまぶしさに、少し顔をくしゃにしながら。
うーん…私はどこで寝転がってる?
 
…14の時に引っ越したお家の縁側。ヒノキの白い板張りが綺麗な。(あ、ワックス掛けは大変だったけど。)
庭の枯山水を見ながら、ゴロンと寝転がっているのは好きだった。
一番デカい石が縦に据えてあって、その石に一部分、微妙な、薄いエメラルド色(?)の筋目が入っていて、
その色目のグラデーションを眺めているのが好きだった。

或いは、奈良公園の飛び火野、のなだらかな斜面。
緑の芝生が一面に。そこに光が差し込む。
鹿のフンに気をつけなければいけなかったけど、そこにごろんと寝転がる。
お昼にお弁当をもってきた日には、昼からの大学の授業に行きたくなくなった。

或いは、広島で住んだ家のウッドデッキ。
南向きのウッドデッキの上には、緑のシェードを付けた。そのシェードを半分出しして、日差しを入れる。
デッキの上にゴロンと寝転がる。木の板の感触も優しい。(定期的にオイルステンを塗らないといけないのが大変だったけど。)
赤ん坊と一緒にハイハイする。そして一緒にニッコリする。


人生の材料は…ちょっと香辛料も入るけど、
基本、滋養のある食べ物、かな?
食べて、笑って、ほっこりして、寝る。
うん。とてもシンプル。


「私にとっての幸福。それから私の知らない人々にとっての幸福。」
…これは、誰しもの幸福ってこと?
うーん…なんでしょうね。

私は…気持ちのいい人と一緒に、美味しいご飯が食べられたら、それが何よりの幸福って気がするけど。
気持ちのいい人ってねえ…そうね、気を遣ったり、構えなくていい人。自分に嘘のない人。
私は…あまり飾らないと思うけど、そんな私がそのままでいても、いい人。
私は…いちいちいろんなことに感動するけど、(「あ、空が青い!」とか「あ、飛行機!」とか。)それをそのままにさせてくれる人。
…これは、「私の知らない人々」にとっても同じだろうか?
そもそも、「私の知らない人々」なんて! 想像できないよ。(あ、今「無理!」という若い人の言葉が聞こえた。)


「時代は言葉をないがしろにしている。」
というのは、一方でそうだと思うけれど、一方では、だからこそ言葉に飢えている、気もする。
本当のこと、本当をことに気づかせてくれる言葉が欲しいのでは、とも思う。

「あなたは言葉を信じていますか。」
これは、どこかに書いたけど、長田弘が詩人だから、の言葉か、と。
音楽を自分の表現手段にする人は、その音楽を信じていますか、と問いかけるに違いない、と。

長田弘は、言葉を信じているから詩を書くんだろう。
私も…言葉を信じているから、文章を書くのだろう。
言葉は「事の端(は)」、ものごとの一端を表すものでしかない、と思ってみても。

昔、比喩表現(暗喩)を追いかけていたときに、人はなぜ「たとえ」をするのだろうと思ったことがあって。
言い表せないことに出会ったときに、自分の知る限りのものを総動員させて、表現したくなる、その延長線上にあるものか、と。
言い表せないことは、「物」の場合も「事」の場合も「気持ち」の場合も、いろいろだけど。
従来の言葉では「とても言い尽くせない」、と思ったときに発動するもののような気がして。
それが、「おきまりの表現」になっていくと、心が動いてないから、もうダメなんだけど。

誰でも、そのようにしか表現できない!という表現をした時が、一番新鮮で。
「そのようにしか表現できない」表現を追い求めるのは、やはり、どうすれば人に伝わるか、を考えるからでしょう。
「人に伝わらない」でいた時間が、そういう心持ちを育てる、のかもしれない。

「あなたは言葉を信じていますか。」という問いかけは、言葉を信じる人であってほしい、という詩人の「願い」かもしれない。

画像は、鎌倉ひとり旅で、江ノ島駅で降り立った時に出会った、彫刻。
「雲の形」というタイトルが付いてたけど、えらくエロチックな雲。…同じものを見ても、感じるものは違うのだ、としみじみ。

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