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今年もいい季節がやってきた〜長田弘の詩「友人」(『深呼吸の必要』所収「大きな木」から)〜

2020/08/25
今年もいい季節がやってきた〜長田弘の詩「友人」(『深呼吸の必要』所収「大きな木」から)〜
朝から、詩集『深呼吸の必要』を読む。
ハードカバーの本なので、それなりの重さがあって。
電子ブックも便利だけど、
多分…この「重さ」が時折、恋しくなるんだ…と思う。
それから、場合によっては、装丁の紙の手ざわり、と。

買ったばかりの本からは、新しい紙の匂いがした。
昔の本は、ページが「袋とじ」になっていて、
ペーパーナイフで切って読んでいった、と聞いたことがある。

…ワクワクした、だろうね。
ペーパーナイフで切って、本の世界に入っていくの、って。

さて、今朝の詩、です。


  「友人」   長田弘


  自転車に乗って、きみは夜の道をゆっくり
 と走る。明るい家々の角を曲がると、急な坂
 だ。息はずませて上る。ペダルを踏むごとに、
 前灯が激しく揺れて、あたたかな風が汗の匂
 いをサッと拭いとってゆく。坂を上りつめて、
 線路ぎわへの暗い抜け道に折れる。道のなか
 ばまで古いおおきな樹木の影がかぶさって、
 木の下闇いっぱいに、雑草が勢いよくひろが
 っている。

  自転車をとめ、きみは呼吸をやすめて、耳
 をすます。もしこんな暗いところで一人で何
 をしているのかと訊かれたら、何というのか。
 友人を待っているというのか。ガサッ、ガサ
 ゴソ。なつかしい微かな音がする。きみは微
 笑する。1ぴきの老いたおおきな蟇がよたよ
 たと、樹木の影のなかへでてくる。やあと、
 きみはいう。きみの旧友の蟇は約束を違えな
 かった。われらの星は太陽のまわりを一めぐ
 りし、今年もいい季節がやってきたのだ。


おそらくは、春の季節を詠ったもので。
今は晩夏、だというのに。
なのに私は…、出だしの「自転車」に反応してしまった。


自転車。私を「自由」にしてくれた、最初の道具。
割と早くに自転車には乗れた、と思う。
運動があまり得意でない私の、唯一、自在に乗れた、乗り物。

自転車に乗って、遠くまで出掛けた。
歩いては、到底たどりつけない遠く、まで。
自転車は、知らない場所まで「探検」するための、必需品だった。


あ、でもこの詩の中心はそこではなくて。
春先の、蟇(ひきがえる)の目覚め。
自然の…季節の運行。

そうね。どんな時期も、いずれ巡り巡って、
「春」が訪れる。
明けない夜はないように、命が芽吹く春が訪れない、ことはない。

「やあ、また会ったね」そう言いながら、
昨年とはまた違った「季節」を味わおうと思う。

画像は、今年8月10日朝の、朝日が射す中での立葵。
光の中の、ほんのりとしたピンクは、限りなく優しい色目に包まれていました。

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