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自分の気持ちを解放する〜山本 かずこの詩「あなたがきらいです」〜

2017/03/31
自分の気持ちを解放する〜山本 かずこの詩「あなたがきらいです」〜
最近知り合った人で、今年になって「この人から離れよう」と思った人がいて、それは、接しているとどうも居心地の悪さを感じるというか、言葉にとげを感じるというか、会った後、心が沈んでいるのを感じたからです。
どこからその人のことを、??と思い始めたのかとふと考えてしまって、そうこうしているうちに「あなたがきらいです」という詩を思い出しました。「読書への誘い」の第20号で紹介した詩です。

       「あなたがきらいです」 山本かずこ

 

あなたのめにうつる

わたしは

そんなにも

かわいそうなひとだったのですか

あなたから

きかされる

そのころのわたしのおはなしに

おもわず

なみだぐみそうになってこまります

かわいそうなわたしが

ぽつんとひとりで

こうていをあるいているのがみえてきます

けれど

あのころのわたしを

わたしはいまでもすき

なのに

あなたは

かわいそうなひとだったという

おかげで

わたしがあなたをきらいだったりゆうもわかる

ときおりみせた あなたの

めの

ひかりのどこかで

かわいそうなひとだかわいそうなひとだと

いっているのを

からだのどこかで

かんじていたから

なぜ

あなたを

すきになれずにいたのか

ながいあいだのなぞが

きょう

とけたようなきがします

         (詩集『愛人』1990年刊)

 

この詩を引っ張り出しながら、この「誘い」を作った2001年当時もきっと、何か、誰かの言動に「好きじゃない」と思ったんだろうなと思えて、ふと笑ってしまいました。直接言えなかったでしょうけれど、そんな形で私は自分の気持ちを解放していたのでしょうね。

 

中学1年の時にクラス中から無視される、という壮絶な半年を経験した私は、その後しばらく人間不信に陥りましたが、高校に入ってとても楽になりました。入った高校が「人と違う」ことを当然とする集団だったのです。「人と同じでなければならない」という圧力を中学校の時には感じていましたから、楽に息ができることを実感しました。嬉しかったです。

 

さて、山本かずこの詩ですが、「同情」されているのを感じたのですね。それは、「思いやり」という好意で示されていたとしても、対等ではない、そして、自分が持っている「自画像」とはあまりにもかけ離れている「私像」。その「私像」に私は押し込められそうに思えて、だから、「きらい」なんですね。私を見てくれていないところから発生する「私像」。「思いやり」のように見えて「押し付け」でしかない。私を認めていない「私像」。

 

直感というのは、大事にすべきですね。いえ、この場合は「直観」なのかもしれませんが。もやもやして、うまく言葉にできなくても、なんとなく感じる違和感、疎外感、居心地の悪さ。落ち着かなさ。それは、あなたが安心できる場ではないと感じていることを示しています。

 

「あなたがきらいです」と何も面と向かって言う必要はないけれど、でも、自分でその正直な気持ちを感じていることは大事だと思います。その気持ちを否定することは「病む自分」を作ってしまいます。「みんなと仲良く」なんて、到底できなかった私は、教員になってクラス集団を見ていく立場になって、どうしていいのか悩んだことがあります。悩んだ結果、正直に接することにしました。クラス全体に言う必要はないけれど、人付き合いに悩む生徒には「別に、みんなと仲良くならなくてもいいのよ。とりあえず、普通に挨拶ぐらいはしてつきあえる状態を保てば。好きになれない人がいても当然。好きにならなくていい。でも、挨拶ぐらいはできるようにね。」と。

 

それが私にも無理のない選択でした。

 

「みんな仲良く」なんて、人間の在りようを無視した理念だと思います。学校はそんなことを言ってるからいつまでたっても「いじめ」がなくならない。建て前でなく、人間という存在のどうしようもなさを、もっと見つめて、もっと認めて、そうして「教育理念」を作ればいいのに、と思います。できそうもないことを要求されたって、陰湿になるだけじゃないか、と思います。「学校文化」に息苦しさを感じ続けた私の想いです。

 

画像は、昨年撮ったアネモネ。

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