2020年度の、ナード認定校メディカアロマのフォローアップセミナーのテーマは「脳内ホルモン」。
第6回は「ノルアドレナリンとアドレナリン」。
どちらも活性化すると脳や身体を緊張させ、生体にストレスがかかったときの「防御反応」を引き起こす。
生体にとっては、それも必要な反応なのだけど、
ただ、それが過剰に分泌されたり、長期間にわたったりすると、生体にダメージを与える。
つまりは、脳機能の低下を引き起こす、というのだ。
…まあ、「ストレス」が癌を生み出し、自律神経を狂わし、「病気」に至らしめる、とは
一般的にも知られていること。
ストレスに対する脳内ホルモンの動きを見ながら、それを緩和するにはどのようなアロマオイルを使えばいいのか?
という、非常に興味深い話の展開でした。
初めて知ったのは、ノルアドレナリン神経は消去学習にも関与している、とのこと。
つまり、「イヤなことを忘れる」働きもしている、というのです。
同時に、ノルアドレナリンは、記憶の固定にも関与し、長期記憶の形成を促進する、とのこと。
…学習したことを記憶するには、睡眠を取らなければいけない、と聞いたことがあったのですが、
睡眠とノルアドレナリンがどう関係するのか、質問しようと思って、忘れました。(次回、聞こうと思います。)
認知症の行動異常や妄想は、初期のノルアドレナリンの亢進から生じるのだという。
その場合は、アドレナリンを抑える手立てが必要となる。
一方で、認知症の予防として、ある程度のノルアドレナリンの活性が有効だとか。
レジュメに「ノルアドレナリンの分泌を助ける精油」がいくつか挙げられていました。
レモングラスは、前回にも紹介されていたので、覚えていましたが、
今回新たに知ったのは「カルダモン」。
脳の酸素量を増やす、つまり血流量を増やす働きをするそうです。
調香によく用いる精油だそうですが、私が注目したのは、気管支炎に効くこと。
冬場、風邪を引くとよく気管支炎を起こしていたので、早速、注文しました。
グレープフルーツも挙げられていましたが、面白いなと思ったのは、グレープフルーツの学名。
Citrus paradisii(キトルス・パラディシ)と読むようなのですが(ラテン語)、
なんと、パラダイス(=楽園)という名がついている!
楽園にいるかのような気分に誘(いざな)う、ということでしょうか、との中田先生のご説明。
アドレナリンは、交感神経の緊張によって血中に放出され、ホルモンとして作用するもの。
アドレナリンの過剰分泌が続くと、攻撃的になり、自立神経失調や、パニック発作に繋がる可能性もあるという。
さらには、高血圧や糖尿病の発症リスクも高まるそう。
ストレス時にはアドレナリンだけでなく、副腎皮質からコルチゾールが分泌され、脳や記憶力に悪影響を及ぼす、という。
抗アドレナリン作用をする精油として、プチグレン、マンダリンが紹介されました。
まあ、香りは脳に直接的に働きかけるから、パニック障害の方にも有効であることは、私も知っているけれど。
ものの見事に、電車に乗れなくなっていた方が乗れるようになった、など。
そう聞かされた私も、とても嬉しいし、アロマの知識をもっと身につけて、提供できるものを増やしたいと思います。
画像は、慈照尼のところの大楽庵に寄せていただいた時、朝の散歩でご近所の門扉が面白かったので、撮ったもの。
平面では収まらず、枠からはみ出て手を伸ばしていこうとする植物は、ゆっくりと確実に、自分の生きる場を拡げています。