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  2. 沙羅 Sara の「ほっと一息」コラム
  3. ゲシュタルト療法
  4. 自分という新たな認識をしていくための創造〜2021年ファシリテーター集会 第3日目〜
 

自分という新たな認識をしていくための創造〜2021年ファシリテーター集会 第3日目〜

2021/01/12
自分という新たな認識をしていくための創造〜2021年ファシリテーター集会 第3日目〜
2021年ファシリテーター集会第3日目。午前中はメキシコのミゲル・マリン博士の講義。
タイトルは「支援(援助)、責任と力」。

最初に「実存哲学、それは自分の存在に対して責任を負う必要があります。」というフリッツ・パールズの言葉の紹介があって。
実存主義哲学を中心に据えて、今日の講義は行われる、という位置付けがうかがえた。

ご自身のゲシュタルト療法との出会いから、話は始まる。(以下、ミゲルさんの言葉を☆印で列挙していきます。)


 

1 グループの技法とダイナミクス

☆John O Stevens(ジョン・O・スティブンス)の『Parse cuenta』という本と出会い、その中で書かれていた自分自身に気づく、自己を知覚するというのが驚きだった。

☆教育学、教授学は、知性に頼って、私たちの外側で何をするかをたくさん学ぶのが通常。

☆自分自身をどう見つめるのか、自分自身どうあるのか、自分らしい言葉で語ること、自分の中に光を見つけるということだけ、内観することだけにフォーカス当てていくところが、本当に晴天の霹靂だった。

 

2 ゲシュタルト心理学

○ 閉鎖性の法則

○ プレグナンツ(群化)の法則

☆フリッツ・パールズの素晴らしかったことは、この2つの法則をさらに大きな視点から眺めた、全体性を捉えるような視点を、情熱とともに伝えてくれたこと。

☆(父の死に間に合わなかった息子を例に)広げながら、より広げていくことで、心の中でその物語を終わらせていくことができるようにしていくこともできる。 

☆起こった出来事を閉じていくのではなく、拡げながら、よりよい形で、それを自分の心の中で終わらせたり完了させたり、理解をしていく、という方向に持っていくのがゲシュタルト療法。



▽「援助(支援)における創造的なプロセス」

 1)“創造”としてのセラピー

  ☆これにより、プロフェッショナルとしての視点が得られた。どこにでもいるセラピストとしてではなく、その態度や在り方を示してくれた瞬間。

  ☆セラピストがひとりで絵を描くのではなくて、たとえばペアダンスのようにペアの相手と共に一緒に美しいダンスを踊るかのように、一緒に絵を描くような、共にクリエイトするような、それがセラピーなんだと私の中で進化した。

  

 2)専門家としてのビジョン

  ☆セラピーとは過去の人生を取り戻したり過去から誰かを回復させたり、過去に終わったはずの出来事から何かを完了させる行為ではなく、新しい世界や新しい現実、人生を共にクリエイトする、というのがセラピーなんだ、と気づいた。

 

 3)愛情のこもった援助(支援)

  ☆マルティン・ブーバーの言葉=私たちは全ての人を愛さなければいけないという義務のもとに生きているわけではない。でも私たちは愛を持って他者と接するということができる。

  ☆実は私にとってこの言葉は凄い驚きだった。私が教育を学んだ時には、私の先生方は生徒全部を愛さなければいけないと教えた。

  ☆私にとっては、それが本当に大変な努力の要ることだった。なぜかというと全ての生徒に対して愛を持つということ自体が難しい作業だったから。

  ☆「愛を持って接するということが大事」というブーバーの言葉は発見であり、気づきだった。

  ☆愛さなければならないという義務感からではなく、自分らしい愛情を込めた接し方をするというふうに自分の態度を変えることができた。

  ☆今では専門家としてのビジョンだけでなく、私の存在、生き方そのもののビジョンにもなっている。

 

 4)個人的なビジョン

  ☆私の前に現れるセラピーにお見えになる方たちは、ある症状でもなく、ひとりの患者でもなく、苦悩しているひとりの人間なんだという視点。

  ☆セラピーにやってくる方たちは何を発見していくかというと、実存主義的な視点から、自分という新たな認識をしていくための創造をしていく、そういった道を拓いていくために、私のところにやってくる。

 

3 実存主義的なアプローチ

○態度・姿勢

○哲学


▽実存的な態度
 セーレン・キルケゴール 
  ・主体にとどまる→自分の存在(実存)に対する責任
 
 フリードリッヒ・ニーチェ
  ・力を与える意思
  ・神(主)のモラル(道徳)…どう価値を創造するかのモラル⇄奴隷のモラル(他者の指示に従って、他者の価値を創造し続ける)
  ・力とオーセンティック(=他者と対峙した時に、自分を正当な存在として居られる在り方)

 ※『ツアラトウストラかく語き』の中に出てくるたとえ話…ラクダの話=創造するという意思の使い方を発見する話
   ラクダ…従順な義務の精神、ライオン…強靭な精神、子ども…創造の精神

4 実存的な哲学
 1)学派:現象学と実存
 2)落ち込み(うつ)と混乱
 3)実存
 4)“世界(他者)の中での”実存
 5)責任:革新的なヒューマニズム

5 援助(支援)の目的(姿勢) 
 1)存在自体の問いー逃避、忘却
  ・自己実現→オーセンティック
 2)心ない世界
  ・技術の進歩との直面
  ・麻痺
  ・心酔(偶像崇拝的)の促進
  ・ホスピタリティの欠如
  ・過剰な他者(他)への配慮
  ・絶望
  ※脅威:一般化する(抽象的な)精神→戦争(紛争)への要因
 3)新たな支援“援助”
  ① 《自己の哲学》を分析する
  ② 《他者の哲学》の回復
  ③ 人との関係の中で、顔と顔を合わせて現れる
  ④ “責任”へのプロセスとしての自覚(意識)
  ⑤ 他者への応答での自己の誕生
  ⑥ オーセンティック:あなた(他者)の前で
  ⑦ “顔”として現れるもの
  ⑧ “切羽詰まった叫び”への対応

☆「どこにいるの?」という「切羽詰まった叫び」に「私はここにいる!」という応答。
☆さらに、できれば「私は今、あなたと共にいる!」という応答ができれば。
☆「生きがい」という日本語

<質問と回答>
1 メキシコではゲシュタルト療法は具体的にどのように活用されていますか?
 →地域コミュニティの中で

2 8年前のAA GTメキシコ大会で、メキシコのゲシュタルト人口は5,000人と聞いた。メキシコでゲシュタルト療法が広がった理由は何か?
 →2つ大きな要因。ひとつは、メキシコの大学で、教科として教えられるようになって、認知度が高くなったこと。もうひとつは、学会が一つになったこと。

3 日本でこういう話が聞けない現状がある。どうしてメキシコではこういう話が聞けるのか?
 →ミゲルを呼んでもらえれば!(笑)


「過去の人生を取り戻したり過去から誰かを回復させたり、過去に終わったはずの出来事から何かを完了させる行為ではなく、新しい世界や新しい現実、人生を共にクリエイトする、というのがセラピー」というミゲルさんの言葉。
取り組みが「過去」を取り扱っていたとしても、それは、よりよい未来を築くためという未来志向で。
それは、これまでの心理療法もそうであったとは思うけど、より未来に視点を向けた、という意味で私には画期的に響いた。

そして、「切羽詰まった叫び」への応答としての「私は今、あなたと共にいる!」。
ああ、そうね。そうだ。それが言えれば、それでもういい、ような気がする。それが全て、である気がする。

画像は、いつぞや作ったフラワーアレンジメント。淡い黄色の薔薇が初々しかったので、撮った一枚。
淡い色でも、ひっそりと、そこに在るのがいい、気がする。

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